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退院後のリハビリの選択肢と課題  ー制度と現実ー

ご覧いただきありがとうございます。

今回は一般の方向けに退院後のリハビリの選択肢と課題についてまとめてみます。

ご本人やご家族が病気や怪我をされて入院となり、何が何だか分からないままリハビリ開始。

急性期でやっと動けるようになってきて、回復期に移行して更にリハビリをして、、、

やっとの思いで在宅復帰!

その後のリハビリはどうしたらいいの?


今後を不安に感じる方や、今も大変な思いをされている方が多くいらっしゃると思います。

多くの課題があります。

退院後のリハビリ

退院後は基本的に在宅復帰を目指します。
ただ、全員がそうとはいきません。
施設に入所になることもあります。

結論を先にお伝えすると、在宅復帰後や施設入所後のリハビリは、回復期のリハビリほどに充実した時間を得ることは出来ません。

時間が減ってもリハビリ内容に関して質的な向上はあり得ますが、残念ながらあまり期待は出来ないと思います。


制度で受けられるリハビリ

制度上の選択枝を以下にまとめます。
簡略化しています。
また、制度の更新や変更の可能性があるため、あくまで参考としていただき、詳細は更に調べていただくようお願いします。

医療保険
・外来リハビリテーション
  入院した先の外来通院
  外来整形外科
・訪問看護ステーションからの訪問リハビリテーション
・リハビリ入院

介護保険
・診療所からの訪問リハビリテーション
・通所リハビリテーション(デイケア)
・(デイサービス)
・入所施設内でのリハビリテーション

障害者総合支援法
・自立訓練の機能訓練
・自立訓練の生活介護


医療保険

外来リハビリテーション

入院先の病院の外来や外来整形外科、クリニックで行われているリハビリです。
医師からリハビリの指示が必要です。
内科にかかって、薬が処方されるような感覚です。
入院先の外来でフォローアップされる場合を除き、基本的には整形外科のリハビリとして行われていることがほとんどです。

リハビリの時間は40分か20分が多いです。
週の回数は病院によりまちまちです。

基本的にリハビリの期限があり、発症から150日です。
多くの病院は、発症ではなく通院開始から150日に設定してリハビリを実施している印象です。
病院によっては150日を超えてリハビリを受けているところもありますが、グレーです。

訪問看護ステーションからの訪問リハビリテーション

基本的には看護師が訪問するためのサービスですが、リハビリがメインになっている事業所が多くあります。

基本的にご自宅にリハビリスタッフが訪問してリハビリを行います。

以下のように医師の指示が必要です。
①介護保険利用者
要介護認定を受けた、要介護1~5または要支援1・2の人で、訪問リハビリの必要性があると主治医が認めた人
②医療保険利用者
・要介護認定を受けてない人で、訪問リハビリの必要性があると主治医が認めた人
・厚生労働大臣が定める疾病等や急性増悪等で訪問リハビリの必要性があると主治医が認めた人

時間は40分か60分が多いです。
週の回数には制限があります。

また、3ヶ月に1回の看護師によるモニタリングが必要です。

リハビリ入院

文字通り、リハビリを行うために入院します。
日中の活動が出来ないため、仕事や家事などが出来なくなることが大きなデメリットです。

これは行うことが出来る病院を選ぶ必要があります。


介護保険

診療所からの訪問リハビリテーション

外来整形外科やクリニックに併設した訪問リハビリテーション施設から訪問リハビリテーションが行われます。
訪問看護ステーションからの場合と同様にご自宅でのリハビリとなります。

要支援、要介護の認定を受けている方が対象となります。

時間は40分か60分が基本ですが、週の合計が120分までとなるように変動できます。

通所リハビリテーション(デイケア)、(デイサービス)

送迎もしくはご自身で施設に通所し、半日もしくは1日の中でリハビリを部分的に行います。
高齢な方を対象とすることが多く、入浴目的や家庭の都合で利用される方がいるのも事実です。

要支援、要介護の認定を受けている方が対象となります。

時間、頻度は施設によります。集団体操やマシントレーニングがメインの施設もあります。

入所施設内でのリハビリテーション


入所施設内でのリハビリの有無は施設によることになります。

時間は良くても20分程度かと思います。


障害者総合支援法

自立訓練の機能訓練、生活介護

障害者総合支援法は障害者手帳を持っていれば利用できる公費のサービスです。
介護保険の有無や年齢などの縛りはありません。

内訳として、機能訓練と生活介護があります。
リハビリをする場所としては機能訓練となります。生活介護も制度上似ていますが、リハビリがある施設は稀です。

機能訓練の施設は全国的にみても数が非常に少なく、認知度の低いサービスです。
ですが、うまく活用すればリハビリを充実して行うことができる制度です。

基本的には通所のリハビリになります。
1時間ずつの外来の様に行う施設もあれば、半日でデイケアの様に行う施設もあります。

施設のリハビリの有無や時間、内容等について、個々の施設を調べるか問い合わせるしかありません。
選択肢としては知っておくと良いと思います。


退院後のリハビリの課題と現実

まずは、先述したようにリハビリを受けられる時間、回数が激減します。

特に回復期から在宅に戻ると1日数時間のリハビリから週1,2回程度のリハビリに変わることで戸惑いや焦りの声を良く聞きます。

また、そもそもの制度上の課題として、介護保険を取得出来ない年齢かつ疾患が該当しない方が受けられるリハビリというと選択肢が非常に狭まります。

なんとか受けてもらえるリハビリ機関を探すことになります。

仕事をしながらリハビリを必要とする方は、どのサービスを使用するにも、勤務時間を制限したり、休みの日をつくってリハビリを受ける必要があります。
更に、デイケアやデイサービスに通うのはご高齢な方が多く、若い方ほど浮いてしますし、短い時間のリハビリのために半日もしくは1日をかけてしまうのは、デメリットが非常に大きいです。

多くが訪問リハビリになるのではないでしょうか?

また、高次脳機能障害をお持ちの若い方ほど、通所のリハビリなどで社会性を再獲得しながら疾患に適応する必要がありますが、その様な通所先はほぼ見つかりません。

そのため、ご高齢な方のサポートというような側面のリハビリであれば選択肢があるものの、若い方の社会復帰や機能改善を目指せるリハビリは制度上難しいのが現状です。

機能訓練でリハビリが充実している施設があれば良いですが、あまりない状況です。

もしくは、訪問リハビリで運良く質の高い理学療法士が担当になることくらいしか可能性がありません。

保険外の自費リハビリは間を埋めてニーズに応えられる可能性がありますが、費用面などのネガティブな要素から万人が受けられるリハビリではありません。

参考になる部分があると幸いですが、残念ながら解決策は現状ありません。

リハビリの制度が良くなることと、リハビリを探す方がより良いリハビリ機関に巡り会えることを祈ります🙏

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