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【ベトナム発】お名刺代わりの我が家の店…開店一時間で売り切れる絶品Bánh canh(バンカン)~アジアの旅ごはん~

◎ごあいさつ代わりに
はじめまして、美食の国ベトナムとアジアを歩くバックパッカー旅へようこそ。

学生時代から海外旅にはまり、下川裕治と角田光代「迷子の感覚」に感銘を受け、150回もの旅を続けてきました。

大学院では寺社の研究をしてきましたが、同時に日本人の旅認識というテーマを立てながら、旅に関する多くの疑問について研究をしてきました。

大学講師でいたころはゆっくり旅にも出かけ、研究にも時間が使えていまものの、高校教諭になってからはなかなか旅に行く時間が少なくなってしまいましたが、

人生一度限りを考え、時間を見つけては新しい出会いを探しに旅に向かっています。

今回はベトナム人の妻の実家が経営している幻のバンカン(タピオカ麺)と呼ばれる一杯をご紹介したいと思います。


◎幻の絶品バンカン
場所はベトナム・サイゴン(ホーチミン市)1区にあり、15時から売り切れまで(約1~1.5時間程度)しか開かないベトナム麺「Bánh canh」(バンカン)のお店です。

Nguyen Phi Khanh通りの一角に店は出される

ベトナム戦争後からも叔母たちがずっと営業をしてきた店で、支店を出すように業者から声掛けがあったにもかかわらず、「味がかわってしまうから」と頑なに店を広げてきませんでした。

家族経営だけで1日にあまりにも大量なものを作ることができないため、100杯前後の量で限りがありますが、

気に入って毎日食べに来てくれるお客さんもいらっしゃるのが嬉しいです。

Googleマップでもはっきりとした名前がわからない店のため、地元の方々には

「Banh canh 1 tieng」(一時間のバンカン)

と呼ばれており、検索でもそれで出てきます。
場所は↓を参考にしてください。

開店と同時に人が訪れ、飛ぶように売れるとはこのことを言うのかと思う売れ方でした。

◎手の込んだ幻の味
とろみなどはなくサラッとしたスープであるものの濃厚な味であり、とろとろの豚肉に唐辛子のピリッとした後味…

そのマッチングが最高で、最初食べたときはあまりの美味しさに飛び上がるほどでした。

朝、大事な素材である豚足を市場に買いに行き、目利きにより本当にいいものだけを購入してきます。

帰ってきたら家族総出で毛抜きで一本一本細かい残った毛を処理し、舌触りのなめらかな豚足に仕上げていきます。この処理を怠ると本当に美味しいものはできないそうです。

手作業で毛抜きなど、下ごしらえを行う

毎日毎日この大変な作業を続けるのは本当に大変です。贔屓目は抜きにして、この時代にもかかわらず、ここまで手が込んで、ここまで頑固に作っていくのは本当すごいと思いました。

いい色合いに炊き上がった豚肉

その間にベトナム戦争ですら越えた数十年間守り続けた秘伝の作り方でスープを作ります。
混ぜ物は一切なし。豚足を使ってスープを取っていくのです。

バンカンスープが運ばれてきたらいよいよ開店!

完成した頃には店の準備をしながら、お客さんを店に入れ、寸胴を運んでできたてのものをふるまっていきます。

部位によっても値段は違う

店が開く前から道には多くの方が来てくださり、義母たちが注文を聞いていきます。

瞬く間に人だかりができるのが常
バイクに乗りながらのドライブスルーもOK

男ではお客さんのバイクの処理と注文伺い。
それぞれの分業が完璧になされています。

すばやい手さばきで売っていく
とてつもない人気でどんどん売れていきます

イートインの方は椅子へ、持ち帰りの人は待ってもらうよう案内し、袋に入れていきます。

うまく整列させ、かつ注文を間違えずに売るのも腕ですね

この日はだいたい16時過ぎには売り切れてしまいました。

下ごしらえをしっかりした豚足など部位はさまざま

一番人気の部位はケンタッキーのチキンと同じような見た目のこの部分。

ニョクマムライムにつけて食べると絶品!
タピオカも入ったバンカンはもちもち

バンカンが食べられるところはいろいろありますが、これほどのバンカンはサイゴン広しといえどもなかなか食べられないと自負しています。

サイゴンに来られたときにはぜひこの一杯を!是非とも召し上がってほしいと思う、そんな幻の地元メシです。

所在地:
10A Nguyễn Phi Khanh, Tân Định, Quận 1, Thành phố Hồ Chí Minh
(ベトナム・サイゴン(ホーチミン市)・第1区のダカオ市場から歩いて一分)
バンカン  一杯  50000ドン

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