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あのこじゃないと、だめなんだ②

  あのこは我が家のわんこになってくれた。3人のちびっこ達に、かまわれ、遊ばれ、世話されて、大きなトラブルもなく、無駄吠えもせず、指示も理解してくれて、なんてえらいこ!
   ただ、子犬の頃に他のわんこ達との関わりが少なすぎて、人間大好き犬見知りわんこになってしまったのが、申し訳なかったな。

  キャンプ場でドキドキキャンプ、湖でいきなりのダイブ、ぎゅうぎゅう車中泊、毎日ののんびり散歩、たまに大きな公園に遠征、実家への帰省。いつもどこに行くにも一緒に、場合によってはおとなしくお留守番してくれていた。

  家族のまんなかにいるのが当たり前で、生活の中心にあのこはいた。時には静かに寄り添い、バタバタ遊びながら元気を分けてくれたり、自分の話を聞いてもらう家族もいた。私はその毛並みを触らせてもらうだけで、幸せで、心が落ち着いた。
  お互いの言葉がきちんと通じるてわけないのに、人間と犬なのに、心の中では、どこかわかりあえてる、そう感じる瞬間がたくさんあった。

  そんな元気だったあのこにも、病院にお世話になることが何度かあった。
  一度目は、腹部を触るとなにかあるなと受診して、発覚。内蔵に謎の血のかたまりがみつかり、切除したが、その後は元気。原因不明。
  2度目は、出産をする予定がなく避妊手術もしていなかったため、子宮蓄膿症となり、手術した事。主治医に忠告されていたのに、こちらの都合で先延ばししていたため、辛い思いをさせてしまった。反省。その後は元気。

  いろんな経験をあのこにさせてもらいながら、私たち家族は成長し、それぞれが色んな方向に芽を出したり、飛び回ったり、じたばたしたりしていた。
  末の娘は高校入学から寮生活、その後大学進学で本州の真ん中辺りへ。音楽活動で日本中を飛び回ってた真ん中の娘は便利な場所へ一人暮らしと、何年かのずれはあるものの家を離れた。

  ちなみに、あのこの中で家族内序列があるらしく
     私(ご飯くれる)→夫(散歩つれてってくれる)→
    長男(優しい)·次女(逆らえない)→長女(心配なタイプ)
  なぜか長女に対してあのこは自分の方がお姉さんだと感じてるようだった。わんこ、面白いな。


  何日か家に戻らなくても、帰ってくるのがわかっていたから、さみしがったりしていなかった。しかしそれが、長い期間になると、「え、もしかして帰ってこない?」と感じたのか、しょんぼりする、元気がなくなる、残ってる家族に甘えるなどの行動をみせていた。そんな様子をみて、私もさみしさを共有してもらっている気持ちになった。
  なのに娘たちが何ヵ月か後に帰省すると「お、帰ってきたのね」と、余裕顔をして出迎えをする。それは、離れて暮らす家族に心配をさせまいという健気なわんこ心だったのだろうか。

   …③につづきます⭐️

  


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