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【FX】逆張り防止対策として逆張りとトレンドフォローの利益の理論値を考察する

逆張りは、損切り位置の分かりやすさ、反転した場合の値幅の大きさ、乗り遅れたくないという焦りや天底を捉えたという達成感があり、初級者にとって魅力的なトレードスタイルです。
しかし、魅力的に映るというだけであり、低い勝率やエントリーポイントの難しさなどから、通常は推奨されません。
それでも、私が逆張りしてしまうのは、上記に挙げた魅力のほかに、環境認識のレベルが高くない初級者にとってはトレンドフォローも難しいため、その優位性の差が分かり辛いということが一因としてあると考えます。
そこで、シンプルな値動きをフラクタルの考えを使って作り、逆張りの効率の悪さを数値で把握したいと思います。
やってはいけないと分かっているのに理由をつけて逆張りしてしまうトレーダーには、数値での理解が良い逆張り防止策になると考えます。

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基本の波を作る

できる限り裁量が入らない単純な波で検討したいため、信頼度の高い原理として、フラクタルとN波と半値という考えを使用します。

ルール
1.基準波の期間はすべて同じ1単位とする。
2.波は上昇下降を交互に繰り返す。
3.下降波は上昇波の波高値の半分にする。
4.N波はその上位波の基準波となる。
5.上位波の下降波は半値戻しのN波になる。
6.上位波も2、3、4、5に従う。

このルールで描いた波が下の図になります。青が基準の波、赤がその上位、緑が最上位の波の概念です。
半値押しで高値更新するだけという、シンプルなルールであるのにフラクタルの考えを導入しているため、複雑な形状になっているのが分かります。
特に、
・小さなダブルトップで逆張りショート
・ラストの押し安値割れでトレンド転換ショート
・上位ダブルトップ右肩下がり完成期待ショート
・上位ブレイクだまし後ダブルトップ期待ショート
など、私の経験として逆張りで良く失敗するパターンがあるので、検証用につかえそうです。

これが上昇トレンドのチャートとはいえ、ショートで利益をとることはできます。上昇波のみを全て足し合わせた値は9.5であり、下降波では-6.125なので、値幅だけで考えるとショートでもロングの2/3程度の利益の余地があります。このロングとショートの利益の余地を数値として表現するため、ルールを決めてトレードした場合について考えます。

トレンド波での利益

このチャートでトレードすると想定して、エントリーポイントを下記のように決めます。
・ロングは、最高値を更新したところ、損切りは直近安値
・ショートは、ダブルトップ(右肩上がりも含む)のネックラインを割ったところ、損切りは直近高値
図中の青丸がロング、赤丸がショートポイントになります。
左端から開始して右端に到達したら終了、各トレードは損切りか右端に到達すると決済とします。

このルールだと、以下のような結果となりました。

ここで、最大総利益とは、各エントリーポイントが損切りされない範囲で最大に利益が取れた場合の合計です。
最大利益率とは、上昇波、下降波それぞれの合計の高さに対して取れた最大総利益の割合を示しています。
つまりこの差は、同じ高さの波に対する利益の取りやすさの違いとなります。
このように定義すると、トレンドが発生している場合のトレンドフォローは逆張りより利益が取りやすい(3.3倍)と表現できます。

実際のチャートは、この作った波ほど規則的ではないですが、それはもともと複雑な天井圏での逆張りがより複雑になっているということであるので、トレンドフォローの分かりやすいエントリーポイントの優位性は実際のチャートではさらに高くなっているはずです。

反転波での利益

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