ウインターブルーと、カフェオレと、ストーブと
冬のおこもり時間、ストーブの上のやかんの湯気に心ほぐれる時間。
そんな冬の日々をひとつふたつ。
毎年この時期はメンタルの不調が出やすい。
不調と言っても日常生活に支障ない程度。ただ気分が落ち込みやすく、外出する気になれない日が多くなる。
職場との往復と最低限の用事以外は家にこもる。
ウインターブルーなのだと思う。ウインターブルー?何それ?と言う人もいるだろう。いわゆる冬季うつである。
「うつ」という言葉には病的な響きを感じるのに、「ウインターブルー」と言い換えただけでカクテルの名前か、それとも冷たく冴えた青色かと想像してしまうくらい何やら魅力的なものにイメージが変わってしまう。だから私はあえて「ウインターブルー」と呼んでいるのだ。
日本海寒帯気団収束帯(JPCZ)発生の増加による大雪が近年増え、それに伴いJRやバスの遅延や運休も増えた。通勤に除雪にと生活リズムを狂わされる要素の多い冬はストレスを溜めやすい。
しかしながらウインターブルーのいちばんの原因はなんと言っても日照不足である。私が暮らす日本海側の地方都市は積雪は多くても50cmほどで近年は雪のない時期の方が多いくらい。それでも冬季の日照時間は全国トップクラスで少ない。日照時間が少ないとセロトニンの分泌量が減少するそうだ。セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれ精神の安定や幸福感を高める効果がある。
冬はとにかく太陽が青空が恋しい。恋い焦がれていると言ってもいいくらい。
貴重な快晴の日は途端に元気になり活動的になる。
そう単純明快なのである。
それでもウインターブルーは季節もの。いずれ終わりが来る。寒の入りからしばらく辛い日々が続いても、私の場合2月に入り節分、立春と暦の上の春と足並みを揃えて徐々に回復する。
期間限定とわかるからあれやこれやと工夫しながらやり過ごすのである。
冬のささやかな楽しみの一つがカフェオレの時間。
普段はコーヒーをほとんど飲まない。胃に悪く刺激を与えてしまうので苦手なのだ。紅茶と黒豆茶を飲むことが多いが、冬だけインスタントのカフェオレを愛飲している。
石油ストーブに乗ったやかんがシュンシュン音を立て蒸気を上げる。石油ストーブは部屋全体を充分暖めるパワーはないものの、鍋を温めたりお餅を焼いたりするのに便利だ。赤い炎が安心感とゆったりした空気を生む。
ストーブの前で甘さ控えめのカフェオレを飲みながら頭の中の余計な思考をわずかな時間手放す。
ストーブと言えば20年近く前、爆弾低気圧が発生し広範囲で半日以上停電したことがあった。夏も困るが冬の停電も厄介である。オール電化のご家庭では暖房もつかずお湯も沸かせず本当に困ったそうだ。我が家は石油ストーブがありキッチンはガスなので、この時ばかりは昭和から使い続けているストーブを捨てなくて良かったと喜んだ。事実この停電騒動後、石油ストーブを購入する人が一時的に増えたらしい。
アナログな石油ストーブだがお値段が安くファンヒーターよりも故障しにくい。だるまストーブがかわいい、おしゃれだと人気が出ているようだし、ストーブを囲んで談笑するのも冬ならではの光景だ。
年末年始の華やいだ季節は終わったものの、まだまだ冬本番。
スキー・スノボにグルメに温泉など冬を満喫している人も多いだろう。
私は私の冬時間を楽しもう。
皆様も良き冬をお過ごしください。