『稲盛和夫一日一言』 5月21日
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 5月21日(火)は、「理想をめざす」です。
ポイント:最初に到達すべき理想を描き、どんな障害があろうとも、まっしぐらに進んでいく。めざすべき頂が明確に見えているからこそ、何があっても登ろうという気力が生まれてくる。
1996年発刊の『成功への情熱 ーPASSIONー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)の中で、ビジョンを持って始めることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
私は、新しい事業を始めるときに、疑問や不安を抱いたことは一度もありません。
だからといって、いつも順調な航海を期待しているわけではありません。実際のところ、一歩進むごとに壁に当たることを予想しています。しかし、私は一抹の不安も抱きません。
それは、事業が成功することも、成功へ至るプロセスも、明確に見えていなければ、決してその事業に着手しないからです。
行く手にどんな障害が待ち受けていて、どのような道を通ればその障害を避けてゴールにたどり着けるかということがすべて心の中に思い描けているということこそ、成功の条件なのです。
初めて行う仕事であっても、いざ着手するときには、あたかも以前に経験した気がするほど、熟知した状態でなければなりません。
そのためには、寝ても覚めても、常にテーマに意識を集中し、考え続ける必要があります。疑問が一点も残らないほど、起こり得るあらゆる細目を考え抜くのです。クリアな映像になるまで頭の中で繰り返し繰り返しシミュレーションを行うのです。
私はこれを自分の考えているテーマがカラー映像で見えるようになるまで続けます。
「鮮明なビジョン」が、成功に至る確信と、ひたむきな努力への意志を固め、そして他の人間に意欲を持たせ、成功へと導くのです。(要約)
2009年発刊の『働き方』(稲盛和夫著 三笠書房)の中で、第二電電で携帯電話事業を始める際の体験をもとに、「完成形が見える」なら必ず成功するとして、名誉会長は次のように説かれています。
仕事において何かを成し遂げようとするときは、常に理想の姿を描くべきです。また、その理想を実現していくプロセスとして、「見えるまで考え抜く」ことが大切です。
それは、私が人生のさまざまな局面で体得してきた事実です。
第二電電(現KDDI)が携帯電話事業を始めようとしたときのことです。周囲の人たちはみな首を傾げるか、あり得ないと否定論を口にしましたが、私には携帯電話の時代がやってくるという未来がはっきりと見えていました。
しかも、この無限の可能性を秘めた製品が、どれくらいのスピードでどう普及していくのか。またどのくらいの値段や大きさでマーケットに流通するのか。事業を始める前から、そうしたイメージまでもがくっきりと見えていたのです。
それは事前に考えに考え抜き、シミュレーションを繰り返していたからこそ、未来さえも見えるようになっていたのです。
「こうありたい」と夢を描いたら、その思いを強烈な願望へと高め、四六時中そのことを考え尽くし、成功のイメージが克明に目の前に「見える」ところまで持っていくことが大切です。そのようにして、すみずみまで明瞭にイメージできたことは、間違いなく成功します。
最初はぼんやりとした「思い」でしかなかったものが、次第に「現実」に近づき、やがて夢と現実の境目がなくなって、すでに実現したことであるかのように、到達した状態、完成した形までもが、頭の中に、あるいは目の前に克明に思い描けるようになる。
考えに考え抜けば、そのようなことが実際に起こるのです。逆に言えば、そのような完成形が見えるまで強く思い、深く考えていかなければ、仕事や人生での成功はおぼつかないと言えるでしょう。(要約)
今日の一言には、「めざす頂が明確に見えているからこそ、峻険な岩場に果敢に挑戦し、それを越えて、何があっても登ろうという気力が生まれる」とあります。
シニア起業して3年目、未だ到達すべき理想の実現には程遠く、岩場の前でたたずんでいるだけの自分に愕然とするばかりです。
気力が失せてしまう前に、何としても完成形が見えるまで強く思い、深く考えることで、理想の高みを目指さなければ、と意を新たにした次第です。
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