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パワーランチ 理論編/実践編

2010年12月5日発行 ロウドウジンVol.1 所収

理論編

 「パワーランチ」。これまたけったいな名称であるが、おそらくは造語だろう……と思って検索をしたところ、なんとWikipediaに該当項目がみつかった。どうやらアメリカCBCで同名のビジネスニュース番組があるようだ。記事によると、この番組名の元ネタであるパワーランチが「企業などで昼に食事を持ち寄りながら行われる社内ミーティングや顧客との打ち合わせのこと」だと紹介されている。つまり日本で言うところの「ランチミーティング」に相当するらしい。「ランチ」に主眼があるのか、「ミーティング」に主眼があるのかが諸外国と日本の差異だとみてとれるだろう。

 そんなパワーランチではあるが、ここでは社会人サークル的パワーランチについて調べてみた。ざっくりめに表現するならば、お昼に社外のひとと食事をともにすることだと言えよう。目的は情報交換や人脈作りだという。たとえばアメリカ西海岸のいわゆるシリコンバレーでは、そこではパワーランチとは呼ばれてはいないかもしれないが、食事のようなビジネス外のつながりによって会社そして街という集団として進歩を続けたと言える。日本の社会人サークルにおけるパワーランチとは、それを自覚的にイベントとして実施しているといえよう。そこにおいては一般的な閉鎖系サークルとは全く異なった、常に外へ広がり続けていこうという社会人サークル独特の貪欲さが見え隠れしている。余談になるが、一般的に社会人サークルは人脈作りという側面が強い印象がある。そのためサークルといっても大学サークルのようなある意味における閉鎖的な雰囲気とはそもそも異なるものらしい。

 以上がパワーランチである。とても簡単だ。ただ社外の人間と昼食を食べて人脈を広げれば良いのだから。

 つまりは昼食合コンである。

実践編

@noir_k(以下、「N」)「こんにちは。本日はこんなにもウキウキウォッチングな時間に『パワーランチ』の実践のためにお集まりいただき、ありがとうございます」

@Nerd_Arthur(以下、「N」)「こんにちは。上のセリフどこかで聞いたような気がしますね……」

@2tar(以下、「N」)「……」

N「……」

N「……何を注文しましょうか?」

N「店員さん! スタミナ定食みっつ!」

――ぼんやりテレビをみてたら、料理が運ばれてきた。

N「それじゃ、食べましょうか」

N「いただきます」

N「……」

N「ぱくぱく」

N「もぐもぐ」

N「ごくごく」

N「ぷはぁ」

N「……美味しかったね」

N「うん。普通に」

N「……もっとテンション上げてよ(笑)」

N「そうは言ってもね。ここ餃子の王将じゃん」

N「……」

――まとめ。

N「いかがでしたか? パワーランチ」

N「……美味しかったです」

N「……」

そんなこんなで反社会人サークル員たちの朝と昼と夜は終わりを知ることなく、永遠のループから抜け出せないでいるのだ。(おわり)

番外編:パワハランチ

上司「おいこらぁ。今日は何が食べたい? 俺は中華だな。えっ? おいこらぁ。行くぞ! おいこらぁ(肩をがしっ)」

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