最近の記事

言語を学ぶということ。

中学に入ったあと、英語が絶望的にできなかった。 試験ではいつも赤点ギリギリだった。原因ははっきりと自覚していた。 何しろ、「文頭のアルファベットは大文字にする」「文末にはピリオドを打つ」といった基礎的なことを、まるで覚えようとしていなかったのだ。 というか、「そんなの覚えなくていいでしょ!」と意地にも近い、謎の自信に満ちていた。あえて無視しようとしていたような気さえする。 小学生時代、周囲よりほんの少しだけ英語に触れる機会が早かったし多かった。(とはいえ帰国子女のような圧

    • どこかの街にいる、だれかを思うこと 

      フランス語を学ぶ大学2年生だったとき、初めてフランスへ一人で渡り、1か月地方の農村で住み込みのボランティアをしたことがあった。 その1か月自体もとても濃密ではあったけど、それを凌駕する記憶となったのは、帰りのシャルルドゴール空港でホットチョコレートを飲んでいた時のことだった。 ぎっしりと詰まった重たいバックパックを預け、保安検査場を通過し、あとは搭乗案内を待つのみ。 お金のない学生だけど、無事にフランス滞在を終えようとしている充実感と感傷的な気持ちが相まって、空港価格の高価

      • 選択に選択を重ねたあとの現在地

        水のある場所が好きだ。 育ったのは、住みたい街ランキングで大人気の横浜だった。 振り返って青春時代の記憶をたどると、観光客に大人気のおしゃれなエリアを背景にしたものばかりだ。定期試験明けに映画を観に行くのが楽しみだったみなとみらい、特別な時に家族で食事に行くおしゃれな元町、モノと活気にあふれ常ににぎやかな中華街駅、異国情緒あふれる関内。 でも、日常から見える暮らしはけっきょく、そこそこ便利だけどこれといった特徴のないベッドタウンの、なんてことのない景色の積み重ねだった。

        • 3日坊主の挑戦

          SNSというものに初めて触れた記憶は、大学生のころに周囲で広がったmixiだ。 高校生の頃は、「掲示板」なるものに時間を合わせて友人と待ち合わせてログインし、オンラインでの他愛もないおしゃべりを楽しむことはあった。でも、自分の脳内を言語化し、それを他者にシェアするということは、わたしにとってmixiが初めてだった。 書いてみると、けっこう自分の考え方の癖が見えて、それは自分自身を知るためにはよかった。人見知りでいつもリアルでのおしゃべりの後に脳内反省会を繰り広げる性分のわた