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半沢直樹という怨霊

ロッシーです。

ドラマ『半沢直樹』が終了し、「半沢ロス」になっているなんていうニュースもありました。

それほど面白いドラマだったことは間違いないと思います。もちろん、現実にはほぼあり得ない話でしたけど。

ほとんどの人は、半沢直樹の立場にたってドラマを見ていたと思います。

でも、逆の立場(半沢に倍返しされる立場)からみると、それはそれで面白いですよ。

半沢は怨霊です

私は、半沢は怨霊だと思っています。

「え?何をいきなり?」

と思った人もいるかもしれませんが、日本において怨霊というものは文化的に欠かすことのできないものです。

崇徳上皇、菅原道真、平将門、源氏物語の六条御息所などなど・・・

そういった怨霊の存在は、当時の人達にとってはリアルな存在でしたし、それらの怨霊から逃れるために、様々な鎮魂のための祭りや神社が設けられ、それらはいまでも存在し続けているのです。

天満宮なんて、まさに菅原道真を祀っている神社ですし、大手町にはいまでも将門の首塚が残っています。

半沢も、それらの系譜につらなる存在だと思うのです。

「半沢は生きているんだから怨霊ではないでしょ?」

いやいや、怨霊というのは、生きていようが死んでいようが関係ありません。生きている人間の恨みが、他の人間を殺すと昔では本当に信じられていたんです。だから「生霊」っていうでしょう?

半沢は現代の怨霊

何か祟られるようなことを半沢にしてしまうと、その人は「倍返し」されるわけです。

だから彼は現代の怨霊なんですよ。

サラリーマンだったら、上司に理不尽なことをされても、ほとんどの人はぐっとこらえて耐えるのに、彼は違います。

きっちり倍返ししてきます。しかも、絶対にうやむやにしません。そう考えたら、メチャクチャ怖いですよね。祟られたら終わりなんですから。

自分がもしも半沢の上司だったら、はやく別の部署に異動してほしいですね。まあ、普通に仕事をしていれば問題はないのかもしれませんが、何がトリガーとなって祟られるかわかったものではありませんから。

彼は、どんなに土壇場で不利な状況になっても逆転する根性とスキルをもっていますし、島流しして子会社に出向させたって、結局本店に戻ってくるし、どうしようもないわけです。

怨霊として優秀このうえない存在、それが半沢です。

なぜ今回のシリーズで大和田は味方になったのか?

だから、大和田だって今回のシリーズでは味方にまわったんです。

もっと正確に言えば、半沢という怨霊に祟られないように大和田は半沢を祀っているといったほうが近いかもしれません。だから協力をするわけです。

大和田は、前回のシリーズで半沢の怨霊としての恐ろしさに気が付き、これは逆らってはいけないと思ったのでしょう。

もちろん、外見上は強い態度をとっていますが、それはあくまでもポーズにすぎません。半沢の恐ろしさを一番わかっているのは、前回土下座という罰を食らった彼にほかならないのです。

二人に友情などない

ラストシーンで、大和田は銀行をやめようとする半沢をひきとめるために、半沢の言質をとりあげ、「絶対にやめるなよ!」という風にもっていきました。そして、あえてそのような演技をしている大和田のことを分かっている半沢が最後に浮かべる笑みでドラマは終了。

あれは、二人の友情でもなんでもないと私は思っています。怨霊に対して友情を抱くなんて無理ですからね。

大和田は、早く半沢という怨霊から離れたかったんですよ。銀行にとどまっていれば、半沢との関係を断ち切ることはできません。

だから、半沢を東京中央銀行に地縛霊として居続けさせて、自分はそこから逃れたかったのだと思います。

最後の大和田の涙は、実はうれし泣きだったのかもしれません。


と、視点を変えると半沢直樹ってこんな捉え方もできるよ、という記事でした。

「くだらない!」と思っても恨まないでくださいね(笑)。

現代でも怨霊はいるのですから。

Thank you for reading !



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