『稲盛和夫一日一言』12/4(日)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 12/4(日)は、「経営12ヵ条 ④」です。
ポイント:「経営12ヵ条」は、人間として何が正しいかという最もベーシックで普遍的な判断基準に基づいている。第10~12条は以下の通り。
10.常に創造的な仕事をする
11.思いやりの心で誠実に
12.常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で
一昨日、昨日に引き続き、2016年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第6巻 企業経営の要諦』(稲盛和夫著 ダイヤモンド社)収録の2013年7月開催 第21回盛和塾世界大会塾長講話から、第十~十二条の要点を示します。
第十条 常に創造的な仕事をする
ー 今日よりは明日、明日よりは明後日と
常に改良改善を絶え間なく続ける。創意工夫を重ねる ー
最初から傑出した技術力をもっている中小企業はそう多くはないと思います。日々創造的な仕事を心がけ、今日よりは明日、明日よりは明後日と、常に改良改善をしているかどうかで、独創的な経営ができるかどうかも決まってきます。
一日の工夫はわずかなものでも、それが一年も積み重なれば大きな変化が生まれてきます。世の大発明や大発見も、そのような地味な努力の積み重ねからできたものです。
能力を未来進行形でとらえ、絶えざる創意工夫を重ねた道の先にこそ、創造的な事業や独創的な企業が存在するのです。(一部要約)
第十一条 思いやりの心で誠実に
ー 商いには相手がある。相手を含めてハッピーであること。
皆が喜ぶこと ー
この思いやりとは、「利他の心」と言い換えることができます。経営の世界でもこの「思いやりの心」が大切で、「情けは人のためならず」というように、その恩恵は巡りめぐって自分にも返ってきます。
利害損得だけを優先させるのか、それとも本当に相手のことを思いやる心を優先して判断するのか、長いスパンで見れば、そうした心の差異が必ず結果の差異となって表れてくるはずです。(一部要約)
第十ニ条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で
経営者はどんな逆境にあろうとも、常に明るく前向きでなければならない、というのが私の信念です。経営に携わっていると、次から次へとさまざまな経営課題が現れてきます。しかし、そのような苦しい局面であればあるほど、夢と希望を失ってはならないのです。
正念場では、すさまじいばかりの闘魂やどんなことがあってもくじけない強い意志力が要るからこそ、日常は明るく振る舞う心がけが大事になってきます。そうでなければ、長く経営を続けることはできないはずです。
どんな逆境にあろうとも、自分の人生をポジティブに見ること、これが人生の鉄則であり、経営者として生きる要諦なのです。
今日の十~十二条の内容も、京セラ在籍中に繰り返し実感させられたフィロソフィです。なかでも、「最も好きな(あるいは大切にしている)フィロソフィはなんですか?」という社員向けアンケートで常に上位に挙がってくるのが、「常に明るく前向きに」という言葉です。
非常に単純ではありますが、自分の未来に希望を抱いて明るく積極的に前向きに行動していくことが、仕事や人生をより良くするための第一条件であると信じて、「常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で」生きていく。この言葉に勇気づけられ、背中を押された社員は少なくないと思います。
今日の3項目についても、興味のある方は、2022年9月発刊の『経営12ヵ条 ー経営者として貫くべきことー 』(稲盛和夫著 日経BP/日本経済新聞出版)を手に取っていただければと思っています。