小田急線の和泉多摩川駅にはこれまで新参者の我々夫婦にとって不思議なスペースがありました。ある時は学校を出たての若者やイベント好きと思われる乗りの良い40前後のお兄さん、お姉さんが祝杯を挙げていたり、ある時には20代後半とおぼしきお兄さんがワンオペでスパイスカレーのお店を出していたり、かと思えば何もなくガランと静まり返って時もあります。良く調べてみると、このスペースは新たな飲食店を始めようとする人を応援するFORT MARKETというシェアキッチンだということなのです。 いつ
今朝、この一週間の出来事を何となく引きずりながら、小さい子供たちが若い父親に向かって駆け寄ったり、子犬が駆け回っている家の脇の公園を通り抜け土手を上がっていくと、遥か向こうの山々の中に、なだらかな裾野が特徴的な一際大きな山の頂きが顔を見せていました。もしやと思い、GoogleMapで位置を確かめると、それはやはり富士山なのでした。空気が澄んできたため、これまで拝むことができなかったその雄姿が姿を現したのだと思います。 自分としてはかなり珍しいことながら納得の行く業務の成果が
この季節になると、そわそわしてきます。去年、一昨年とメキシコから戻り大阪での暮らしを楽しんできた様子を書いてきたので、今年は東京に戻ったことをテーマにすればよいのだろうか。いや、それではあまりにありきたりかもしれない、などと、毎日隙間時間に頭を悩ますようになるのです。そうです。11月1日より年賀状の発売が開始されるのです。 私は極端にアナログ人間なので、今でも年賀状を紙で出しています。まず、600文字程度のエッセー風の近況報告をああでもない、こうでもない、と無い知恵を絞って
先週あの自然あふれる高原を訪れたことが嘘のような、目まぐるしい一週間でした。記憶は過去をより一層美しく磨いているような気もします。さて後編です。 翌朝、カーテンを開けた私は、その樅(モミ)と思われる針葉樹の木立に息を呑みました。遠くには、昨夕には暗闇で全く見えなかった山々の稜線が雲間から顔をのぞかせています。何より高原の澄んだ空気が隅々まで行きわたっていることに感動しました。今日はもう神社巡りはやめよう。というより、もう一度蓼科に来て、またゆっくり神社を見、そして自然を味わ
旅の帰りの電車というのは、思い出に浸る充実した気持ち、名残惜しく物悲しい気持ち、明日からの仕事に備え早く無事に帰りつきたいという気持ちなど、複雑な感情を抱えながらいつの間にか眠りに落ちるというのがいつものパターンなのですが、まじめな私はnoteの原稿作りに勤しんでいます。 東京に転居してからの初めての旅は信州蓼科に決めました。この決定には、夫婦揃ってファンである中沢新一の「アースダイバー神社編」が大きな影響を及ぼしている気がします。諏訪神社が、日本人の営みの古層を今でも
いつもドラムやゴルフなど、休日は自分の好きなことばかりさせてもらってここしばらく旅行にも行っていないため、今度時間がある時に3つ行きたいところがあるから、と妻から言われていたその1つに今週末行ってきました。小金井公園の園内にある、江戸東京たてもの園です。 小金井公園という公園については、その存在さえ知らなかったのですが、実際に訪れてみると都立の比較的大規模なしっかり管理された公園でした。我々はJR中央線武蔵小金井駅からバスを使って行ったのですが、西武新宿線花小金井駅からも同
大阪から東京に転勤してから、一日に歩く歩数が減りました。iPhoneから、一日平均歩数が以前より2,000歩減っています、との警告もあり、気にはなっていたけれどもデータで示されると何かした方が良いのだろうか、と心配になってしまいました。 東京では通勤時、電車に乗っている時間は長いのだけれど、家から最寄り駅、最寄り駅から会社の所要時間が格段に短いのです。大阪ではその逆で、電車の時間が短い代わりに、家から最寄り駅、最寄り駅から会社が程よい距離があり、毎朝・毎晩様々な思いを抱えな
たまたまベストタイミングで季節の移り変わりの一断面を切り取ることができたと思える写真が三枚撮れたので、今回は駄文はできるだけ差し控え写真を主役とさせて頂きたいと思います。 まず、冒頭の写真がようやく涼しい空気が遠慮気味ながら忍び込んできた多摩川の夕景です。少し前までの圧倒的なボリューム感が影を潜め、薄く平べったい雲が今までより高い位置に広がっています。夏のほてりがようやく冷め、遠くの山の端まで見通せるようになり、隅々まで紅に染まっていく様子が壮観です。 次は大阪出張の帰り
我が家は賃貸であるため、壁に何かを掛ける時はかなり躊躇します。特に妻は物事をきちんとしておきたいタイプなので、借り物を傷つけてしまうことに相当な抵抗があるようです。 メキシコで購入したBeatriz Castanedaの絵を飾りたい。でもこれはこれまでのフォトフレーム等とは違って明らかに大物です。少なくとも四五キロはある筈であるため、妻は雑誌やネットで入念に下調べをし、ニトリやケユカ等のインテリアコーナー、東急ハンズやロフトの雑貨売り場を梯子して、店員に質問したり、時に実際
何の予定もない三連休。大手町でのドラム練習の帰りに、折角なので妻を誘い東京駅界隈を散歩することにしました。妻は7月に東京に越して以来、近所の生活エリアから殆ど外に出ていないため、おめかしをして若干緊張気味です。 まだまだ残暑が続く中ではありますが、幸い(?)巨大なビル群のお陰で比較的たやすく陽を避けて通ることのできるスペースを見つけることができます。そうした道をアテもなく歩いていくと、将門塚に行き当たりました。朝廷に反逆したとみなされた平将門が平安京の七条河原で首をさらされ
川の土手を歩いていたら、日中の熱気とは打って変わって、涼しい風がそよそよと流れておりました。そう言えば先週も、帰宅時はオフィスを出て一駅余計に歩くようにしているのですが、ビルの狭間を気持ちの良い風が通っているのを感じ、暑い中でも刻々と季節は移り変わる準備を始めているのだな、と感心すると同時に、そうこうしている間に今年も4ヶ月を切ってしまったのだと若干の焦りも覚えたのでした。 さて昨日、先月通い始めた床屋で勧められた高濃度炭酸スパを早速初体験しました。毛穴に詰まった皮脂を浮き
私は本が好き、というよりも、こんな本を読めるようになりたい、と思って本を購入しているケースが多い気がします。なので、家の中には、自分の理想と我が実力のギャップにより読み進めることができなくなってしまった本達が溜まっていくことになります。 いつかそのような本も読める自分になるのだと思い、幾多の転居があっても捨てられずに来てしまいましたが、正直なところ、自分が成長して読めるようになった本というのは、多く見積もって半分位ではないでしょうか。それでも、若い時分であれば、成長の余地が
普段眠りにつくことに困ったことは殆どありません。どんなに不安な明日を抱えていても、根が鈍感なのか、床に就けばすぐに眠りに落ちてしまいます。さすがに、5秒もあればいつでもどこでも眠ってしまう妻には負けたと思いましたが・・・。 コロナ陽性が判明した当初は、私の場合はほぼ普通の風邪と同じ症状で、軽い頭痛、若干の喉の痛み、僅かな痰の絡み位で軽症で済みそうだ、との感触を持っていました。従って、特に身構えることなく、規則正しく生活し、違うことと言えば、あまり多くのことを詰め込んでやらな
病気に祟られた年となってしまっています。大阪の賑やかな呑み屋街を楽しんだその明くる日の大晦日、我が家では珍しくサシの入った牛肉でのすき焼きをつついていた時に、妻が異変に気付きました。『顔が大分赤いけど大丈夫?』体温を測ってみると40度越え、驚いて歯磨きもそこそこに床に就き、それから三日三晩臥せりました。お正月ということもあり、医療機関がやっておらず、この時ほどネット予約診療が心強かったことはありません。コロナでもインフルエンザでもないことが分かっただけでも大変助かりました。し
食べ過ぎて後悔したことはあるでしょうか。若かりし頃は何度もあったのですが、久しぶりにそれを味わってしまいました。 とある鉄道会社が発行している月間広報誌でタコスの特集があり、家から近くて一際華のある原宿の店にずっと目を付けていました。メキシコから帰国してまだ2年ですが、そもそも気候や風土が違う日本で本場と同じものを求めるのはお門違いだというのが率直な感想ではあったのですが、この店には、目を楽しませる鮮やかな色使い、食材の多様さとボリューム、そして現地を思わせる店の雰囲気に密か
銀行に用事があって、約9年ぶりに大手町を訪れました。電車はお盆中ということもあり観光客や家族連れが多く、通勤ラッシュではなかったことには助かりました。銀行では、これまで経験のなかった手続きであったため、それなりの時間が掛かったのですが、最初の内は客もまばらであったため、ゆったりしたスペースで、落ち着いた色合いのデスクで申請書類の作成ができ、クーラーが効きすぎていたことを除いては申し分のない環境で、快適に用事を済ますことができました。 4階にある銀行に上がる途中で、小さな展覧