霧の中の灯台~第2話:灯台の秘密④

4. 不可解な発見

階段を登り切り、灯台の頂上にたどり着いたアリシアは、そこで奇妙な光景を目にした。小さな机の上に、いくつものノートが積まれていたのだ。その一冊を開くと、そこには子どもらしい拙い字で日記のようなものが書かれていた。

「今日は霧が濃い。お母さんがまた隠れようと言った。あの人が来るからだ。」

その文章を読み進めるうち、アリシアの胸に得体の知れない恐怖が広がった。続くページにはこう書かれていた。

「助けて。もう一人の僕が、出てきた。」

次の瞬間、背後でギィッと扉が開く音がした。アリシアは振り向いたが、そこには誰もいなかった。ただ、風が灯台の外から吹き込んでくるだけだった。

恐怖に駆られたアリシアは、急いで灯台を後にした。その後ろでは、灯台の光が規則的に回り続けていた。しかしその光の中に、一瞬、人影のようなものが映った気がした――子どものような、小さな影が。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集