雨宮ロイ

日々の備忘録と頭の整理。

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棚の隅奪う、何も乗らない君の選んだ皿

過去の恋人と出先で買った、マグカップ。 前に一緒に住んでいた恋人と使っていたお皿。 同棲のときに、その部屋のガスコンロにぴったりだった排気口カバー。 今住む家のコンロには、合わないサイズ。 1人でコーヒーをいれるときも、料理をするときも使う気にもならないし、使うほど料理を沢山作ったりもしない。 あのとき、購入することには全く抵抗はなかった。 むしろ、とっても素敵なものを見つけた気分だったし、手に入れてすごく愛おしく感じたもの。 それらが、いまはなんの価値も帯びずに、その

    • 適応障害と睡眠の改善に役立った2つのこと

      睡眠がうまく取れない。 寝ても、肩や頭に呪いの札でも貼ってあるんじゃないかと思うくらいの重さが残ったまま、5時とかに早く目覚める。 仕事もやる気になれない。 自分がどうなってゆくのかわからない不安と、何を糧に生きていったらいいのかという希望を持てないまま、生きる。 いつのまにか寝ることが下手になり、日中も気分がふさがって悲しくて無力を感じながら過ごしたり、親しい人からの飲み会の誘いも避けるようになった。 寝れるようになれば身体がもとに戻るはず。 そう信じて寝ることにこ

      • 恋人と別れて3日後のメモ

        自分には、友だちがいる。 そう、眼の前の恋人と別れて思い知らされる。 それまで、恋人に言えばよかったこと、 恋人と過ごせばよかった時間 恋人と行けばよかった場所。 それらが、一瞬にして吹き飛んで、 ぽっかりとスペースが空いてしまう。 そうして今回、別れて一目散に親しい友人たちに共有した。 そうして、メッセージのやり取りをしている間は心が埋まる。 飲みに行こうと、出かけようと誘ってくれると隙間を無視できる。 なんだか、巣に戻る鳥のごとし。 彼女に熱が入って少し連絡

        • 好かれると同時に、憎まれる。

          「別れたほうがいいと思う」 そういっても、君は聞かなかった。 君が、僕といると、イライラしてしまうから。 僕といるだけ、怒りっぽくなるから。 落ち着いているときに聞くと、 ホコリがおちてるよ、と言われて 「掃除がちゃんとできていないんじゃないの?」 と言われていると思ったり 換気扇ついてないよ、と言われて 「ちゃんと換気扇を回して料理して」 と翻訳されたりするのは、 どうやら恋人である僕だけに対して發動しているようだ。 由々しき事態。 僕の言い方が悪かったのか

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        • 頭の整理、備忘録
          19本
        • コンプレックス・日記
          15本

        記事

          「同い年ですよね?」と言われるのが、嫌だ。

          「同い年ですよね?」と 職場などで、言われるのが嫌いだ。 そういうひとは、相手にもしかすると 同い年であるからカジュアルに接しても良いですよね?というような 無言の要求をされている感覚を与えることを想定していないだろう。 そういうひとは、 生まれ年や入社年など、 他の外堀を埋めていくようなアプローチを省いて(もしかしたら思いつかないのかもしれないが)直接聞く。 サウナに入った後の、水風呂の水を体にかける立ち振る舞いに、似ている気がする。 その行為の思慮深さで、

          「同い年ですよね?」と言われるのが、嫌だ。

          あなたが服を選ぶ理由

          こだわりが強い、とよく言われます。 靴や家具、食器が好きな時点で、モノの選び方の趣向性は強いのでしょう。 服選びはなおのこと。 奇抜なファッションをするわけでもないですが、好きな形や好きな素材、好きなスタイルは、頭の中に金型になって存在しています。 そのはずなのに、年の瀬に出会ったひとりの女性の影響で、まさかそれが揺らいでしまうとは思ってもいませんでした。 服を選ぶことは、相当に好きです。 そのときどきで、自分の理想に近づくための手段のひとつだと思っています。 中学校

          あなたが服を選ぶ理由

          カフェとサウナの憂鬱

          狭いカフェだった。 隣の席との間隔は近く、席も簡素な椅子だから、正面に座る彼女よりも、となりの人との距離が近い。 彼女は、声の大きい子だった。 別にやましい話や恥ずかしい話をしているわけではない。 BGMもなく、こじんまりと、トーンを下げた小さな声の会話がたまに聞こえてくるような店内で、いつも通り、外で3メートル先にいる人に声でもかけているのかというくらい大きな声で、話してくる。笑ってくる。 彼女を笑わせることはスキだ。 だから笑わせるのだけれども、その慮りのない大

          カフェとサウナの憂鬱

          あの人が好きで、コップがいっぱいだったのに。

          自分にとって、人を好きになる基準ってなんだろう。 好きになった人って、どんな人だったんだろう。 考えれば考えるほど 二重で目がぱっちりしている 優しくて思いやりがあった 服装がおしゃれだった とか、ありふれた答えが浮かんでくる。 それでも、今まで、付き合ってきた、本気で好きだったひとに共通しているイメージがある。 それは、100%、その存在に無駄なところや欠けているところなどなく、自分の価値観に沿って、まるごと好きになれるという感覚だった。 表面張力ぎりぎりでいっぱい

          あの人が好きで、コップがいっぱいだったのに。

          若いなって、言ったあの子は。

          最近、中途で採用された、ひとつ年下の男がチームに加わった。 僕が27歳だから彼は26歳。 それなりに前職で活躍していたようだ。 面接を担当したのは自分だから、どんなひとかはわかっているつもりだった。 入社のあれこれを済ませてもらって、社内の施設などを紹介してから、 僕のアシスタントをしている23歳の女の子を、顔を覚えてもらおうと紹介した。 「23歳だから、僕らとそんなに歳も変わらないんだよ」って。 「え、だいぶ違いますよ」 彼は即座に言った。 「あれ、僕ら26,7だ

          若いなって、言ったあの子は。

          はじめての湘南と秋田ナンバーのワゴン

          東北で生まれ育ち22年、東京に出てきて5年。 自分を台風に見たてて日本地図のうえにおいてみたとき、東京にいるときに、ギリギリ丸い円の中に含まれるかどうかの境目が、神奈川県の湘南エリアだと感じていました。 東北の地で桑田佳祐の歌声を聴いて育った僕にとって、湘南の地名は、耳に馴染んでいながらも、どこか田舎から都会を想うような遠さを持った固有名詞でした。 東京に来てからも、都心に比べてアクセスがとてもよい訳でもないその地に足を運ぶことは、これまでありませんでした。 その、憧

          はじめての湘南と秋田ナンバーのワゴン

          苦しい休日は雨を降らせて

          昨日まで、あんなに待ち遠しかったのに。 朝起きてご飯を食べて、本を読む。 適度に集中力が切れてくると、今日は何をしようかと考える。 いや、何をしようか、というよりも 何かしなければならない気になってしまう。 晴れた好日には、その気配がおびただしく漂っている。 誰も強いてないのに、勝手に不安感がノックしてくる。 予定がある日やお買い物にいかなければならない日は分かりやすい。ただその予定や行動が、ゲームの中で必ずクリアしないと進めない試練みたいに待っているから、そこに合

          苦しい休日は雨を降らせて

          ディズニーランドで振り返る自分

          物心がついてから小学生を卒業するくらいまで、年に1度、親はディズニーランドに連れて行ってくれた。 「ディズニーランドに行く」 東北に実家がある僕にとって、それは旅行でありつつも旅行とはまた違った、1つの大きな年間行事だった。 毎回、夜中に4-5時間かけてディズニーランドに向かう車の中は、すでにアトラクションくらい楽しくてワクワクするものだった。 車が停まるサービスエリアのトイレは絶対に体験しなければならないものだったし、首都高に入ると見えはじめる赤くキラキラしたビル群

          ディズニーランドで振り返る自分

          貨幣:残り滓みたいな選ばれない選択肢たち

          日常には、検討できるし頭で考えてみるものの、 やらないことがたくさん溢れている気がする。 残り滓みたいな選ばれない選択肢たちは、 自分の生活を支えてくれている気がしている。 + 例えば銭湯に行きたいと思ったとき。 銭湯の少し錆びついたシャワーから出てくる水を髪に当てたくないと思ってしまう。 それに銭湯に備え付けられた、まるでキャンプファイヤーと小さな扇風機の組み合わせみたいな原始的なドライヤーは、進んで使いたいと一度も思ったことがない。できれば使いたくはない。 だ

          貨幣:残り滓みたいな選ばれない選択肢たち

          マイ・ブロークン・マリコ|平庫ワカ

          ぶっきらぼうでまっすぐな彼女は働いていた。 営業という職業で。 屋上で先生に隠れてタバコを吸うような元ヤンな彼女は、家族がいなそうだった。 可憐で優しい彼女は自殺した。 薬を飲んで飛び降りた。 毎回顔を腫らして屋上で泣く彼女は、 家族に虐げられているようだった。 大抵の人間は、地球よりも大きな惑星に降り立っても、不自由なく動き回ることなんてできないんだろう。 生まれ落ちた環境の重力に従うしかない。 過去に読んだ伊坂幸太郎さんの作品が頭をよぎる。 シイちゃんのまっす

          マイ・ブロークン・マリコ|平庫ワカ

          猫を棄てる|村上春樹

          普段、本を読んだら感想をA4ノートにまとめる癖がある。 こればかりは簡単に感想をかけないと思った文章を読んだので、なにかの記念だと思い、これを気にnoteに書いてみようと思った。 + 追い求めるものや行動する理由がないときに、ふと訪れる、なぜ生きているのかという、ひどく不思議な感覚。 誰もが感じたことがある、だけど誰かと深く話し込んだこともないだろうそんな感情に、すごく寄り添ってくれる本だったと感じた。 両親はどのようにして巡り合い、その祖父母両親はどのようにして巡り

          猫を棄てる|村上春樹

          本当に読書をしたいのか。

          読書が、好き。本が好き。 よく言うけども、本当にそうなのかわからなくなってきた。 + 今の世の中は、とっても住みやすくて生きやすいのだろうと、四半世紀くらいしか経験がないながらも、多方面の状況を見聞きしていてしみじみ思う。 どうすれば健康になれるのか。 どうすれば幸せを感じることができるのか。 どうすれば経済的に裕福になれるのか。 何を食べず何を食べれば健康的に長生きできるのか どういう行動をとれば脳内の快楽物質が出るのか どうすれば効率よく老後資金が貯められるのか

          本当に読書をしたいのか。