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【ピーチ航空でマスク着用拒否】「マスク着用」のマスクの定義は?

ロッシーです。

ピーチ・アビエーション機内で、乗客の男性がマスク着用を拒否して大声で客室乗務員を威圧したため、新潟空港に臨時着陸して男性を降ろすトラブルがあったとのこと。

その乗客が大声をあげて威嚇したため、機長が機内の秩序を乱す安全阻害行為があったと判断したようです(本当の事実関係がどうなのかは不明ですが)。

「ええ!マスク着用でそこまでやるんかい!」

と思ったのですが、よくよく見ると、今回のトラブルは、その男性の威嚇行為が直接の原因です。マスク着用をしていないから降ろされたわけではありません。

つまり、マスクは単なる「きっかけ」にすぎないわけです。

でも、やはりマスク着用のいざこざが、ここまでの問題に発展する可能性があるわけです。

今後、マスク着用のプレッシャーはますます強まることでしょう。

マスク着用拒否が安全阻害行為になるのか?

もしも、マスク拒否をした男性が冷静で紳士的な態度をとりつづけたらどうなっていたのでしょうね。

その場合、威嚇行為はないわけです。つまり安全阻害行為とはなりません。

それでも、マスク着用をしない ⇒ 感染させる可能性が高まる ⇒ 安全阻害行為になる という判断をされるのでしょうか?

マスク着用をしないことを安全阻害行為とみなすのは、ちょっと普通の感覚では難しいと思いますし、そこまですることはないだろうと思います。

もしそうするなら、機内でのドリンクの提供は絶対に禁止ですよね。マスクを外さないと飲めないわけですから。

機内でドリンクを提供することは、航空会社が安全阻害行為の誘因行為をしているともいえるわけです。

ハンカチで代用したらどうなるのか?

まあ百歩譲って、マスクを着用しないことも安全阻害行為にあたるとしましょうか。

そうすると、機内では絶対にマスクをしなければならなくなります。

でも、もしも機内に入ってからマスクを忘れたことに気が付いたり、どこかになくしてしまったらどうなるのでしょうか?

その場合、自分が持っているハンカチで口元を覆い、銀行強盗スタイルにして頭の後ろで結んだらそれで問題ないのでしょうか?

または、厚手のタオルハンカチなどで口と鼻をずっと押さえていたらどうなのでしょうか?

つまり、ここで言いたいのでは、

「マスクの定義ってなんなの?」

ということです。

典型的な市販されているマスクだけをマスクと呼ぶのか?

それとも、マスクと同等の機能を実質的に果たしているのであれば、ハンカチでもバンダナでも布切れでもいいのか?

ということです。

市販されているマスクじゃないとダメ!

というのであれば、例えば顔のサイズにあっていない小さな市販のマスクをしていたらどうなのでしょうか?

小さいマスクのため、口だけしか覆えずに鼻がむき出しになっている人は、マスク着用の条件を満たしているということでよいのでしょうか?

鼻からの呼吸がノーガードな人と、きちんと分厚い生地のハンカチで口元を覆っている人と、どちらが他人に感染させるリスクが高いのでしょうか?

普通に考えれば、前者のほうがリスクは高いですよね。

ということは、形式的に「市販のマスク」をしていればいいというわけでもなく、「実質的に口及び鼻からの呼吸をガードする機能」を満たすものを着用しないといけないことになります。

となると、「マスク着用」という言葉における「マスク」の意味は、単なる市販のマスクにとどまらず、ハンカチなども含むように拡大解釈をする余地があるのかもしれません。

「定義を問う」という交渉スキル

「そんなことどうでもいいよ!」

と思う人もいると思いますが、もしも自分が飛行機に乗っていてマスクがなかったとき、この考え方は使えます。

「お客様、失礼ですがマスクの着用をお願いできますでしょうか?」

とCAから突っ込まれたときに、以下のように対応することができるでしょう。

「大変申し訳ありませんが、マスクを忘れてしまいました。その代わりに、機内ではずっとこのハンカチで顔を覆うようにいたします。それで通常のマスクと機能は同じだと思いますが、ダメでしょうか?もしダメなのだとすれば、これは航空法上の安全阻害行為に該当することになるのでしょうか?もし該当するのだとすれば、その根拠についてもお示しいただけると幸いです。」

と、冷静に議論をもちかけることもできるでしょう。

まあ、いってみれば交渉スキルの一環です。

何かが問題になっているときに、その何かの定義はなんなのか?ということを議論の対象にするというやり方です。

ぜひ窮地に陥ったら試してみてください(笑)。

結局マスク着用なんてテキトー

それにしても、マスク着用なんてけっこういい加減なものです。

暑いからといって、薄型のマスクが流行っていますが、あれでは呼吸はほとんど筒抜けですよ。ガード機能はありません。

そんなものをつけているかどうかで、感染リスクに何か実質的な違いがあるのでしょうか?おそらくないでしょう。

結局は、「とにかくマスクをしていればいい」「マスクをしているように見えればいい」というだけの話なのではないでしょうか。

本当にマスクが重要だと思っている人はどのくらいいるのでしょうか。周囲の同調圧力が強いから、「面倒なんでとりあえずしておくか」くらいのものではないでしょうか。

「たかがマスクなんだから」は危険

今回、マスク拒否をした男性に対して「マスクすればいいだけなのに面倒くさい奴だな!」と思う人は多いでしょう。

でも、大事は小事から起こります。「たかがマスク」から始まるんです。それがエスカレートすれば、今度は服装になり、最終的には思想統制に行きつくんです。

基本的に、現代社会においては、人に何かを強制するにはそれなりのきちんとした法的根拠がなければいけません。同調圧力で強制するのは中世の魔女狩りと程度の差はあれ同じです。「たかがマスク」であってもそれは同じです。

「マスクをするのが当たりまえだ!」という正義の名のもとに周囲にそれを強制することはある種の快感があるのかもしれません。

でも、それって自分の快感を満たすためにマスクを材料として使っているだけではないでしょうか。

今回のピーチ航空の事件は、自分の本音にマスクをせず、マスク着用についてきちんと考えるいい機会だと思います。

Thank you for reading !

【加筆2020.09.14】北海道エアシステム(HAC)で、マスク着用拒否が安全阻害行為と判断されたようですね。それに関しても記事を書きました。↓↓↓


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