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永観堂マニアが贈るオフシーズン(1~2月)の楽しみ方ー永観堂禅林寺(左京区)ー

左京区、東山のほとりに位置する永観堂禅林寺は浄土宗禅林寺派の本山であるとともに、秋には「世界一」の紅葉を見ることができる唯一無二の存在です。

「世界一」というのは私の主観なのですが、広い京都、様々な場所で紅葉を鑑賞してきましたが、永観堂の紅葉ほど心を打つものはありませんでした。

そんな永観堂に虜になった私が、オフシーズン(1月~2月の冬シーズン)の楽しみ方をご紹介したいと思います。

(↓紅葉の頃の永観堂はコチラ✴️)


もちろん永観堂は寺院ですので、法然上人のいらっしゃる御影堂やご本尊見返り阿弥陀さまがいらっしゃる阿弥陀堂をお参りするという第一目的を前提とします。その上でのオススメの楽しみ方を5つご提案します!


冬の永観堂を楽しめる方法四選

1 人の少ない境内をゆっくりお参りする


意外に思われるかもしれませんが、紅葉シーズン以外の永観堂は割とひっそりとしており、心を静めてお参りができます。

2024年は紅葉が遅くなり、年末や新年になっても残る紅葉の木がありましたが、散り紅葉も長く楽しめ、例年と違った雰囲気を味わうことができる年でした。

総門前、秋の寺宝展が終わってしばらくすると落ち着きを取り戻す
散ったときだからこそ楽しめる散り紅葉。掃除をされるので見られるのは実は一時
境内も静かにお参りができるようになる

まずは多くの観光客が少ない時間を楽しみ、ご本尊や法然上人を拝ませていただきましょう✴️

唐門を内部から見る
阿弥陀堂の横廊下より。散り紅葉があるときはまた見事な雰囲気を醸し出す
極楽橋からの様子も落ち着きを取り戻す冬
茶店前から臨む弁財天

寺宝展期間には立ち入り禁止となっている弁財天も近くでお参りができるようになります。放生池に浮かぶ島に立つのもまた面白い経験です。


2 庭園のスギゴケの美しさを観賞しよう(特にオススメ!)


3000本の紅葉に彩られ、紅葉の名所として知られる永観堂。そこには、秋の深まりと共に現れる、もう一つの美しさがあります。それは、スギゴケの緑。しっとりとした緑が、古都の寺に深みを与えます。

散り紅葉をかぶるスギゴケ。コントラストが見事

もちろん庭の中への立ち入りはできませんが、中門をくぐってすぐ正面の紅葉の木の下や、御影堂前の十字路にあるスギゴケは順路上から見ることができ、誰からも踏まれることなく美しい形を保っていて実に見事です。

ある程度の距離をあけて並ぶ
固まって生えているものも

苔マニアではなかったのですが、レンズに映し出される林立したスギゴケの美しい世界に魅了されてしまいました。

ひときわ存在感溢れるスギゴケ

特に雨上がりの日の美しさは筆舌に尽くしがたいものです。紅葉シーズンには上ばかりを見てしまいますが、ぜひその足下をご覧になっていただきたい隠れた見所、それがスギゴケの絨毯なのです。

3 臥龍廊を歩こう


秋の寺宝展の際に拝観ができない場所に「臥龍廊」があります。臥龍廊とは屋根の反りが龍の背中に似ていることから名付けられました。

この臥龍廊を降りたところ、御影堂の裏には水琴窟と「三鈷の松」呼ばれる大きな松の木があります。三鈷の松は売店で配られており、それを財布に入れると金運が上がると言われているそうです。

静寂の中、臥龍廊の階段を上がると軋む音が目立つ


臥龍廊上。まさに龍の背中に乗った状態といえよう


4  多宝塔までお参りしよう

寿橋から多宝塔を臨む

御影堂横の細道から山の上にある多宝塔へ登ることができます。秋のシーズンでも登るのは可能ですが、道も狭く人も大勢来られているのでゆっくり楽しむことはできないのが現実です。

オフシーズンにはやや傾斜のきつい階段を慌てることなくゆっくりと登り、多宝塔から京都市内を一望しながら休憩するのはいかがですか。後ろの国有林の手前には以前の上人のお墓も拝むことができます。

鎮守と開山からの眺め
晴れた日には夕陽を臨める。ホテルオークラなどの高い建物もここから一望できる

5 トトロの木を探そう

永観堂のある場所からトトロの木を見ることができます。夕陽が見えるときには木と空のコントラストがとても美しいです。一度探してみてください✴️

庭園に生えるトトロの木はなんかかわいい

✴️オフシーズンの永観堂で特別な体験を✴️
京都の寺社仏閣はどうしても多くの人の中を参拝しなければならないというイメージがつきがちですが、実はオフシーズンにはその時の美しさに触れることができ、原風景を感じることが可能です。

シーズンがずれた…と残念がることなく、ずれたからこそ見ることができる美しさを楽しむことが、本来の仏教観念にも通じるのかもしれませんね。


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