よふかしの誘惑
宵っ張りなのです、昔から。
布団に入った途端眠れていたのは、小学4年生くらいまでだったと思います。そこから20代に差し掛かるまで、ずーっと寝つきの悪い子どもでした。寝つきが悪い、ということを超え、あれは不眠症でした。
自然な眠気、というのが分からなくなっていたのです。
寝なくちゃ、寝なくちゃ、と思うほどにそれは遠ざかり、目も頭も冴えてゆく。深夜ラジオがお友達。聞いているうちに眠くなるかと思って聞き始めたのですが、ただのヘビーリスナーになっただけでした。(でも楽しかったなぁ。録音したものをずーっと聞いたりして)
きっと、体内時計がおかしくなっていたのでしょう。多感な時期にしっかり眠れた経験が無いことは、その後の私に多大な影響を与えたことは間違いありません。緊張感の高かった我が家で、リラックスすることなく生活していた証拠なのだと思います。(あ、ちょっと可哀そうな感じになってきました)
そして、進学により実家と地元を離れ、大学生になり、社会人になり、ようやく「疲れ果てて眠る」ということが出来るようになりました。
そのおかげで分かったことが・・・
私はそもそも、夜更かしが大好きだったのです!
翌日早起きしなくてもよければ、1時2時は当たり前。なんなら3時4時までいっちゃいます。そんなに起きてて何してるかと言うと、録画したものをずーっと見てるんです。ビール飲んで。何か食べて。ただそれだけ。
ただそれだけが、大好きなんですねぇ。幸せタイムです。
あと、ショートスリーパーなんです。寝つきが悪かった時期に鍛えられて後天的になってしまったのか分かりませんが。最悪、4時間寝れたらなんとかなります。(もっと短くても平気な方もいらっしゃいますよね)
夜の雰囲気がする曲も大好きです。危ういかけ引きや、ワンナイトラブなんてしたことないくせに、その艶っぽい感じが最高に好きなのです。丘サーファーみたいなものですね。
都会の夜は長いですよね。そこへの憧れが強烈にあったのだと思います。地元は夜8時になると信号が点滅に変わるようなところです。テレビの民放も、当初は2局しか映りませんでした。深夜番組も早めに切り上げます。
情報に飢えていたのです。知りたいことがたくさんあった。
それが手に入る生活を送れるようになり、「長い夜」があることを知り、これはもう大変な刺激でした。通っていた大学が渋谷にあったので、夜遊びし放題!
浮かれてました、ずーっと。浮かれまくってましたねぇ。本当に楽しかった。今では渋谷も新宿も池袋も、疲れるし怖いし、どう楽しんだらいいか分からなくなってしまったので、全然近寄ってませんが。
あの遊び呆けた時代があって良かったと、心から思います。都会は楽しい。虚しさを抱えてもいますが、それも含め、やっぱり私は都会が好きです。
田舎で望まぬ夜更かしをしていた眠れない子どもが、都会に出て、望む夜更かしを手に入れたということですね。
しばらく帰省できていませんが、田舎の夜は早くて漆黒。カエルの大合唱の中で眠るときが一番、10代がフラッシュバックする瞬間です。そして、朝の光も強烈です。いやでも起こされてしまう眩しさです。
いつか、田舎のほうがよく眠れるなぁって、思うときもくるのでしょうか。
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