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そこに「何か」を生み出すとき

制作中PCゲーム『七色の要』では
「自然の流れやゲーム内の存在からの声を大切にする」
という作り方をしておりまして、
それってどういうことなのか……
書いてみたいと思います。

作品の中に何かを生み出すときに浮かぶ
「こんな存在が欲しいな」という存在との
対話からスタートします。

そのとき、まずは頭の中にある理屈や
辻褄とかをいったん外に置いておきます。
その状態で存在と向き合い、
存在の方から「ぼくはこう」と「言われ」たり、
そう「見える」「思える」を拾っていきます。

ある程度そういった要素が分かったら、
「〜〜だからこれはこうなっている」
など、そこから理屈や世界観に合う・合わないなど
考慮しながらまとめます。
その際、はじめに存在と対話したときに
分かった内容はなるだけ改変しないようにします。

「頭で捻り出す」「頑張って考える」
というより、
点在する要素のピースどうしが
繋がる答えを見つけるというニュアンスです。

なお、その存在が「言って」はいないけど
こちらの都合で「こうあってほしい」が出てきたら
その存在に「お願いする」感じかなと。

どのフェーズでも、
こちらの都合よりも
できるだけ存在の気持ち、要素を大事にします。
不思議なんですが、その方が後々になって
修正や変更が少なくて済み
スムーズに開発が進みます。

以下、私のときは具体的にどんなケースがあったのか、
書いていきたいと思います。

ゲームに「天野光照」(あまの みつてる)
というキャラがいます。

この子が思い浮かんだときに
分かったことは……

・「みっちゃん」と呼んでほしい
・方言で話す
・精神疾患がある
・霊能者の家に生まれ、
 自らもそういう力を持つ
・自分の霊能の力は周りに隠したい
 それ自体が嫌い…なわけではなく
 複雑な思いがあるみたい

この辺は、練って答えを出すというより
自然と思いつく感じです。
で、自分の中でキャラが固まってきて
さらに分かってきたことは

・あだ名で呼んでほしいのは二重人格だから。
 「みっちゃん」と「ミツテル」は
 この子的には別もの。
 本名だから「光照」でも反応はするけど。
・霊能の力を活かすこと自体は嫌いじゃない。
 ただ、ものすごいトラウマがある。
 そのトラウマは人格が分裂した理由である。

みっちゃんを形作るピースが
ちょっとまとまってきました。
ここから、みっちゃんとミツテルと、
天野家、舞台となってる地域の歴史、
ゲームの世界観的に合う合わない…
など複合的に見ていきます。

みっちゃん一人のことを考えるのに
その地域の歴史や、みっちゃんの家のことまで
考えるということです。
ガチガチには決めないけど、必要と思われるところまで、
紙に書きながら頭の中を整理していきます。

物語が進むにつれて、
新たに知るところや調整かかるところも
あるかも知れないけど
それはそのときに、向き合っていきます。

作ってるゲームでは
主人公以外に6人の選ばれし仲間たちがいて
それぞれ、攻略というか
仲良くなるシステムがあるのですが
その男女比について。

仲間の男女比は3人・3人にした方が
バランスがいいと思いました。
ですがはじめ自然と浮かんでいたのは

男4人
女2人

で。バランスが悪いかなと思って
男のうち誰か一人を
女に変更できないかと考えてたのですが……

無理でした。笑

厳密に言うと無理ではない、のですが、
どうしても「ハマらない」のです。
変更を加えようとすると
「なんか違う」感がすごくて、制作が進まない。
バランスが悪くてもいいから、
そのまま進めるとスイスイと作れる……。

その経験をしたとき、
「やっぱ作品側からの声ってあるのかなぁ」
と思いました。

▲女の子にできないかと考えたのは、この子のポジション。そこそこ真剣に考えましたが、
どうしても「そこは僕だ」と。この子の主張があったのかな、って感じに思ってます。

その存在の中身だけでなく、
見た目にも、この作り方は適用してます。
なので、実はキャラデザなども
「案をいくつか出して決める」ではなく
「一発目に浮かんだやつを採用」が多いです。

たぶん、個人制作だからまかり通ってる作り方で……
なのでこれが正しいのかは分かりませんが
自分的には一番「ハマる」を貫けるかなと思ってるので
この感じで行ってます。

と、「何かを生み出すとき」のお話でした。
感覚で「ハマってる」「ハマってない」が分からなくても
ハマっていれば滞りなく制作が進み
ハマってなければ手が止まりますので
それもひとつの目印にしてます。

ではでは〜!

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