【チベット】青蔵鉄道の乗り方〜2024年末ver〜
◆はじめに
青蔵鉄道。それは中国の青海省西寧からチベット自治区ラサを結ぶ全長1,944kmの高原鉄道だ。世界一標高が高い唐古拉(タングラ)駅等いくつかの世界一を擁しており、鉄道ファンならずとも一度は乗ってみたい電車である。
そんな青蔵鉄道であるが、ガイド付きのツアーでないとチベットに入れない現在の情勢上、多くの人が日本発着のツアーにより乗車することになると思う。その場合はガイドもついており、しっかり案内してもらえるはずなので大丈夫だろう。
ただ1つ問題なのは、日本発着のツアーだと総額がかなり高くついてしまうことだ。筆者が日本の複数のツアー会社に見積もりを取ったところ、1週間のツアー総額で40万円台後半は避けられない状況であった。また別記事で紹介しようと思うが、貧乏性の筆者は高額の支払いを回避するため、「ラサ到着からラサを離れるまで」限定のツアーに申し込んだ。
ここで紹介するのは、ガイドと会うのはラサ到着後だよ!でも青蔵鉄道に乗りたいよ!あとせっかく旅情を味わうなら軟臥じゃ無くて硬臥でしょ!という方向けの案内だ。
また、これはあくまで私のケースで、他にもいろんな手段が存在するであろうから、以下はあくまで一例であることを付記しておく。
※軟臥 4人1部屋でベッドが広く廊下との仕切り有。ビジネスクラス的な部屋。日本の旅行会社に手配をお願いすると軟臥になる場合がほとんど。
※硬臥 6人1部屋でベッドが狭く廊下との仕切り無。エコノミークラス的な部屋。
◆チケットの手配
チケットは15日前から販売が開始される。ウェブサイトが中国語であることや混雑が予想されることから、基本的にはツアー会社にお願いして取得してもらうことが無難と考える。独力での取得可否は不明。筆者が乗った12/28 21:50西寧発の列車は、硬臥の乗車率がおおよそ6〜7割程度であったため、独力で取得可能であった可能性はある。
ただし夏の青蔵鉄道はハイシーズンゆえにめちゃくちゃ混むと聞いているので、夏は旅行代理店にお願いするのが間違いない。
2018〜19年版地球の歩き方での情報は以下。
◆乗車に必要なもの
晴れてチケットが取れ、自分の座席も確定したとしよう。あなたが西寧駅に到着し、青蔵鉄道に乗るために必要なもの(物理)は以下だ。
・パスポート
・入域許可証(2枚)
パスポートは言わずもがなであるが、入域許可証は許可証と入域するメンバーリストの2枚綴りになっている。この両方が必要だ。
◆駅に着いたら
繰り返すが、パスポートと入域許可証をしっかり準備したうえで駅に向かおう。搭乗ゲートが開くのが発車の30分前であるため、買い物などを踏まえるとおおよそ1時間前に到着しておくのが良いと思う。
①荷物検査
駅の入り口で身体検査と荷物検査を実施する。ただし空港に比べるとかなり緩いし、ペットボトルを持ち込んでも全く構わない。筆者の場合はオフシーズンであったからか、待機列もなくすぐに入ることができた。
②ゲートに並ぶ
検査が終わってすぐ、目の前に目的地とゲートが書かれた電光掲示板があるので、そこに記載されているゲートに並ぼう。発車の30分前にゲートが開くのだが、青蔵鉄道に乗るのが初めての人ばかりだろうし、あたふたしてギリギリにならないためにもゲート開門前には並んでおくことをお勧めする。
③列車に乗る
いよいよゲートが開かれるのだが、このゲートはIDカードをタッチして開く方式になっているため外国人はそのまま通れないのだ。脇の方に外国人専用?ゲートがあり、そこでパスポートを預かりチェックされる。チェックは2〜3分で終わり、通路を通るといよいよ憧れの青蔵鉄道とご対面。中国の駅では写真撮影に制限がかかっているケースもあるが、青蔵鉄道の場合は列車の写真を撮っても全く問題無かった。
また、各車両の入り口には乗務員が立っており、そこでパスポートと入域許可証のチェックが行われる。座席は特に聞かれないので、搭乗したら指定されてた座席に荷物を置こう。そうこうしているうちに車両出発となる。
◆おまけ① 食堂車について
先人たちのブログを読んでいると、「食堂車の利用には予約が必要」と書いてあるケースが多い。筆者が搭乗した列車は21:50発であったため、出発する頃にはすでに夕食の時間が終了していたが、翌日の食堂車について聞くと「予約は不要で、時間内にくればOK」とのこと。実際に行ってみると、冬だからか全く混んでおらず半分くらいが埋まっていた感じだった。冬に旅行するのであればそこまで身構える必要はないと考える。夏なら予約必須なのかも、、、
ちなみにであるが車両内は基本食っちゃ寝状態であるためあまりお腹が空かない。筆者も1泊後の朝食で満腹になってしまい、その後はカップ麺を食べただけであった。ただ夜行列車ですするカップ麺はめちゃくちゃうまいんだなこれが、、、
◆おまけ② 列車内での過ごし方について
硬臥と軟臥の大きな違いは上記した通りだが、硬臥のメリットは席が多いゆえの距離感の近さだ。コンパートメントの仕切りもないため、周囲の中国人やチベット人から話しかけられる確率が格段に増えるだろう。筆者が乗車した時も帰省中のチベット人カップルと仲良くなり、チベット語講座で非常に盛り上がった。そのせいでタングラ駅などいくつかの名所の写真を撮り逃したのだが、それもまたいい思い出だ。読者の皆さんもぜひ、記録より記憶に残る旅をしてほしい。
◆おまけ③ 高山病について
青蔵鉄道で最も気になるのは高山病だろう。高山病対策は検索すればたくさん出てくるうえに筆者は専門家ではないので詳細な説明は割愛するが、おおよそ2,500m一般的に以上の高地で発症するとされる。青蔵鉄道においてはゴルムド駅以降で一気に標高が上がるため、ゴルムド駅を通過してからしばらくは睡眠をとらず水分を意識的に摂取することをお勧めする。非常にわかりやすい図であったため、風の旅行者様のHPより以下画像を拝借する。
筆者は比較的高所に強い体質らしく若干の頭痛以外はピンピンしていたが、同行者は上記を踏まえても吐き気や食欲不振、鼻血などの症状があらわれていた。自信のない方はダイアモックスや紅景天等の事前服用も含め万全の準備をしておくことをお勧めする。
◆さいごに
青蔵鉄道は最初から最後まで絶景の連続であり、同乗者との交流も含めて一生忘れない記憶になった。独力で旅行するにはややハードルが高くもあるが、ぜひ挑戦してみてほしい。