『稲盛和夫一日一言』3/24(金)
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 3/24(金)は、「創造的な仕事とは」です。
ポイント:今日よりは明日、明日よりは明後日と創意工夫をこらし、改良、改善を積み上げていくことも、立派な創造といえる。
2015年発刊の『稲盛和夫経営講演選集 第1巻 技術開発に賭ける』(稲盛和夫著 ダイヤモンド社)の中で、創造的な仕事をするということについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
創造していく最初の段階は、たいへん楽天的に自由奔放な発想で目標設定をして、それを制約すべき条件というのはあまりつけないほうがいいです。ただし、それは単なる空想や夢に終わるものではなく、実現できそうだと信じられるものでなければなりません。この自由奔放な発想で最初に目標を決めるときが、最も喜びを感じるのかもしれません。
一方、目標を実行に移していく段階というのは、すさまじく厳しい状況が続きます。だからこそ、楽天的な人間であっても、すさまじい修羅場を耐えて意志を貫いていくという精神状態が必要です。
来る日も来る日も過酷な作業を続けなければなりませんので、タフな神経がなければノイローゼになってしまいます。それだけに、うまく気分転換できるタイプの人が必要です。
そのような人が自分の意志を貫いていくと、研究開発は必ずできます。できないわけがないのです。それは、できると信じたわけですから、できるまでやるわけです。笑う方もおられると思いますが、その意味ではやはり、できると思うことが大切なのです。
研究開発などの場合にはとかく能力が最も先行すると誤って理解されがちですが、能力は標準程度あれば十分です。能力以上に大切なのが、人間性、つまり考え方と、熱意もしくは意志です。これらは、研究開発も含めて、物事を成し遂げていく場合に大きな効果をもたらすものです。(要約)
今日の一言には、「今日よりは明日、明日よりは明後日と創意工夫をこらし、改良、改善を積み上げていくことも、立派な創造」とあります。
京セラには「地味な努力を積み重ねる」というフィロソフィがあります。偉大なことも、日々の改良、改善の取り組み、基礎的な実験やデータの収集、足を使った受注活動などの地味な努力の一歩一歩の積み重ねがあって初めてできるということを忘れてはならない、という内容です。
そうした日々の改良、改善の中に、ささやかではあっても「創意工夫」を組み込んでいく。「創意工夫」には、「今までだれも思いつかなかったことを考え出し、それを行うためのよい方策をあれこれ考えること」といった意味がありますが、そうした小さな「創意」や「方策」の積み重ねが、素晴らしい成果をもたらし、大きな目標の実現に向けた一歩一歩となっていきます。
トーマス・エジソンの名言:
”Genius is 1 percent inspiration and 99 percent perspiration.”
「天才とは、1%のひらめきと99%の努力である」あるいは「天才とは1%の霊感と99%の発汗である」と訳されていますが、 「偉業を成し遂げるには、発明の才能も大事だけれども、たゆまぬ努力のほうがずっと大事だ」とも解釈されています。
個人であれ、チームであれ、掲げた目標に対して、必ず達成できると信じると同時に、タフな精神状態をキープしながら果敢にチャレンジしていきたいものです。