リオ・ティント、豪先住民の古代遺跡破壊で補償に合意
オーストラリアの先住民アボリジニのグループと英豪資源大手リオ・ティントは28日、西オーストラリア州ジューカン峡谷で同社が2年前に鉄鉱石鉱区拡張工事中に破壊した先住民の古代遺跡を巡り、補償で合意したと発表した。
破壊したのは4万6000年前の氷河期の人類の居住を示す貴重な遺跡。アボリジニらの心情を傷つけただけでなく世界的な批判を巻き起こし、経営陣の引責辞任や議会による調査、鉱山業界が先住民と結ぶ協定の抜本的な見直しにつながった。
合意では補償基金を設け、アボリジニらへの教育や職業訓練、経済的な自立のほか、アボリジニの伝統、文化、土地の保全とアボリジニらによる決定権の向上を目指す。合意の金銭的条件は先住民の意向で非開示とされた。
アボリジニグループの代表は、ジューカン峡谷で失われたもの自体は償いも取り換えももうできないと強調した。
リオ・ティントのヤコブ・スタウショーン最高経営責任者(CEO)は、会社が遺跡を破壊させたことで、先住民から得ていた信頼を損なったとした上で、基金だけでなく一帯の修復作業も協議内容に含まれると述べた。
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