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亜鉛(Zn)が96%入った塗膜です。

「ローバル塗膜には鉛が96%も入っているそうですが、環境に悪くないんですか?」

良く頂戴する上の質問にお答えいたします。
「全くの誤解です。ローバルに含まれているのは、鉛(Pb)ではなく、亜鉛(Zn)です。鉛(Pb)は配合しておりません。鉛と亜鉛は元素記号が異なり、別の物質です。亜鉛(Zn)は溶融亜鉛めっきとして、広く使われており、環境に悪い影響はありません。」


「亜鉛」と「鉛」は異なる元素

元素記号を用いると、亜鉛は「Zn」、鉛は「Pb」とそれぞれ表します。

周期表での亜鉛と鉛

元素記号が異なるということは2つの物質が全く異なるものであることを意味します。例えば、鉄は「Fe」で表し、金は「Au」で表します。鉄(Fe)が金(Au)になることがないのは、みなさんご存じかと思います。
同じように、亜鉛(Zn)が鉛(Pb)になることもありません。まったく別の物質です。

「亜鉛」という名前の由来

亜鉛は、1713年に「まだどのような物質かはわからないが、よく鉛に似ているから亜鉛と呼ぶことにする」と、名前を付けられたそうです。(諸説あります。)
鉛と亜鉛は、通常伴って鉱石から産出するそうなので、2つの金属が一緒に出てくるということもこの名前の由来に影響していそうです。

300年も前の話ですが、よく分かっていないのに、誤解を招く名前は付けてほしくなかったです。

英語で、亜鉛は「Zinc」、鉛は「Lead」、中国語では、亜鉛は「锌(xin、シン)」、鉛は「铅(qian、チエン)」と言います。日本語にあるような鉛に似ているという意味合いはありません。

「鉛」は昔はよく使われていたけど、今は規制物質されている物質

鉛は、鉛丹という優れた防錆顔料として、さび止め塗料に使われていました。しかし、鉛中毒が問題になってからは規制される対象となっています。「鉛中毒予防規則」という法規まであるくらい鉛中毒には問題があります。
今ある塗料のJIS規格にも「鉛・クロムフリーさび止めペイント」という名称があります。そのあたりからも鉛に毒性があることが推測できると思います。規制が進んだ今では、鉛の入っている塗料を見つけることは困難だと思います。

現在では新規に鉛入り塗料を塗装することはありませんが、鉛入り塗料で塗られたものの塗り替え、改修工事をすることがあります。鉛入り塗膜を剥がすときに、鉛入りの粉塵が出てしまうという課題があるようです。

一方の亜鉛は、健康サプリメントも販売されています。亜鉛は体の必須ミネラルの一つです。亜鉛が欠乏すると、味覚障害、食欲不振などの症状が出るそうです。

「亜鉛」は街中を歩けば、よく見る金属

街中を歩くと、亜鉛(Zn)はたくさん見つかります。溶融亜鉛めっきが、よく使われてるからです。

街中でよく見る亜鉛めっき その1
街中でよく見る亜鉛めっき その2

注意してみると、亜鉛という金属は街中に溢れていることがわかります。これだけ使われている金属が有害ということはないです。

ローバルに入っているのは、「鉛(Pb)」ではなく「亜鉛(Zn)」です。

鉛と亜鉛は、日本語では名前がよく似ています。また鉛も亜鉛も、有用な防錆顔料としての働きを持っています。そのあたりが、混同されやすい原因だと思います。

しかし、亜鉛(Zn)は鉛(Pb)とは全く違う物質です。同じ金属ですが、似てもいません。亜鉛には鉛のような目の敵にされる中毒性もありません。

ローバルには鉛(Pb)は配合しておりませんので、安心してご使用ください。

(記事担当:MTMTH)



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