令和25日目のゲームマーケットに、令和の24日間を扱った『令和アタック25』を100円で出品した話&無料DL
改元。そんなタイミングはそうそう訪れることはありません。
私たち反社会人サークルはこの機を逃すまいと、『令和アタック25』というカードゲームを、2019年5月25日に行われたゲームマーケット2019春にて100円で販売しました。
ゲームマーケットまでの令和の24日間に起こった出来事がカードになっています。それらを並べて、カードに書かれた出来事が令和何日目に起こったことなのかを当てるゲームです。
見ての通り、今となっては異常に高い難易度と化しています。まさに、時とともにゲームは成長するのです!
令和25日目のゲームマーケットに向けて『令和アタック25』を作ることになった経緯
もともと私たちは、改元をテーマにした別のゲームを作っていました。ゲムマ2019春の2か月半前、ゲームマーケット2019大阪で販売開始した『平成GO』です。まだ、次の元号「令和」が発表される前のことです。
『平成GO』は名前のとおり、平成を題材にした昭和生まれホイホイなゲームです。タイトルは平成なのに。
通販はこちらから!⇒ https://hanshakaijin.booth.pm/items/1287725
さて、その次のゲームマーケットがゲムマ2019春ということになります。
私たちのサークル構成員は皆、労働者です。もちろん、ゲームマーケットには毎回参加したい。ですが、毎回新作を出せるほどには、十分な時間を取ることができません。労働や生活を犠牲にしていない、きわめて社会的なサークルだからです。
そのため、『平成GO』を出してから2か月半しか経っていないタイミングで新作を出すのは難しく、ゲムマ2019春には過去作のみを持っていくつもりでいました。
新作の出せない同人イベントは、歯がゆい。まことにありがたいことに、私たちの制作物に価値を見出してくださっている方々に対して「新作ないです……」「やる気だけはあるのですが……」「見捨てないでください……」と申し上げなければならないのは、つらみ。もっとも、コロナ禍で同人イベントへの参加じたいが難しい2020年現在においては、贅沢な悩みだったのかもしれませんが。
そんな、新作を出せないゲームマーケットでも、同人誌とは別にフリーペーパーを出すように、ゲームマーケットでも小さいゲームを無料、あるいは安価で出せないか? そうすれば、そこまで申し訳ない気分にはならないし、忘れ去られることはないのではないか?
他所のサークルを見てみると、ポストカードだけで完結するゲームを作っていたり、謎付きフリーペーパーで配布していたりします。そういうのをやってみたくなりました。
令和25日目のゲームマーケットに出品したゲームが『令和アタック25』になった経緯
私たちは『ロウドウジン』という同人誌を定期的に作っています。ちょうど、ゲムマ2019春の直前、令和最初の文学フリマ(5月6日)にて新刊を頒布していました。
表紙は新宿御苑で撮影しました。
特集は歓送迎会。なぜ歓送迎会なのかというと、もちろん改元が行われたからです。それゆえに、30年の一度の歓送迎会ブームが到来、なんておかしなことを書いているのです。でも実際、平成プレイバックというか、平成リバイバルというか、世の中はそんなモードではありました。
さて、上の表紙の中に「いまこそ令和を振り返る」という文字が見えると思います。おそらく史上初の、令和を振り返る記事を書いていたのです!
ここで令和を振り返った期間は、文学フリマが5月6日だったということもあり、たったの7日間。なぜか一日多いですが。しかしそんな短期間にもかかわらず、さっそく多くのおかしな事件が発生していました。
『平成GO』は各年がカードになっていて、平成に起こったおかしな出来事や、おかしくない出来事を扱ったゲームでした。同じように、令和の各日がカードになったゲームが作れるのではないか?
そんなわけで、『令和アタック25』が生まれたのです。
出来事のネタ集約のために使用したGoogle Spreadsheets。記録によると5月13日からネタ集めをしていたようです。
ネタは簡単に集まるかと思いきや、意外におかしな出来事があまり見つからなかった日もありました。
ちなみに、タイトルをつけた私(2tar)は『パネルクイズ アタック25』を見たことがありません。どんな番組なのかも実はよく分かっていないのです。
令和25日目のゲームマーケットに『令和アタック25』を出品した当日とその結果
さきほど同人誌『ロウドウジン』について触れました。『ロウドウジン』は文学フリマに合わせて作っているのですが、ほぼ毎回、文学フリマ当日朝にキンコーズで印刷しています。締め切りギリギリになるまで頑なに原稿を進めない、きわめて反社会的なサークルだからです。
したがって『令和アタック25』も、ゲムマ当日朝キンコーズ印刷となるのは必然でした。
同人誌の印刷なら慣れたもので、そこまで大きな問題は生じないわけですが、カードゲームとなると話は違います。
インスタントにカードゲームを印刷するには、名刺プリント用紙が最も手軽です。もちろんゲームのテストプレイの時にも使っています。しかし、テストプレイとはワケが違うことをもっと真剣に考えるべきでした。
まず、名刺プリント用紙を大量に確保するのが意外と大変。
『令和アタック25』は24枚のカード+説明書が必要です。一般的な名刺プリント用紙は1シート10枚の名刺が印刷できるようになっているので、1セットあたり名刺30枚分、すなわち3シート必要です。200部作ろうとすると600シート分の名刺プリント用紙が必要になります。
さすがに用紙の確保は当日ではなく前日に行ったのですが、100シートとか200シート入りの大容量かつ、そこそこの厚みがあり、余計な装飾(シールとか)がなく、かつレーザープリンターに対応しているものは、家電量販店に行ってもそう多くはなく、複数店舗まわってようやく確保することができました。(でもホワイトだけで揃えられず、アイボリーバージョンも混じることになりました)
まあ、事前にちゃんと通販で用意しておけって感じですが。
そして当日。まずキンコーズでは、このような名刺プリント用紙は、セルフUSBプリントでしか扱ってくれません。どういうことかというと、PCをレンタルして店員に出力をお願いするのではなく、自分でセルフ用の複合機を扱うしかありません。したがって、両面プリントしようとすると、用紙セットを自分でやらなくてはいけなくて、結構面倒。
しかも、このセルフ用の複合機で厚手の名刺プリント用紙を印刷しようとすると、結構詰まる。詰まるとミスる。結果、3分の1ほどの用紙は失敗して、用紙代もプリント代も無駄となったのでした。
そしてゲムマ開場。間に合って……ない。
けれどもなんとか昼には間に合って、うれしい感想もいくつかいただくことができました。
うれしい……。今後も、こういうインスタントに作れるミニゲームをちょくちょく用意できればなあと思う次第です。
でも、収支を考えるとどうでしょうか?
印刷費(名刺プリント用紙+キンコーズ):22,689円
売上(ゲムマ2019春+コミケ96):106×100円=10,600円
12,089円の赤字!
もともと200部全部売れてもトントンで計算していたのですが、印刷ミスが響いた結果になりました。
あと名刺プリント用紙にレーザープリンターというのは、印刷が落ちやすいので、プリントした在庫を保管したり、ゲームを何度も遊ぶにはさすがに向いていませんね。良い方法を模索中です。
当日朝に印刷しなければよい、というのはわかってはいるんですが……。
令和25日目のゲームマーケットに出品した『令和アタック25』の無料ダウンロード
この度、令和おじさんも総理大臣になったことですし、というのは明らかにこじつけですが、この『令和アタック25』の無料ダウンロードをはじめました!(ちなみに一か所誤植を直しています)
■PDFファイル
■aiファイル(文字はアウトライン化しています)
一般的な10面の名刺プリント用紙に両面印刷することで遊べます。
出来事が書かれているカードの裏面には、それが令和何日目に起こったことなのか、つまり正解が、書かれています。
説明書もカードと一緒に印刷されるコンパクト設計。
25年後くらいに遊ぶと面白いかもしれません!