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言葉の積み木 (五)

41.

ここが何処なのか

知りません

まっすぐな道があったので

まっすぐ

まっすぐ

歩いて来ただけです

途中にあるものは

緑の木々や

草花だけです

私に必要なのは

こういうもの ということでしょうか

この道は

何処に出るのでしょうか

42.

詩を書けなくなったのは

私にとっての不幸せだったのか……

幸せだったのか……

やはり 私は

この遺書を書き続けなければ

いけないらしい

43.

やっぱり自然が好きだ

勝手にそこにいて

目を向ければ

優しく受け入れてくれる

これ程の優しさが

他にあるものか

自然そのもののような

優しい人になりたい

44.

私は

口を開けば

刺を吐く

化け物である

45.

幼い頃の自分に

救けられるなんて

変わってしまってたんだね

あんなに変わることを

恐がっていたのに

46.

深い深い

自分の指先さえ見えない

霧の中を

さまよい歩いていた

霧が晴れた時

道を違っていた自分に気がついた

かばんを開いてみる事さえ忘れていた

探していたものが

その中にある事さえ気づいていなかった

47.

桜の中をゆく舟は

遠く 夢の中へ

消えてしまった

岸辺に小さな

一枚の花びらを

残して

48.

ラベンダ色の朝も

彼にはあたらしい

丘の上の木もれ陽と

海の照り返しと戯れ

春を越える仔馬

49.

立ち並ぶビルの間を

人々は歩いて行く

瞳の奥に夢を隠して┈┈┈┈┈┈

いつしか それさえ忘れてしまい

人々は歩いて行く

薄暮の街で

なつかしい風に立ち止まる

それは 過ぎた日々のささやき

夕暮れの街で

なつかしい香りに包まれたなら

それは 何かのメッセージ

50.

もしも、私が死んだなら

棺の中には菊の花など入れないで

真っ赤なブーゲンビリアで埋めつくして

私は土に還るけど

私はきっと

南の島に生まれるでしょう

月の光に産湯をつかい

太陽を転がして遊び

私の声は

小鳥のさえずりと共に

梢を巡り┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

だけど、砂浜に立って水平線に抱かれる時

私はなぜか 涙するのでしょう

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