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鐘が鳴る前は報われない時間がある 学級通信『Sagittarius』vol.13 2021.4.26発行

 想像してください。僕たちは今この瞬間に未来を変えることはできません。そうでしょ?『10年後の未来を、今、この瞬間に変えて』と言われても、ちょっと難しい。でも、僕たちは過去を変えることはできる。たとえば、好感度が低い過去だったり、たとえば、アホな相方を持ってしまった過去だったり、たとえば、友達と一緒に恥をかいてしまった過去だったり。
 そういった過去を、たとえば僕の場合ならネタにしてしまえば、あのネガティブだった過去が俄然、輝き出すわけです。『嫌われていて良かったな』と思えるし、『相方がバカで良かったな』と思えるし、『友達と一緒に恥をかいて良かったな』と思える。僕たちは今この瞬間に未来を変えることはできないけれど、過去を変えることはできる」
 これから皆さんは社会に出ます。様々な挑戦の末、最高の仲間に出会えることもあるでしょうし、最高のパートナーに巡り会えることもあるでしょうし、最高の景色に立ち会うこともあるでしょう。
 一方で、涙する夜もあるし、挫折もあるし、傷を背負うし、言われのないバッシングを浴びることもあるでしょう。挑戦には、そういったネガティブな結果は必ずついてまわります。でも、大丈夫。そういったネガティブな結果は、まもなく過去になり、そして僕らは過去を変えることができる。
 失敗した瞬間に辞めてしまうから失敗が存在するわけで、失敗を受け入れて、過去をアップデートし、試行錯誤を繰り返して、成功に辿りついた時、あの日の失敗が必要であったことを僕らは知ります。つまり、理論上、この世界に失敗なんて存在しないわけです。このことを受けて、僕から皆さんに贈りたい言葉は一つだけです。挑戦してください。小さな挑戦から、世界中に鼻で笑われてしまうような挑戦まで。皆さんにはたくさんの時間があるので、たくさん挑戦してください。
 一応、絵本作家もやっているので、最後は絵本の話でまとめます。今、『チックタック ~約束の時計台~』という絵本を作っています。時計を舞台にした物語です。時計の針って面白くて、長針と短針が約1時間ごとに重なるんです。1時5分頃に重なって、2時10分頃に重なって…毎時重なるんですけど、でも、11時台だけは重ならないんです。短針が逃げきっちゃう。二つの針が再び重なるのは12時。鐘が鳴る時です。
 何が言いたいかと言うと、『鐘が鳴る前は報われない時間がありますよ』です。僕にもありましたし、皆さんにも必ずあります。人生における11時台が。でも大丈夫。時計の針は必ず重なるから。だから、挑戦してください。応援しています。頑張ってください。僕は、少し先で待っています。いつか一緒にお酒を呑みましょう。卒業生の皆様、御家族の皆様。本日は、本当におめでとうございます。
キングコング西野亮廣でした。

西野亮廣ブログ

 さて,1週間が始まります。今週は水曜日のLHRでクラス目標を考えてみようかなって思っています。明日の通信で,そんな思いの胸の内をお伝えしようかと思います。というのも先週の面談の中で,少しですが,キミたちの想いに触れることができました。キミたちの心の在り様(ありよう)は,まるでガラス細工のようで,繊細で美しく,とても魅力的でした。
 そんなキミたちの美しさが,孤独で消えてしまわないように,今年はたくさんの仲間や大人の方と関わってもらいたいと思っています。そして,素敵な大人になってもらいたいと思っています。だから今週のLHRは時間をくださいね。 

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