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『稲盛和夫一日一言』 1月23日
こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 1月23日(火)は、「苦労は成功の土台」です。
ポイント:人生で経験してきたたくさんの苦労や挫折は、後にすべて成功の土台となってくれる。
2009年発刊の『働き方』(稲盛和夫著 三笠書房)の中で、逆境にあっても愚直に懸命に働き続けることの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。
私の場合、人生において経験してきた、数え切れないくらいたくさんの苦労や挫折は、ちょうどオセロの石が一気に黒から白に返るかのように、後にすべて成功の土台となってくれました。
今振り返ると、過去に苦しいと思えたことが、後になっていい結果を招いていることに気づかされるものです。
例えば、私が赤字続きの松風工業に入社し、同期の中でただ一人取り残されたとき、「稲盛君はかわいそうだ。大学の成績もよかったし、よく勉強もしていたのに、あんなボロ会社でくすぶっている。運のない男だ。この先、彼の人生はどうなっていくのだろう」
友人たちは、そんな同情とも揶揄(やゆ)ともつかない言葉で、私のことを評していました。
私自身、同僚たちが自分の才覚で進路を開いていったのに比べて、自分だけが行くあてもなく、たった一人でさえない会社にくすぶり続ける他はない。そうした絶望感に押し潰されそうになっていました。
しかし、今にして思えば、そうした不運、試練こそが、私に仕事に打ち込むことを教え、そのことを通じて人生を好転させてくれたという意味では、神様が与えてくれた最高の贈り物だったのです。
逆境にあっても、愚直に懸命に働き続けたことが、今の私のすべてをつくる基礎となってくれました。(要約)
また、1989年発刊の『心を高める、経営を伸ばす ー素晴らしい人生をおくるためにー 』(稲盛和夫著 PHP研究所)「希望を失わない」の項で、苦しい中にあっても明るさと希望を失わないようにすることの大切さについて、名誉会長は次のように述べられています。
私は今では、「心で思った通りに現象は現れる」と信じているのですが、社会人になったころは、やることなすことうまくいかず、とてもそのようなことは考えられませんでした。
しかし、私はそんな苦しい中にあっても、明るさと希望だけは失いませんでした。そのことが今日の私をつくったと思っています。
そのころの私は、床が抜けそうなオンボロの寮の二階に住んでいました。畳の表もなく、わらがぼうぼうとむき出しの六畳間でした。そこに七輪と鍋を持ってきて、毎日自分で炊事をしていました。
会社での研究も、人間関係もうまくいかず、日が暮れると寮の裏の桜並木が続く小川へ一人で出かけていました。そして、小川のほとりに腰かけ、唱歌の『ふるさと』をよく歌ったものでした。
心の傷みが積もり積もってどうにもならずに、私は思いきり歌うことで、自分を元気づけていたのです。そして、気分を一新して、次の日にはまた会社へ出かけて懸命に働きました。
悩みは、いつも、誰にでも、どこにでもあります。しかし、そういう状況の中にあっても、気分転換を図り、明日への希望と明るさだけは失わないようにしなければなりません。(要約)
このような名誉会長の経験は、「常に明るく」という京セラフィロソフィに反映されています。
人生は素晴らしく、希望に満ちています。常に「私には素晴らしい人生がひらけている」と思い続けることが大切です。
非常に単純なことですが、自分の未来に希望を抱いて、明るく積極的に行動していくことが、仕事や人生をより良くするための第一条件なのです。(一部抜粋)
逆境の真っただ中にあって、やることなすことうまくいかないときは、誰しも「理想を掲げたり」「明るい未来を思い描いたり」「明るい気持ちで笑顔でいる」ことなどそうそうできたものではありません。
そんなときは、不平不満を言ったり、暗くうっとうしい気持ちになって落ち込んだり、うまくいかないことを環境や周囲のせいにして、誰かを恨んだり憎んだり、また自分よりうまくいっている人を妬んだりするのが普通でしょう。しかし、そうした思いを持つこと自体が、自分の人生を暗くしてしまいます。
私は、仕事がうまくいかないときには『艱難汝を玉にす(かんなんなんじをたまにす)』という言葉を、心の中で繰り返しつぶやくようにしてきました。それは、へこたれそうになる自分に喝を入れるための呪文のようなものだったかもしれません。
「この逆境は、次のステップに進むうえでどうしても必要な通過点として設定されたものだから、避けて通ることはできないのだ」と信じる、あるいは割り切ることで、自分の中にパワーが漲ってくるのを感じることができました。
内容は何でも構わないのですが、人生をより良くするためには、若いときから、逆境を跳ね返すための自分なりの「パワーワード」を持つことも有効なことではないでしょうか。