裕福な家の子供、貧乏な家の子供
実家暮らしの安息
『こどおじ』や『こどおば』と言う言葉を数年前に知り、実家暮らしに抵抗のない人達がいるんだなぁと感心していた。
実家暮らしは家賃も掛からないし、ご飯も用意してくれるし快適じゃん?と聞くけど、そういう家庭に生まれたからそんなこと言えるんだよ?と言いたくなる。
正直なところ実家暮らしを否定したい訳ではない。というより俺の生い立ちに問題があるからただの妬みのようなものではある。
そこそこ兄弟の多い母子家庭で育ってきたこともあり、基本的に貧乏家庭である。
親は仕事詰めのため、家事炊事はほとんど自分で勝手にやっとけのスタイルだった。
しかし、男兄弟ばかりだと清潔感というものはまるで無い。掃除はしないし、気に食わないことは何でも暴力で解決しようとする。
身を守る能力と命令を忠実に従うという性格はこの頃に醸成されたのだろう。
おそらくまともな家庭環境で教育を受ければもう少し素直な人間性が身についたのかも知れない。
そういうこともあり学校を卒業したら絶対に実家から離れようと若いうちに決めていた。
ある程度の家事炊事には慣れていたので、何者にも縛られない自由な生活を手にした現在はとても快適に感じる。
というか実家の相続とかってなんか面倒くさそうって理由もあるから、単純に自立したかったというのもある。
友人にこどおじがいるけど、金を借りるくらい何故か貯金が無いようだ。果たして実家暮らしは本人にとって有益な生き方と言えるのだろうか?
ぬるま湯を上手にコントロールすれば年収が低くてもそれなりに資産は作れる。
しかし、肩までどっぷり浸かってしまうと抜け出せなくなってしまう。
子供にはどういう選択肢を用意するのが正しいのだろうか。
わりといい歳した友人が少し心配になる。
世の中は金に左右されるけど、人生は自分で切り拓きたいものである。