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統合報告書ができるまで①

はじめに
近年、「統合報告書」を任意で発行する会社が増加しており、東証プライム企業であればほとんどの企業が開示していると言っても過言ではない状況になっています。
そんな中、上司から言われるままに統合報告書の作成を任されている、会社勤めの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実際に私もその1人で、前担当から引き継がれるままに、何となく開示が必要なものだから、という意識で統合報告書の作成に関わっていました。
しかし、何度か統合報告書の作成を経験し、外部からのフィードバックをもらう中で、統合報告書を作成する意義、重要なトピックについて、自分なりのイメージを持つようになってきました。

自らの仕事に意義を見出すことは、日々の業務が単調になりがちな事務系サラリーマンにとって、モチベーションの維持のために重要なことと考えます。
ここでは、私が統合報告書の作成の中で考えたこと、実際にどう作成を進めたかをここでご紹介していきたいと思います。私と同じように、統合報告書の作成に関わる方のご参考に少しでもなれば幸いです。

そもそも「統合報告書」とは?
そもそも、「統合報告書」とは何なのでしょうか。私も作成に関わり始めた当初は、「何を統合するんだ?」と率直に思ったことを覚えています。
「統合」とは、「財務情報」と「非財務情報」を統合することと説明されることが多いと思います。
「財務情報」とは、字面そのまま会社の財務状態を指し、会社の損益や資産情報のことです。
一方、「非財務情報」は、財務情報以外の情報、すなわち自社の環境や社会に対する取り組みをまとめた情報です。ESGやサステナビリティに関する情報と言い換えた方がわかりやすいかもしれません。

財務情報は、過去から会社が取り組んだ結果が、損益や資産として現在現れたものなのに対し、非財務情報は、現在は財務情報に繋がっていないが、いずれは財務情報として結実するもの、と整理することができます。いわば非財務情報は会社の未来を占うために必要な情報であって、投資家をはじめとしたステークホルダーは、財務情報と非財務情報の両面から、会社の現在、将来を理解したいというニーズがあるのです。

統合報告書の作成の意義は、会社の現在・将来の姿を分かりやすく記述し、ステークホルダーに知らしめるというところにあります。この点で、我々の仕事は経営企画的であり、広報的であり、IR的であり、サステナビリティ推進的であり・・・色んな要素が詰まっていると思います。統合報告書の作成に関わることは、個人としてもスキルアップにつながると考えます。ここが私のモチベーションに繋がっています。

次回は、統合報告書が実際にどう使われているかご紹介していきたいと思います。

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