『ウェイトトレーニング勘違いあるある②』
前回からの続きとなります。
~その2~
ウエイトトレーニングの組み立て方
今回はウエイトトレーニングの組み立てに関しての勘違いについてです。
選手から「ウエイトトレーニングを週に2日行っています。1日目は上半身、2日目は下半身を鍛えています。」という事をよく聞きます。
実はこれは間違いです!さて、なぜ間違いなのでしょうか?
確かに、上半身、下半身それぞれ日を分けて集中的に行う方法は効果的です。
それに関しては間違いではありません。
問題なのは「頻度」です!
例えば、下の図のようにある選手が月曜日に上半身、木曜日下半身という週2日のサイクルでトレーニングをしていたとします。
月曜日に上半身トレーニングをした後、
次に上半身をトレーニングするのは一週間後の月曜日、つまり中6日開けてのトレーニングサイクルになります。これでは、間隔が空き過ぎなのです。
効果的なトレーニング間隔
休息日は通常1〜2日設けるのが最も効果的です。
筋肉を鍛えた後に1〜2日程度の休息日を設け、また同じ筋肉を鍛えましょう。これを「超回復」といい、基礎体力レベルがトレーニング前より更にアップします。
ただし、休息日の期間が短過ぎると疲労が回復できず、
また長過ぎると発達の効果が薄れますから加減が重要です。
私の場合、ウエイトトレーニングが可能な週の日数が2日間のみ!
というケースに対しては、
無理に上半身・下半身に分けず、
1日に全身まんべんなく鍛える。もしくは胸や背中、太ももなど大きな筋肉を中心にトレーニングを提案しています。
~その3~
中学生や高校生のウエイトトレーニングはまだ早い?
中学生や高校生は発育段階で体がまだ出来上がっていない。
だからウエイトトレーニングをすると怪我をしてしまう。
または、発達が止まってしまう。という事を聞いたことはありませんか?
それも間違いです!
上の図のオレンジ色が示す「力強さ」の線をご覧ください。
中学生(12〜15歳)はグッと上に伸びています。
つまり急激に能力が伸びるゴールデンエイジの期間です。
この時期から筋力を発達させるためのトレーニングを積極的に行うべきです。アメリカでは、高校生の時期がピークということもあり授業でウエイトトレーニングが行われています。
ただし、効果的に発達を促す大前提は正しい方法や負荷で行うことです。
中学生が大人と同様の高重量でガンガン負荷をかけると、怪我を誘発する可能性がありますので、自重、軽めの重り、ゴムチューブなどでの負荷を推奨します。身長の伸びが止まった辺りから徐々に負荷を上げると良いでしょう。
ウエイトトレーニングが部活動に行われるようになってきたのは、つい最近のことです。まだまだ誤解があったり昔の知識や習慣で行われることがあります。
正しい知識を身に着け、自分の特性に合ったトレーニングを効果的に行っていきましょう!
⇒次回(9/15)『アスレティックリハビリテーションの目的と基本』