労務リスクは、たったの4つで軽減
1 ほんとうにたった4つだけです
20数年労務問題、労務対策、労働問題に向き合っておりますが、その実務経験から、あるいは、裁判例などからも、今回、お伝えいたします4つを適切に行うだけで、労務リスクは大幅に軽減されると考えられます。
企業のほとんどにおいて発生している労務問題・労働問題は、この4つの要素が絡んでいます。でもエイヤーでやってしまっているのもこの4つです。セミナーや研修会でも、必ずこの話をさせていただいております。
この4つは、整理してみないと気付かないもので、まとめて伝えられれば、「なるほど」「そうか」と見えてくるものだと考えます。しかしながら、レクチャーされなければ、気づくことはほとんどないとも言えます。
実際、社労士としてこれまで携わってきました企業でも、ここに気づいていた企業はなかったかと思います。少なくとも、「よくわかっているなあ」と思えたことは、おそらくなかったかと記憶しております。企業の方々には失礼なお話ではありますが、そのように感じております。
でも、大丈夫です。いつから始めても遅すぎることはありません。「よーし」と思い立ったが吉日、今、この瞬間からでも遅くはありません。ほんとうにたったの4つです。
とても熱く、労務の4つを伝えたいと思わずにはいられないのです。セミナーや研修会の講師依頼を受けた際には、労務の4つの前提として必ずお話させていただいております。
セミナーや研修会では、話をするテーマが設定されますが、この4つの前提だけは、共通なんです。
2 労務実務では困難でも意識を
これは社労士亀岡がセミナーや研修会等でもよく言うことではあります。労務は、生身の人間が相手です。4つがわかったとしても、労務実務で行うことが容易ではありません。しかし、企業は、意識して細心の注意を払う必要があります。
なぜなら、それが、労務リスク・労務対策への最短距離だからです。労務は生き物です。出来事だけでは済みません。人間の思考、心情が複雑に絡み合います。労務が「めんどうくさい」、「大変」、「かかわりたくない」、「見てみないふりをしよう」などになる所以でもあります。
事実や従業員の感情に触れないように、そう、“触らぬ神に祟りなし”式の対応が散見されるなあと感じています。これは労務実務ではいいことではありません。何も対応していないことに等しいと評価されやすいことから、適切な労務対応とは程遠いものです。
「そんなこと言ったってかかわらないほうが・・」、そうなんです。お気持ちはよーくわかります。しかし、労務対応は、人間として「いやだ」「かかわりたくない」などの前に、「ビジネス」なのです。ビジネスは、いかなる困難な局面が降りかかってきても、やはり鉄則通りで逃れてはいけないのでしょう。
逆に、非常にやりにくい、対応のしにくい出来事に頑張って対応している姿勢を見ると、「よく頑張って努力しましたね」「難しいのにできる限りの対応をしましたね」と、社労士としても賛辞を呈したくなります。
それに、事が丸く治まるかどうかわかならいし、治めるのが難しいと知りながら、努力して対応した行為は、いざ、問題が発生して、苦情や相談、敷いては行為の判断レベルになった際に、プラスに働く要素になり得るのです。ここは、とても重要な点です。
3 ステップを踏んで4つを行う
4つを行うには、必ずその順番でと頑なになる必要まではありませんが、順番を心得ることは急所になります。順番を違えると大変な問題に発展しかねないことになる可能性があるからです。
労務の世界は、日頃からリスクをいかに軽減するかという企業行動によって、万一、リスクが発生した際の事後処理がスムーズになり、仮に企業が傷を負ったとしても、浅い傷で済む。これが大切です。
これを外してしまうと、その場その場の場当たり的な労務となり、労務管理とは言えない状況となります。日々、企業労務に向き合っている社労士としては、こうした状況は避けたい、何とかしたい・・・こういつも思うのです。
4 4つとは何か
早く言って・・4つって何・・? お待たせしました。
今回は簡単に挙げておくに留めます。
➀雇用継続、②合意、③理解促進、④職場環境
です。
◆雇用継続は、解雇や有期雇用の雇止め、準解雇などの場面で直接関係してきます。
◆合意は、配置転換、給料の減額、退職勧奨などが典型ですが、やはり大きく関係してきます。
◆理解促進は、労働条件や給料、賞与、人事評価、傷病の発生、休職など、非常に多くの場面で関係してきます。
◆職場環境は、パワハラなどハラスメントの防止対策や生じた後の対応が典型ですが、作業環境、服装などでも関係してきます。
以上、簡単ではありますが、社労士としての経験とぜひとも知っておいていただい事を思いを持ってお知らせいたしました。
やや、濃い目の内容になったかもしれませんが、労務はとにかく、すべてにおいて説明が必要で、口で説明することを少しでもわかりやすくと活字にすればこんな感じになります。ご理解のほどお願いします。
これからも、ことあるごとに、労務に関する記事や思うところを気ままにアップしてまいります。
一粒の熱き応援感謝いたします。これからも厚く語ります。熱意が伝われば幸いです。
【特定社会保険労務士 亀岡 亜己雄】