『稲盛和夫一日一言』 12月1日
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12月1日(金)は、「経営12ヵ条 ①」です。
ポイント:「人間として何が正しいのか」という最もベーシックで普遍的な判断基準に基づいている「経営12ヵ条」は、業種や企業規模の違いはもちろん、国境や文化、言語の違いをも超えて通じるもの。
2022年9月発刊の『経営12ヵ条 ー経営者として貫くべきことー』(稲盛和夫著 日経BP/日本経済新聞出版)の前書きで、「経営12ヵ条」の普遍性について、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
世の中の複雑に見える現象も、それを動かしている原理原則を解き明かすことができれば、実際には単純明快です。こうした考えの下、「どうすれば会社経営がうまくいくのか」という経営の原理原則を、私自身の経験をもとにわかりやすくまとめたのが、「経営12ヵ条」です。
経営というのは、複雑な要素が絡み合う難しいものと考えがちですが、理工系の出身だからでしょうか、私には物事を本質に立ち返って考えていく習性があるようです。実際に研究開発などでは、複雑な現象を単純化する能力が求められます。
そして、物事の本質に目を向けていくなら、むしろ経営はシンプルなものであり、その原理原則さえ会得できれば、誰もが舵取りできるものだと思うのです。
「経営12ヵ条」は、たいへん短い言葉、平易な言葉で構成されているため、「果たしてこれだけで本当に経営ができるのか」と思われる方もいるかと思います。
しかしながら、「人間として何が正しいのか」という最もベーシックで普遍的な判断基準に基づいている「経営12ヵ条」は、業種や企業規模の違いはもちろん、国境や文化、言語の違いまでをも超えて、必ずや通じるものと私は考えています。(要約)
以下、各条項についてその要点を示します。
第一条 事業の目的、意義を明確にする
公明正大で大義名分のある高い目的を立てる
まずは、自分が行う事業の「目的」や「意義」を明確にすることが必要です。そして、その目的や意義は、ならべく次元の高いものであるべきです。言葉を換えると、公明正大な目的でなければならないはずです。
従業員に懸命に働いてもらおうとするなら、そこには「大義名分」がなければなりません。人間は、「自分はこの崇高な目的のために働くのだ」という大義名分がなければ一生懸命にはなれないのです。(要約)
第二条 具体的な目標を立てる
立てた目標は常に社員と共有する
具体的な目標を立てる。これは、ビジョンを確立するということでもあります。経営者は、「この組織は何を目指すのか」というビジョンや目標を高く掲げ、それを集団に指示していかなければなりません。
経営者には、「組織をどういう方向に導いていくのか」という方針を示し、「進んでいく先にはどのような未来があるのか」という展望を描き、さらには、その実現に至る具体的な方策まで指し示して社員を導いていくことが求められるのです。(要約)
第三条 強烈な願望を心に抱く
潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つこと
私は、心に描いたとおりに物事は成就すると思っています。言い換えれば、「何としても達成したい」という願望をどのくらい強く持つことができるか、それが成功のカギになってくると考えています。
こうしたことから、「強烈な願望を心に抱く」を3番目の要諦とし、「潜在意識に透徹するほどの強く持続した願望を持つこと」を副題として掲げているわけです。潜在意識を駆使すれば、経営をさらに大きく伸ばすことができます。(要約)
いずれの条項にも、20ページ以上の詳細な解説と要点、Q&Aが付記されています。
前書きの最後に、名誉会長は次のように述べられています。
京セラのみならず、KDDIや日本航空などの大企業から、旧盛和塾生企業のような中小企業に至るまで、あらゆる業種、業態における数々の実践のなかで有効性が証明されてきた、実証済みの要諦である「経営12カ条」。
ぜひとも、その素晴らしい力を信じて、よく理解し、実践していただきたと思います。(要約)
シニア起業して2年目の私にとって、経営はほぼ未知の領域であるだけに、この「経営12カ条」をどれだけ真摯に学び実践していくことができるかどうかが、経営のみならず、残りの人生そのものをも左右する大きな分岐点になるのではと感じています。