『稲盛和夫一日一言』3/20(月)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 3/20(月)は、「高い目標を掲げ達成する」です。
ポイント:高い目標への道のりがあまりに遠ければ、目標自体を断念してしまいかねない。しかし、眼前の今日一日を懸命に努めて歩み続けることで、思いも寄らないところまで到達していけるはず。
2001年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅠ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究課編/非売品)の中で、高い目標に対して持つべき姿勢について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
本来、高い目標を掲げ、それを確実に達成していこうとするならば、長期的な視野を持って、その達成に向けて具体的な計画を立て、それを確実に緻密に推し進めていくべきでしょう。
しかし、そうした余裕も知識も組織もないときはどうすればいいのか。
ときには、高い目標を掲げながら「自分の夢と現実の間には大きな隔たりがある」と感じて思い悩むかもしれません。また、その道のりがあまりに遠ければ、目標自体を断念してしまうことにもなりかねません。
ですから、大きな夢や願望を持つことはとても大切なことなのですが、それを達成するためには、日々の一見地味で単純と思われるような仕事をしていかなければならないことに何ら変わりはないのだ、と気づくことも大切です。
極端な言い方をすれば、眼前の一日しか見なくていい。今日一日を懸命に努める。その一日は尺取り虫みたいな歩みかもしれないが、気がつけば思いも寄らないところまで到達している。
偉大なことは最初からできるものではなく、地味な努力の一歩一歩の積み重ねがあって初めてできるということを忘れてはなりません。(要約)
もしあなたがある組織のリーダーで、「君のグループはどんな山に登りたいのか」、つまり「どんな目標を達成したいのか」と問われたとき、「誰も登ったことのない山に登りたいです」と答えるつもりなら、そこにはそれ相当の覚悟が必要です。
なぜなら、目指す高い山に相応しい装備や技術、訓練と同時に、そこに携わる全員がストイックなまでの考え方、心構えを共有していなければならないからです。
京セラ社員が同窓会に出席したとき、「君の会社はずいぶん厳しい会社らしいな。よくそんなところに勤めていられるな」と感心されるやら冷やかされるやら、そんなことがよくあったと聞きます。事実、私も同様の経験をしてきました。
「京セラフィロソフィのような訳の分からないもので精神まで拘束されるのは我慢ならない」と言って辞めていった社員は少なくないと思いますが、みんなで高く大きな目標を目指そうとすればするほど、各々がベースとして持っている考え方や心構えの総和(=ベクトル)が効いてきます。
高い目標を達成するために、いちいちその意義を説かなくても、そこに携わる全員が目標を共有化し、自分たちの目指す目標を明確に認識している状態ができていれば、全員の力を結集させゴールに導いていくことができます。一人よりは二人、二人よりは三人・・・
目標を全員に周知徹底し、共有化を図ることによって一人一人の参画意識が高められ、一丸となって目標達成に向かってエネルギーを注入していく。組織で仕事をするうえでは、大変大切なことではないでしょうか。