Wikipediaこれ読んどけ 第03回「ココ・シャネル」
Wikipedia記事に多いパターンの中に、「最後まで読み切らないと要点がつかめない」問題があると思う。これは深刻だ。
読み手はサクっとネット検索して概要をつかみたいからWikipediaを参照してるのに、書き手は些末なことばかり書き散らす。結局、コトバンクとか別のネット百科事典を検索しなおす羽目になってしまうんだよね。
残念ながら、この問題と真剣に向き合って、Wikipediaの各記事の導入節 (冒頭のパート) を的確にまとめ上げようとする執筆者というのは少ない。ものすごーーーく少ない。秀逸な記事 (FA) や良質な記事 (GA) の選考に推挙される記事であっても、導入節がピリっとしないものが結構ある。
そんな中で、この導入節はスゲーーーと感嘆してしまった記事がある。それは「ココ・シャネル」の人物伝だ。はい、世界的ファッションブランドのシャネル創業者ですよ。
これはね。Wikipediaの読者さんだけでなく、執筆者の皆さんにも是非とも読んでほしいね。必読。バイブルみたいに何度も読め。
特に人物伝の記事って、なぜかWikipedia日本語版にはパワーライターが多く存在するんだけど、私は伝えたい。ものすごく長文な割に、導入節がほとんど書かれておらず、すぐに「A氏は1900年に東京都で生まれ、父の名は...」という生い立ちから始まる。これ、やめてほしい。
極論すると、百科事典上にどこで生まれたかなんて書かれてなくてもいいんだよ。その人物が百科事典に載るべき理由・おおまかな功績・特徴が知りたいわけ。それを導入節にバシっとまとめて書いてくれ。・・・私はいつもこう思っている。
そんな日頃の悶々とした思いを酌んでくれたのが、「ココ・シャネル」なのだ。主筆者は、エジプトなどの歴史記事執筆で有名なTENさん、そしてフランス文芸記事を多数手がけるHparis11edさんの2名。お二方とも、GA選考の常連さんだ。なので、もちろん導入節以降の本文もしっかりしてる。
この記事が月間強化記事賞の選考にノミネートされた時、私は迷わず1票投じたんだけどね。なぜか他の方からはあんまり評価されず、受賞に至らなかった。うーん、私の眼が曇っているのだろうか??
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