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キャロットクラブ2021年度募集馬の馬体評価

1、ナスケンアイリスの20牡

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走るロードカナロア産駒の特徴のひとつである、前後のバランスの良さを見事に表現している好馬体。前躯も後躯もしっかりと実が入って、力強さに溢れている。脚元も健康そう。胴部はやや詰まって映るので、スプリントからマイル戦が最も力を発揮できる舞台になるだろう。〇

2、コケレールの20牡

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ロードカナロア産駒らしからぬ、縦に長くて薄手の馬体は母系がしっかりと引き出されている。筋肉量とトモが物足りなく映るが、馬体全体のシルエットは理想的。動かすとまだ身体を持て余し気味だが、2000m前後の距離を得意としてクラシックに乗る素質の高さが伝わってくる。

3、ラドラーダの20牝

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父がロードカナロアに変わって、兄たちとは少しタイプの違うコロンとした馬体に映る。筋肉のメリハリにも乏しく、大物感という点ではやや物足りない。とはいえさすがに良血馬、柔らかい筋肉で動きも滑らか。気性も良さそう。完成までに時間はかかるが、短い距離で力を発揮してくるだろう。

4、シーザリオの20牝

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手肢と首差しが長めのシルエットの馬体は、母シーザリオを彷彿とさせる。やや線が細いが、順調に成長すれば、母と瓜ふたつになるのでは。体全体の動きが見事に連動しており、首を上手に使って柔らかく歩けている。クラシック路線に乗ってもらいたい。

5、アドマイヤリードの20牝

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いかにも初仔らしい、コンパクトで幼さの残る馬体。前躯だけではなく後躯にも容積があるが、筋肉のメリハリは乏しい。背が低くて小粒に見えるがピリリと辛いタイプか。表情からは気性の前向きさが伝わってきて、マイルまでの短い距離で活躍するスピード馬になるだろう。

6、クルージンミジーの20牡

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胴部がかなり長く映るように、ハーツクライ産駒の低重心タイプの馬であり、パワーを問われる馬場で力を発揮する。歩く姿を見ると、緩さはありつつも動きは柔らかく、気性的にも素直で、距離は延びてこそ良さが出るはず。

7、マイハッピーフェイスの20牝

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前躯が勝っていて、いかにも力強さに溢れる大型馬。スッと伸びる手肢には長さがあり、フットワークの大きさを生かすためには芝のレースが最適か。動きを見ても、ハーツクライ特有の緩さはほとんど見られず、比較的早い時期から走ってくる可能性も十分にある。〇

8、ローガンサファイアの20牡

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キリっとした顔立ちからは、父エピファネイアと母父ダイワメジャーから受け継いだ気持ちの強さが伝わってくる。筋肉量が豊富なしっかりとした馬体で、パワーを生かしてマイルから2000mあたりで早い時期から活躍しそう。皮膚も薄く、動きもキビキビして好感が持てる。◎

9、バウンスシャッセの20牡

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手肢や首差しがスラリと長く、胴部が全体に対して長めで、低方形の馬体に映る。顔つきはキリリとして、鋭敏な気性をしていることが伺える。体型的には中距離以上が合っていそうだが、気性的には2000m前後か。キビキビと歩けている以外に動きに特筆すべきものはない。〇

10、プルメリアスターの20牝

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幼さを残している未完成な馬体だが、ふっくらとして前躯に力強さがある。馬体の成長に伴ってどのように変化してくるのか楽しみ。皮膚は薄くて柔らかそう。見れば見るほど評価が上がってくるタイプ。顔つきからは気性の良さが伝わってきて、人間の指示をしっかりと聞いて走れる。〇

11、モアザンセイクリッドの20牡

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馬体はコロンとして映り、前後に実がしっかり入って、父ドゥラメンテよりも母系が濃く出ている。動きに硬さはないが、どちらかというとパワータイプであり、マイルから2000m前後の距離で活躍するだろう。顔つきを見てもまだ幼さを残しているように、これからの成長を期待したい。

12、ステファニーズキトゥンの20牝

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手肢がスラリと長く、胴部や首差しにも適度な長さがある。腹回りが絞れてくれば、馬体全体のシルエットの美しさが引き立つはず。顔つきから気の悪さは感じさせず、ドゥラメンテ産駒の牝馬らしい繊細さはない。リラックスしてゆったりと歩けており、脚の運びもスムーズ。

13、ブリガアルタの20牡

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筋肉量が豊富で重量感があり、前躯にも後躯にもしっかりと実が入っている。モーリス産駒らしい好馬体。動かすとキビキビと歩いて活気があり、早い時期から動いてくるタイプではないか。距離はマイル前後を得意としそうだが、芝だけでなくダートにも対応できるかも。

14、ルージュバックの20牡

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1つ上の姉の募集時よりもガッシリとして、筋肉量も多く、父モーリスが前面に出ている。特筆すべき点はなくとも欠点もないシンプルな好馬体。馬体や動きから健康であることが伝わってくる。意志の強そうな表情も好印象。距離は延びても問題ないが、本質的にはマイラーか。

15、ケイティーズハートの20牝

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エフフォーリアの妹になり、父がモーリスに変わるが、兄と同様にパワフルな馬体。前後躯の付くべきところに筋肉がしっかりとつき、手肢にも長さがあって、全体のバランスも悪くない。動きも実に滑らかで好感触。繊細な気性が克服されたら、かなりの活躍が期待できる。〇

16、シュピッツェの20牝

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筋肉の実の入りがまだ物足りなく、首差しも細く、牝馬らしいと言えば牝馬らしい馬体。表情からも大人しさが伝わってくるので扱いやすいだろう。馬体のフレームは雄大なので、この先、筋肉がついて実が入ってくると化ける可能性もある。動きは柔らかくて問題ない。

17、エンジェルフォールの20牡

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手肢がやや短く、それに比べて胴部が長いので、重心が低いパワータイプの馬体に映る。距離適性は微妙だが、力の要る馬場でこそ力を発揮する。首差しの細さはアンバランスな感じはある。やや腰高で、これから背が伸びてくると、さらに馬体に迫力を増すはず。

18、バイラオーラの20牝

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筋肉の付き方や実の入りが物足りず、全体的に幼さを感じさせる馬体。肩が立っていて、いかにもドレフォン産駒らしいスピードを感じさせ、マイルまでのスプリントレースを得意としそう。キビキビと歩き、動きには活気があるので、早い時期からデビューできるのではないか。

19、メジロシャレードの20牝

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大型馬ではあるがガッチリしたタイプでは決してなく、どちらかというと線が細く、牝馬らしさが前面に出ている。手肢も胴部にも長さがあって、母系のメジロとドイツの血が濃く出ているのではないか。筋肉のメリハリに乏しく、本格化するまでには時間がかかるが、奥の深い血統であり馬体。

20、プンタステラの20牡

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リアルスティール産駒はパワータイプに出やすいが、この馬の馬体を見ると、明らかに母系のヨーロッパの血が濃く出ている。動きにも表情にも上品さがあって、このタイプのリアルスティールが走るのかどうか見もの。距離は2000mからチャンピオンディスタンスまで十分走れそう。

21、エクストラペトルの20牝

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前躯に力強さが溢れて、馬体全体の筋肉量も豊富で、リアルスティールらしさが前面に出ている。胴部の伸びは母の父キングカメハメハ譲りか。表情からは気持ちの強さと難しさが伺える。力強い中にも柔らかさがあって、マイル以上の距離でパワーを生かして走りそう。

22、マイティースルーの20牝

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コロンとして映る馬体は前後のバランスも良く、将来的にはパワーとスピードを生かして押し切るタイプになるか。もしかするとダートの方が走るかもしれない。大型馬でることを忘れるぐらい、馬体全体のバランスは良い。顔つきは聡明で人間の指示には素直に従いそう。〇

23、ワシントンレガシーの20牝

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完成途上の馬体であり、現時点ではやや非力さは否めない。馬体全体のシルエットは均整が取れていて、スピードを生かしつつマイル戦ぐらいまでは距離が持つのではないか。顔つきも幼さを残しており、これからの成長力次第だが、デビューは遅くなるかも。

24、ロスヴァイセの20牡

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キタサンブラック産駒らしいフレームの大きな馬体で、しっかり筋肉もついてパワーも感じさせる。もう少し成長が遅くても良い感じはする。この馬の良さは、首を含めて身体全体を使って歩けているところ。動かしても良いタイプで、スピードに乗った走りを見てみたい。〇

25、シンハディーパの20牝

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小さく出がちなシンハリーズ牝系に大型のキタサンブラックをかけたが、やや小さめのサイズの馬体に出た。これからの成長力次第だが、前後の筋肉の付き方はバランスが良く、牝馬らしい繊細さも残している。大物感はないが、比較的早い時期から動いて、デビューできそう。

26、ヒカルアモーレの20牡

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手肢が短いわけではないのだが、胴部が長いため、やや重心の低いシルエットに映る。前後にしっかりと筋肉がついて、見栄えのするダート馬体型。尾を振るのが気になるが、父に似たダイヤの流星が特徴できて、まさにサトノダイヤモンドの良さと特徴を受け継いでいるといえる。

27、エンシェントヒルの20牝

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牝馬らしいといえばその通りだが、線の細いなかにも付くべきところに強い筋肉が付いている。ややトモの実の入りが薄いことが気になるも、歩かせてみると力強く、バネを感じさせる。集中力もあって良い。お値段以上の活躍をしてくれるのではないか。

28、アドマイヤアロマの20牡

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これと言った欠点もない代わりに、特筆すべき点もない標準的な馬体。今後の成長に期待できるということであり、ミスがない馬体ということでもある。全体的にふっくらとして健康そう。歩かせてみても実に大人しい馬であり、力強さが感じられるのでパワーを生かせる馬場が合う。

29、フェルミオンの20牝

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ハービンジャー産駒らしく筋肉量が豊富で、牝馬としてはガッチリしているが、脚元は決して重さを感じさせない。あまり上体が重くなりすぎると問題だが、現時点では適度なバランスを保っている。やや前捌きに固さがあるので、もしかするとダートの方が走るかもしれない。

30、ココファンタジアの20牡

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腹回りに余裕があり、前躯と後躯にもしっかりと実が入っているので、丸太のように映る。ルーラーシップ産駒に典型的なシルエットともいえる。動きには柔らかさがあるので、育成が進んで絞れてきたら、さらに見栄えがする馬体になるはず。気性的な問題はなく、芝でもダートでも走りそう。

31、クローバーリーフの20牡

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キンシャサノキセキ産駒にしては、首差しが細くて高い位置にある。胴部の短さを考慮すると短距離向きの馬体であり、動きはやや硬さがあるので、もしかするとダートの方が合っているかも。気性的には前向きで、早めのデビューが期待できるのではないか。

32、パルティトゥーラの20牡

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胴部が拳ひとつ分以上長く映り、手肢もスラリと長い。サトノクラウン産駒にしては、聞いていたほど背が低くはない。容積はそれほど大きくないものの、前後にコンパクトに筋肉がついている。決して見栄えがするわけではないが、走るために必要な要素は入っている。

33、マルティンスタークの20牝

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顔つきからも、勝気で前向きに走りそうな雰囲気を漂わせている。腹回りに余裕があり、やや胴詰まりでパワータイプに映るように、ジャスタウェイ産駒らしいシンプルな力強さが馬体にある。マイル戦前後を得意として走る、芝のマイラーに成長するのではないか。〇

34、ポロンナルワの20牝

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パッと見てダイワメジャー産駒と分かるほど、父の特徴が良く出ている。馬体のシルエットはスラリとやや長めなので、マイル以上の距離もこなすことができるかも。動きにも活気があり、素直そうな表情からも、早い時期からデビューでき、力を出してくる理想的なタイプだろう。

35、ビットレートの20牝

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全体のバランスが取れたコンパクトな馬体。一見すると、芝のレースを走りそうな軽さがあるが、それでいてダートを走る産駒を出すのが父ヘニーヒューズの面白いところ。この馬は小柄で動きにもやや硬さがあるので、ダートのマイル戦前後を得意の舞台としそう。◎

36、カイゼリンの20牝

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やや細身の馬体は牝馬らしく、首の位置が少し高い馬体は父リオンディーズ譲りか。気性の激しそうな表情だが、それが気の強さや前向きさとして出れば良し。首の使い方が物足りないので、距離的には意外と短く、芝のマイル戦あたりが適鞍になるのではないか。

37、ユールフェストの20

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牝馬ということもあってか、オーストラリア母系×オルフェーヴルにもかかわらず、手肢がスラリと長く、素軽さが前面に出ている馬体。コンパクトな馬体を生かし、芝のマイル戦で活躍できる。表情からは気の悪さはなく素直なタイプだろう。ウォーキングには特筆すべき点はない。

38、レオパルディナの20牡

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首差しがスラリと長いのだが、前後躯に実が入っていて、ガッチリとした馬体を誇る。パワーを生かして走るタイプで、芝よりもダートの方が合っているかもしれない。顔つきからは気性の難しさが伺え、その意味でもダートでこそ活躍の場と思わせる。

39、アールブリュットの20牝

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パッと見た瞬間にシンプルな好馬体と思わせるのは、母父のマクフィの影響か。前後のバランスが良く、馬体全体として窮屈なところがない。決して見栄えがするわけではないが、肢元も健康そうで、ウォーキングもきっちりと歩けていて合格点。コストパフォーマンスは良さそう。〇

40、スーブレットの20牡

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完全なるダート血統だが、馬体全体には伸びがあって、窮屈なところはない。どちらかというとマイル以上の距離の方が走りやすそうな馬体。特にトモの実の入りが素晴らしいが、筋肉は硬そうなのでパワー勝負にめっぽう強いタイプだろう。歩かせてみると、やはり少し硬さがある。

41、アドヴェントスの20牝

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首差しから前躯にかけて、力強さが溢れている。筋肉のメリハリには乏しいが、皮膚が薄くて、動きも実に柔らかみがある。馬体全体のシルエットに対して胴部が短く、短めの距離を得意とするタイプになるだろう。顔つきからも気性が激しそうだが、活気は十分なので早めから仕上がりそう。

42、フォトコールの20牡

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手肢にも胴部にも十分な伸びがあって、現時点での完成度はソコソコとして、将来性は高いであろうと想像される馬体。すっきりして無駄肉がつかないタイプだろうか。気性的にも非常に大人しく、人間の指示にきっちり従い、芝の中長距離を得意として走りそう。

43、ウィープノーモアの20牝

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首差しと胴部がかなり長く、一完歩が大きい走りを見せてくるはず。大型馬ではあるが、現状は身体の大きさを持て余している感もあり、緩さが抜けてくればしっかりと歩ける。完成度は決して高くはないが、その分、成長力が見込める。マイル以上の芝のレースが適鞍か。

44、アヴェンチュラの20牡

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胴部の長さに母の父ジャングルポケットらしさも見せつつ、馬体全体のバランスやトモの実の入りはロードカナロア産駒の良さが出ている好馬体。上は気性的に激しいところがあったが、同馬は落ち着いて歩けており、競走馬としての完成度が高い。強気な募集価格も頷ける。〇

45、アディクティドの20牝

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全体的に未発達な幼い馬体で力感という意味では物足りないが、前後のバランスは良い。胴部が詰まって映るように、体型的にはマイル前後を中心に走るスピードタイプだろう。今のところ問題ないが、脚元に不安のある牝系だけに、このまま順調に行ってくれたら。

46、フロアクラフトの20牝

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スクエアな馬体は好感が持て、前躯と後躯にバランス良く筋肉が付いている。腹回りに余裕があり、胴部は詰まって映るが、これがこの馬の特徴であろう。マイル以下の短い距離が得意距離になるはず。動きや表情にはやや幼さを残しており、そのあたりの成長が今後の課題か。

47、ワイの20牝

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遅生まれということもあって、馬体の完成度はまだまだだが、前後躯に実がしっかりと入って、父ロードカナロアの種牡馬としての良さが体現されている。母系の血はあまり感じられないが、潜在的なスタミナはあるはず。皮膚感が良く、動かしてみると実に柔らかくて気性的にも素直。

48、ホットスウェルの20牡

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パッと見てトモの筋肉の付き方が物足りないが、馬体全体には伸びがあって、これからの成長が期待できる。表情からは気の小ささがうかがえる。歩かせてみると肢勢は良いので、健康に走り続けてくれるだろう。ゆっくりデビューして、走り続けながら少しずつ成長していくタイプ。

49、ハヴユーゴーンアウェイの20牝

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牡馬と見間違うほどに雄大で、前躯の盛り上がりが素晴らしく、力強さを前面に押し出してくる迫力満点の馬体。ハーツクライよりも母系のパワーが色濃く出ている。前進気勢も強く、マイル前後の距離で先行して押し切るタイプの競馬をしそう。ダートの方が合っているかも。

50、インナーレルムの20牝

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子どもっぽさを随所に残しており、完成度という点では他馬には劣る。前躯には力強さがあるが、やや腰高でこれから背が伸びて全体が揃ってくる。母系の奥深さを考えると、現状としてはこれぐらいの馬体で十分。真っすぐ歩けていて、気性もおっとりして長距離向き。

51、クルミナルの20牡

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エピファネイア×母父ディープインパクトが黄金配合になりそうなのを予感させる馬体の素晴らしさ。前後躯のボリュームが抜群で、バランスも文句なし。黒光りする毛艶からも健康さが伝わってくる。馬体は決して大きくないが、コンパクトな方が母系の良さの切れ味を生かせる。◎

52、エールデュレーヴの20牡

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こちらもエピファネイア×母父ディープで、力強さと軽さを両備した非の付けどころのない最高の馬体を誇っている。馬体全体に伸びがあり、2000m以上のクラシックディスタンスを得意とするタイプ。動かすと首の使い方が上手で、体全体を使って柔らかく歩けている。〇

53、レイリオンの20牝

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エピファネイアは母系を上手に引き出す種牡馬で、母の父ダイワメジャーのパワーと脚元の健康さを受け継いでいる。胴部の長さはエピファネイア譲りで、両馬の特徴をミックスした感じ。芝のマイル戦がベストな舞台か。気性的にも前向きさがあって、早い時期から動いてきそう。

54、トータルヒートの20牝

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ドゥラメンテの特徴が前面に出ているロングボディーで、手肢も首差しにも長さがあって、全体的にはややヒョロっとして映る。成長途上の馬体で物足りなさはあるが、しっかり筋肉が付いてくれば面白い。ドゥラメンテ産駒の牝馬にある気性の激しさはほとんどなさそう。

55、リーチングの20牝

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こちらはやや肩が立って、胴部もコロンとして映るように、2000mよりも短い距離でスピードを生かすタイプか。顔つきからは気性の素直さが伝わってくるし、行儀よく歩けている。ドゥラメンテ産駒らしくない馬で、このタイプの馬がどのように成長して活躍するか、興味深い。

56、コルコバードの20牡

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モーリスの初年度産駒は筋肉量が豊富なタイプが多かったが、今年度は全体的なバランスの取れている馬が多く見られる。この馬もその1頭で、付くべきところに筋肉が付いているが、決して重さは感じさせない。馬体重も軽い方だが、これぐらいで良いのかもしれない。動きも実に軽快。

57、ディオジェーヌの20牡

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コロンとして映る中にも、母父ディープインパクトからの手肢の軽さを兼備している。前後にバランス良く筋肉が付いて、馬体のシルエットはマイラーのそれ。顔つきからはやや気性の難しいタイプかもしれないが、小気味良く歩けていて好感が持てる。

58、スペクトロライトの20牝

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モーリス×母父ディープインパクトがどのようなタイプに出るのか試されるような好馬体。首差しや手肢に父の産駒らしからぬ長さがって、距離は2000mまでは持ちそう。動かしてみると意外に力強く、そこはモーリス産駒らしいパワーを秘めている。

59、グランデアモーレの20牝

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今年募集のモーリス産駒の中では、最もコンパクトで全体的に詰まって映る。マイル以下の短い距離を得意としそうなスピードタイプで、前躯に力強さがあるためダートでも走るかも。気性面での幼さがありそうなので、そこが克服されたら早めのデビューが期待できる。

60、リリカルホワイトの20牡

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ドレフォン、母父ダイワメジャー、母母父クロフネという血統構成からは想像できない、馬体の伸びやかさと軽さがある。ここから成長してパワー型になるのかもしれないが、現時点では芝のマイル戦以上を活躍の舞台としそう。ウォーキングを見ると、やや気性の難しさが伺える。

61、ラフォルジュルネの20牡

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ドレフォンは母系を引き出すタイプの種牡馬のようで、同馬も母系特に母の父スペシャルウィークの背中の長さやシルエットが馬体に良く出ている。芝の中距離を舞台に走る馬になるだろう。ウォーキングは口うるささがあったり、きちんと歩けていなかったりして好みではない。

62、ディアデラノビアの20牝

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いかにもディアデラノビアの仔らしく、皮膚感が良く、繊細な馬体の中に切れがある。牝馬らしい線の細さは残しているが、しっかり食べて筋肉がついてくれば走ってくるはず。気性の煩さは少しありそうなので、それが良い方向にでればマイル前後の距離で瞬発力を生かせる。

63、ライジングクロスの20牝

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前躯に力強さがあって、パワータイプの馬体。リアルスティール産駒はストームキャットが強く出て、ダートを走りそうなパワー型に出る傾向があるだけに、牝馬の方が重くなりすぎずに走るかもしれない。脚元も馬体も健康であることが、ウォーキング動画からも伝わってくる。

64、ラカリフォルニーの20牡

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キタサンブラック産駒とは思えない、マッチョでずんぐりむっくりした馬体。母系のスプリンターの要素が前面に出ているからか。マイルまでの距離がベスト。前躯の力強さが目立つため、もしかするとダートの方が合っているかも。表情を見ても前へ前へと行くタイプだろう。〇

65、サンブルエミューズの20牝

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手肢に適度な長さがあって、筋肉量も適切で、コンパクトな馬体を誇っている。この馬も意外とキタサンブラック産駒らしさはあまり見られず、母系のスピードの血が濃く出ている印象を受ける。あえて言うならば、首差しが長くて、上手に使って歩けているのが父方から受け継いだ長所だろう。

66、プラチナブロンドの20牡

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前躯のつくりや首の角度や細さ、そして顔つきに至るまで、祖母モンローブロンドの面影がある。とはいえ、胴部には長さがあって、父サトノダイヤモンドらしさも表れている。実馬を見ると、やや低重心に映るのは背が低いからだろう。マイル以下の距離で軽い芝のレースがこの馬の舞台か。

67、ピースエンブレムの20牝

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キリっとした顔つきは気性の激しさと強さをうかがわせ、首差しに線の細さが残っている。しかし実馬を見ると、付くべきところに筋肉がつき、頭の小ささが目立つように、バランスが非常に良い。マイル前後の距離で切れ味を生かすタイプか。

68、エレガントマナーの20牡

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ハービンジャー産駒らしいグッドルッキングホースで、筋肉量も豊富で、前後躯にしっかり実が入っている。手肢にはやや重さがあるため、力を要する馬場が合っているパワータイプ。脚元はまっすぐで健康そうなので、丈夫に走り続けてくれるのではないか。

69、アウェイクの20牝

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全体的に線の細さを感じさせる、牝馬らしい馬体。特にトモの実の入りは物足りず、これからの成長に期待したい。馬体は平凡でも、歩かせてみると素軽さがあって、スムーズな動きを披露しているように、ハービンジャー産駒特有の重さがなく、これぐらいでかえって良いかもしれない。

70、ローズノーブルの20牡

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特に前躯の筋肉量が豊富で力強く、ルーラーシップ産駒らしい重厚な馬体を誇っている。母父ディープインパクトの影響はあまり見られず、ディープは母系に入ると種牡馬の良さを引き出すのか。動きには活気がみなぎっていて、煩さはあるが気持ちの強さで走るタイプだろう。〇

71、ジュモーの20牡

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ルーラーシップ産駒にしては重さを感じさせない。脚元には軽さがあり、軽い芝でも力を発揮できそう。胴部には長さがあり中距離が合うだろう。それほどマッチョなタイプではないが、付くべきところに筋肉は付いている。煩さはほとんどなく、むしろ素直そうな気性でこれがどう出るか。

72、フォルテピアノの20牡

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ガッチリとして、やや手肢が短く、重心が映る馬体は、典型的な短距離馬のそれ。現時点では特筆すべき馬体ではないが、母系がクラフティワイフ系だけに、血統的には古馬になって成長して良くなるタイプ。動きには活気があり、早めからデビューできそう。

73、ピュアブリーゼの20牝

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牝馬らしくいかにも線が細いが、母系が濃く出ているのだろう。キンシャサノキセキ産駒は早熟なので、気持ち的には早めからデビューでき、馬体が良くなるのは古馬になってから。窮屈なところがなく、シンプルな馬体なので意外にもマイル以上の距離で活躍するのではないか。

74、グレイシアブルーの20牡

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無駄な筋肉が付いておらず、サトノクラウンらしさを出している馬体。兄メールドグラースは見栄えがしたが、馬体的にはこちらの方が奥が深そう。トモ高でスピードもありそうだし、まだまだ上に大きく成長しそう。歩いている姿を見ると、気持ちの不安定さが同馬の課題か。

75、クレオールの20牝

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前後躯にしっかりと実が入って、シルエットも美しい。馬体の完成度は高く、顔つきからも精神年齢も高い。ウォーキングもスムーズで悪くない。背が低くて馬格もなく、目立たないタイプだが、意外と盲点になっているかも。マイルから中距離を得意として走りそう。

76、エスティタートの20牡

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ジャスタウェイ産駒らしいシンプルな馬体で、強調すべき点はないが、欠点もない。首差しの短さと太さは潜在的なパワーを物語っている。胴部が長いが、その分手肢が短く映る低重心の馬体。芝の短い距離をパワーで押し切るタイプになるのでは。

77、ココシュニックの20牝

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母系とジャスタウェイの母系に流れる米国血統が前面に出ている馬体で、力強さに溢れている。顔つきからも気持ちの強さがうかがえ、芝よりもダートでこそ活躍するタイプ。胴部には長さがあり、距離はある程度持つ。コンスタントに走り続けられる馬を狙うとすればこの馬か。

78、ピンクアリエスの20牡

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シルバーステート産駒らしく筋肉質で、前躯とトモの発達が素晴らしく、それによって胴部が詰まって映る。マイルまでの距離をパワーを生かして押し切るタイプに成長するのでは。気性が前向きで早めのデビューが期待できるが、芯が入るまで肉体的な成長を待った方が得策か。

79、ラテアートの20牝

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キリっとした表情から、気性の前向きさと気の強さが伝わってくる。前後のバランスも良く、牝馬らしい繊細さもあって、あまり筋肉が付きすぎていないのもよい。早めにデビューして短距離で活躍できるはず。やや左右のバランスが良くないが、そこが改善されたらなお良し。〇

80、シェルズレイの20牝

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基本に立ち返って、母系のパワーを生かすためダイワメジャーを配合した意図が分かる、実にパワフルな好馬体。牝馬の完成度の高さもあって余計に良く映る。母と父の良いところ取りのような馬体で、力強さもありつつ軽さも残している。マイルがベストで芝でもダートでも走れる。◎

81、シャンドランジュの20牡

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ヘニーヒューズ産駒はダートを走るにもかからず、脚元が軽くて驚かされる。同馬もパッとみると芝でも走れるほど素軽いが、前後躯にしっかりと実が入って文句なし。歩かせてみると、やや首が高いのが気になるが、ダートであれば問題なし。肢もまっすぐで健康的。

82、ホワイトミーティアの20牝

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牝馬らしさを残し、すっきりとした馬体だが、筋肉量と筋肉のメリハリという点では物足りない。顔つきからも幼さを感じさせる。ただ動かせてみると、意外と馬体が大きくて、気性も素直そう。写真うつりが悪いのか、不思議な馬。

83、リリウムの20牡

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胴部の長さが目立つ体形で、手肢が短い分もあるが、やけに低重心。イスラボニータ産駒は筋肉の収縮を生かして走る方が良さそうだが、それには胴部が長いし、馬体が大きすぎる。母系のアメリカ血統が出ていると考えて、パワー型のダート馬として割り切る方が良いかも。

84、グリューヴァインの20牝

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キズナ産駒らしくそこそこ骨量はあるものの、牝馬ということで全体としては決して重くはない馬体。現時点では馬体重こそ軽いが、血統的にはここから筋肉が付いてくるはずで、意外にもダートのマイル戦あたりが活躍の場になるかも。気性的には素直で扱いやすそう。

85、カニョットの20牝

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前後のバランスや首差しが、いかにもスクリーンヒーロー産駒らしい。顔つきも素直そうで、比較的早い時期から動いてくるはず。しかも筋肉の質が良いので、長く活躍できる。動きは平凡ではあるが、脚元は丈夫そう。芝のマイル戦を中心として走ってくるはず。

86、シンハリーズの20牝

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高齢にもかかわらず、シンハリーズらしさを出してくるのはさすが名繫殖牝馬。一目見てシンハリーズ系だと分かるほどに、繊細さと切れ味に富んだ馬体。小柄なのは気になるが、キビキビと歩けていて、早めからデビューして短い距離で活躍してくれるだろう。

87、グローバルビューティの20牝

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遅生まれということもあって、筋肉のメリハリに乏しく未発達の馬体。馬体のフレームが大きいので、この先、実が入ってくればパワフルな馬体が完成する。距離的には2000mぐらいが合っているか。血統的にはダートだが、馬体的には芝の方が適性はありそう。脚元は健康的。

88、キャヴァルドレの20牡

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前躯がガッチリして、首差しも太く、パワー優先の馬体を誇っている。胴部には伸びがあるので、ダートの1800m以上の距離が活躍の舞台となるだろう。気性的には幼いところがあり、真面目に歩けていないが、そのあたりが成長してくれば走ってくる。少し時間がかかるタイプかも。

89、ブリトマルティスの20牝

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腹回りに余裕があってコロンとして映るが、前後躯にしっかりと実が入って、キンシャサノキセキ産駒らしいパワフルな好馬体。気性的にも激しさがありそうで、良い方向に出たら早めから動いてきそう。筋肉の付き方からして、短い距離で良さが生きるタイプ。

90、ライクザウインドの20牝

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首の位置がやや高いが、長さはある首を上手に使って走ることができるようになれば、トゥザワールド産駒の良さが出る。筋肉のメリハリや馬体のシルエットは平凡だが、大きな欠点もなく、コンスタントに走り続けられそう。気性は素直で問題なし。早い時期からの活躍を期待したい。

91、ネオフレグランスの20牝

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前躯に力強さはあるが、馬体全体としては重すぎることなく、芝でも走れそうな好馬体。サイズ的には大きくなった方が良い。馬体に伸びがあるので、1800m前後の距離が適鞍か。気性的には煩いところがありそうで、それが良い方向に出たら面白い、一か八かの馬といえる。〇

「ROUNDERS」は、「競馬は文化であり、スポーツである」をモットーに、世代を超えて読み継がれていくような、普遍的な内容やストーリーを扱った、読み物を中心とした新しい競馬雑誌です。