ボリビアの首都で高山病になりかけて、コカ茶に助けられた話
★ペルー旅行がボリビアに変更になった経緯
教員二年目の夏休みに、ペルーへの旅を計画しました。
しかし、直前になって、その行き先はボリビアに変更になりました。
行き先を変更した理由は、出発直前にペルーで日本の海外青年協力隊がゲリラ組織に襲われ、殺害されるという残酷で痛ましい事件が起こったからです。
それでも、どうしても、アスカの地上絵や、
マチュピチュの遺跡を見たかったので、計画を強行しようとしたのですが、まずは両親に止められました。
また、当時勤めていた学校の校長先生も、
「周りの目もあるから」とか、よくわからない理由で、
私の旅を引き止めてきました。
さらに、外務省からは「渡航中止勧告」
も出ていましたので、泣く泣くあきらめたのです。
それで行き先をボリビアに変更したのですが、
なぜボリビアにしたのかはよく覚えていないのです。
おそらくペルー行きの航空チケットを
キャンセルせずに、乗り継ぎで行ける場所として、
ボリビアが最も適当だったのかもしれません。
その辺、なぜかよく覚えていないのです。
それくらいの気持ちで行ったボリビアでしたが、
なかなか波乱万丈な旅で、
今でも思い出深いものになっています。
とりわけ、その中でも高山病になりかけたことは、
今でも鮮明に記憶に残っています。
★到着地は富士山よりも高い場所
ボリビアへの入国は首都のラパスからでした。
標高3600メートルに位置するラパスは、
世界でも最も高地にある首都とされています。
そのラパスの空港は、さらにそこよりも高地で、
4000メートルあたりに位置しています。
資料を見てみてみると、
ボリビアの国際空港「ラパス・エル・アルト国際空港」
の標高は4,058mであり、
世界で最も高い標高に位置する国際空港である、
とされています。
ですので、「高山病に気をつけなさい」と書かれていました。
かなり酸素濃度が低いということです。
ただ、実際は、飛行機から降りたら、
すぐに酸素濃度が低いと体感することはなく
呼吸もふつうで、
小走りで少し息が荒くなるくらいのものでした。
以前に、中国のチベットに行った時も、
酸素不足での頭痛に悩まされていた旅人をよそに、
私は平気だったので、
おそらく私は高地に強い体質だと思いました。
しかし、その油断がいけなかった。
調子に乗って、
初日からラパスの街中を歩きまわり、
疲れて宿に帰ったあたりから頭痛が始まったのです。
体を休めようと仮眠を試みたのですが、
あまりの頭痛で眠るどころではありません。
とにかく頭が割れるように痛い。
どれくらい痛いかといいますと、
頭が割れるくらいひどい
二日酔いを経験したことのある方ならわかるはずです。
あの感じがずっと続いていると考えてください。
★コカ茶とは
とりあえず痛みを抑えようと、薬を探すことにしました。
日本で市販されている
頭痛薬は持っていませんでしたので、
ラパスの薬局に行ってみました。
いくつか薬を紹介はしてくれましたが、
購入する段になって
わけのわからない薬を飲むのが怖くなり、
薬を買うのをやめました。
私が困っていることを察した薬局の店員から、
「とりあえずコカ茶」を飲めとすすめられました。
コカ茶とは、いわゆるコカの葉を
原料に使ったお茶で、売店でも買えるし、
カフェなどに行けばどんなお店でも出してくれます。
ある程度、高山病にも効用があるとのことでした。
実際、今はどうかわかりませんが、
当時ボリビアでは
コカ茶は日本の緑茶のように
一般的なお茶として飲まれていました。
ということで、
とりあえず近くのカフェに行ってみました。
そこでは、多くののお客さんが、
コカ茶を飲みながら会話を
楽しんでいましたが、
私は頭痛がひどかったので
とにかくコカ茶をがぶ飲みしていました。
さらに、近くの売店でコカの茶葉を買って、
ホテルに持ち込んでホテルでも飲みまくりました。
そのおかげで、ある程度頭痛は和らぎました。
しかし、放置するとやばいと感じたので、
ホテルのフロントに行き、病院に行きたいと伝えたのです。
すると、「そんなことより、早めに低地に降りろ」と、
その場で長距離バスの予約をしてくれたのです。
私も高山病が命に関わることは、
中国のチベットで何人かの
日本人旅行者が倒れて入院している姿を見て
知っていたので、すぐに長距離バスでボリビア、第二の都市サンタクルスに向かったのです。
★酸素のありがたさ
バスに乗った時点では、
コカ茶の効果が切れ始め、
また頭痛が激しくなってきていました。
しかし、その頭痛は高度が100メートル、
200メートルと下がるにつれ、
嘘のように消えていったのです。
目的地のサンタクルス市に着くころは、
むしろ日本を出発する前よりも
元気になり、活力が出てきました。
ふつう「病み上がり」は、体が重かったりしますよね。
ところが、すぐにでもジョギングが
できそうなくらい、元気になっちゃっているんです。
回復力が半端ではありませんでした。
酸素、恐るべし!
ユンケルとは比べ物にならない!
まるで、水不足でしおれていた草花が、
水を得た瞬間に茎や葉が
しゃっきっとするのと似たような感じに似ています。
改めて、人間にとって「酸素」が、
どれほど人体に活力を
与えてくれるているものなのかを実感させられました。
この旅を通して、酸素の豊かにある暮らしに
感謝するようになりました。
酸素の存在に感謝できる
気持ちを持っている日本人って、
そんなに多くないでしょうね。(笑)
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