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『稲盛和夫一日一言』12/3(土)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12/3(土)は、「経営12ヵ条 ③」です。

ポイント:「経営12ヵ条」は、人間として何が正しいかという最もベーシックで普遍的な判断基準に基づいている。第7~9条は以下の通り。
 7.経営は強い意志で決まる
 8.燃える闘魂
 9.勇気をもって事に当たる

 昨日に引き続き、2016年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第6巻 企業経営の要諦』(稲盛和夫著 ダイヤモンド社)収録の2013年7月開催 第21回盛和塾世界大会塾長講話から、第七~九条の要点を示します。

第七条 経営は強い意志で決まる
    ー 経営には岩をもうがつ強い意志が必要 ー

 私は、経営とは経営者の「意志」が表れたものだと考えています。こうありたいと思ったら、何が何でもその目標を実現しようとする、強烈な意志が必要です。
 ところが多くの経営者が、目標が達成できないような場合、すぐに言い訳を用意したり、目標を修正してみたり、中にはすぐに目標を撤回してしまったりしてしまいます。そのような経営者の態度は、単に経営目標を達成できなくするだけでなく、従業員にも大きな影響を与えてしまうのです。
 もともと経営目標は経営者の意志から生まれたものですが、同時にその目標が、従業員全員が「やろう」と思うようなものになっているかが大切なのです。トップダウンで決定した経営目標という経営者の意志を、全従業員からボトムアップで上がってくる意志に変えることが必要です。
(一部要約)


第八条 燃える闘魂
    ー 経営にはいかなる格闘技にもまさる激しい闘争心が必要 ー

 経営にも格闘技などの世界で必要とされる「闘魂」が不可欠である、と私は考えています。人が好過ぎて、けんかもしたことがないなどという人は、早い時期に社長の座を、もっと闘争心のある人に譲るべきです。
 従業員を守るために、経営者が「絶対に負けるものか」というすさまじいばかりの闘魂、闘争心をもって企業間競争に臨まなければ、勝負にもならないと思います。
 景気や経済変動といった外的条件に一喜一憂することなく、どのような経済環境においても、闘争心をもって誰にも負けない努力を続けていきさえすれば、必ず道は開けていきます。


第九条 勇気をもって事にあたる
    ー 卑怯な振る舞いがあってはならない ー

 なぜ経営に「勇気」が必要かというと、まずは物事を判断するときに必要になるからです。往々にして、多くの経営者がさまざまなしがらみによって判断を誤っています。
 自分が行おうとする原理原則に基づいた正しい判断によって、例えば誹謗中傷や脅迫を受けたり、また自分に災難が降りかかってくることがあろうとも、会社のために最もよかれと思う判断を断固として下すことができる、それが真の勇気をもった経営者の姿です。
 経営者の勇気に欠けるふがいない姿は、企業内に野火のように広がります。そうすると、重大な局面に立たされたとき、従業員も同様に、妥協することを良しとし、ときには卑怯な振る舞いに走ってしまうようになりかねません。
 経営者には「担識」、つまり魂の奥底から発する勇気をもって正しい判断を下していかなければならない責任があるのです。
(一部要約)

 今日の七~九条の内容も、京セラ在籍中に繰り返し叩き込まれてきたフィロソフィです。
 研究開発で見上げるような高い壁にぶちあたって立ち尽くしてしまったとき、なかなか難しい局面を打開する術を見い出せずに悶々として下を向いてうつむいているとき、また強大なライバルを前にびびってしまって思わず後ずさりしている自分に気づいたとき等々、「岩をもうがつ強い意志を持て!」「燃える闘魂だ!」「勇気をもて!」「卑怯な振る舞いはするな!」と周囲から叱咤激励されながら、歯を食いしばって奮闘した日々のことが思い出されます。

 今日の3項目についても、興味のある方は、2022年9月発刊の『経営12ヵ条 ー経営者として貫くべきことー 』(稲盛和夫著 日経BP/日本経済新聞出版)を手に取っていただければと思っています。


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