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あのこじゃないと、だめなんだ①

  17年家にいてくれていたわんこが、老いて辛そうだった肉体を脱ぎ捨てて、虹の橋をおそらくわたっていきました。 
  ぽっかり穴の空いた心を整理するため、ここに書き残しておこうと思います。

  ───季節は初夏、ふらっと家族で行ったいつものペットショップで、夫である相方が出会ったミックス犬。気づいたら相方はその子をだっこしていた。いつもなら店員さんにすすめられても抱っこなんて断るのに…。子どもたちとその様子に驚いた事を覚えてる。

  わんこは、いつかきてほしいと思っていたが、子育て真っ最中でドタバタしていたので、「今は飼えないよねー」と諦めるのが常だった。…が、この時の相方は違った。  帰宅後から、深いため息を頻繁に吐く。ふとした時に「あのこ、もう誰かのおうちに行ったかな…?」と独り言。片想いの女子さながらの恋煩い具合。
 
  この頃はまだミックス犬は流行っていないなくて、価格も血統書つきわんこの半額以下。なんとか出せない金額ではない。が、ご飯だ、病院だ、なんだで月々の出費も増える。今、どんどん成長する子どもら3人を食べさせながら、わんこも育てる…できるのか?
  しかし、そんな不安よりも、相方の情緒が不安定で家の中の空気を沈ませられる方がきついかった。ため息をこれ以上聞いているのも辛かった。

  そんな相方は酒、タバコ、ゲーム以外に出費をしないタイプ。それ以外に欲しいとなるものは、たいてい色んな意味で大きな物だった。車、家、家具…これだと思ったら諦めない。今回のわんこも、同じだろうと感じた。

  そして、そのこは可愛かった。一般的な人気のある犬種にはないブサカワで愛嬌のある特別な魅力があった。 子どもたちもきっと喜んで迎えてくれる。
  私も相方も子ども時代に実家にて、犬と暮らした経験がある。どちらの家もある意味しつけは失敗してたので、それを反面教師にして、本などで勉強しながらなら…。そして相方のため息を聞かないですむなら…。

  「よし、あのこ飼おう」私は約3日後、相方に伝えた。相方の精神面はギリギリだったに違いない。
  「いいの!?」の返事とキラキラの表情で答え合わせ完了。 さあ、お店に行こう。

   ②につづきます⭐️


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