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『稲盛和夫一日一言』6/1(木)

 こんにちは!『稲盛和夫一日一言』 6/1(木)は、「夢に酔う」です。

ポイント:ビジネスを成功させるためには、夢を抱いてその夢に酔うこと。そうすれば、それを実現させるための情熱が湧いてくる。

 2011年発刊の『京セラフィロソフィを語るⅡ』(稲盛和夫著 京セラ経営研究部編/非売品)の中で、夢を抱きその夢に酔うことの大切さについて、稲盛名誉会長は次のように述べられています。

 事業を成功させるには、常に夢を抱いて、その夢に自分が酔うということが必要です。「酔う」とは、自分の思っていることやアイデアに惚れてしまうことです。

 事業を行う場合には、絶対に情熱がなければなりませんが、この情熱をつくり出すには、自らのアイデアに惚れることです。そのことが「どうしても成し遂げたい」という願望になり、情熱に形を変えていくのです。

 ただし、酔うのは構想段階までで、事業計画は、理詰めで徹底的に考え尽くさなくてはなりません。あらゆることを綿密に考え、出てきた問題を一つずつつぶしていくことが大切です。こうしたプロセスを経た計画を実行する段階では、酔ったように惚れ込んで、明るく果敢に行動するのです。

 仕事を遂行していくのに必要な情熱を駆り立てていくには、やはり自分がしようとしている仕事、アイデアに酔うほど、惚れ込んでいかなければなりません。なぜなら、惚れ込まなければそうした情熱は湧いてこないからです。

「仕事に酔うくらい好きにならなければならない」 
 私は若いことから自身そう思ってきましたし、会社でも話してきました。
 仕事といえば、毎日単調なことの繰り返しで、中にはノイローゼのようになる人が出てくるほどつらくしんどいもの、と思っている人も少なくないかもしれません。しかし仕事に惚れ込み、仕事に酔い、創意工夫を繰り返しながら日々改良改善を重ね、「どうすればもっとうまくいくのだろうか」と考えながら進んでいく。

 どんな仕事であれ、自分から積極的に創意工夫を行っていけば、仕事というものを好きになっていきますし、仕事が楽しいものになるだろうと思います。
 人生を生きていく上では、自身をそうした心境にいざなっていくことが、大変大事なことなのです。
(要約)

 京セラフィロソフィに、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する」という項目があります。「楽観的に構想し」という部分が、まさに「夢を抱いてその夢に酔う」ということです。

 放映中のNHK朝の連続ドラマ『らんまん』で、主人公の牧野万太郎が「いつか日本中の植物の名前を明らかにして、植物図鑑を作りたい」という、自分の生涯をささげることになる壮大な夢を抱いたときに見せた、夢見心地の表情を覚えておられる方もあるかと思います。

 これはビジネスに限った話ではなく、誰もが、自身のやりたいことに気づいたその瞬間、生涯忘れることのできないインパクトを受けるのでしょう。

 名誉会長は、「楽観的に構想し、悲観的に計画し、楽観的に実行する。これは新しいことを実現していくときに必要となる三段階です」と言われています。
 「酔う」「惚れる」「好きになる」ということは、苦難を軽減させ、さらにそれを楽しみに変えてくれる魔法の言葉なのではないでしょうか。


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