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『二階堂地獄ゴルフ』って実際どうなの? ゴルフ好きじゃないけど読んでみた感想

【寝正月で出会った衝撃作】『二階堂地獄ゴルフ』に人生のすべてを見た

あけましておめでとうございます。
2025年はまさかの寝正月スタートとなってしまいました…。

年末年始はゆっくり過ごそうと思っていた矢先、風邪を引いてしまい、自宅で静養することに。 そんな中、Kindle Unlimitedでたまたま見つけたのが、福本伸行先生の新作漫画『二階堂地獄ゴルフ』でした。

『カイジ』や『アカギ』などで知られる福本先生の最新作!(といっても、2023年からの作品ですが……)
私はこれまでゴルフ漫画には全く触れてこなかったので、「ゴルフ」とタイトルにあるだけで、自分とは縁遠い世界の話だと思い込んでいました。

しかし、いざ読んでみると…これがもう、めちゃくちゃ面白い!
ページをめくる手が止まらず、あっという間に最新刊まで読んでしまいました。
Kindle Unlimitedで読めるのは1巻だけだったので、続きが気になりすぎて、全巻購入してしまいました(笑)

10年プロテストに落ち続ける男の物語

「二階堂地獄ゴルフ」は、ゴルフそのものよりも、10年プロテストに落ち続けている主人公・二階堂進の葛藤がテーマになっています。

35歳になった二階堂は、10回もプロテストに落ち続け、周囲の目は冷たくなる一方。
かつての後援者たちからも、次第にうとましく思われていきます。 さらに優秀な後輩の登場により、彼の立場はますます危うくなっていく…。

そんな状況に焦りながらも、成績は伴わず、二階堂はプロテストに落ち続けてしまうのです。
「こんなことやってて何になるんだ」と思いながらも、
「この歳でほかに何ができるんだ」という 絶望感が、彼を苦しめます。

夢を追う人も、夢破れた人も、「二階堂地獄ゴルフ」には、きっと共感できる何かがあるはず。
もっと多くの人に知ってほしい、そんな気持ちでnoteに感想を投稿します。

ネタバレ注意!「二階堂地獄ゴルフ」の魅力をさらに深掘り

ここからは、ネタバレを含みますのでご注意ください!

① 月日が経つのが速すぎる

「二階堂地獄ゴルフ」の特徴の一つは、月日の流れが尋常じゃないほど速い ことです。
1ページで2~3年が経過することも珍しくありません。

1巻で35歳だった二階堂は、5巻時点では48歳になっています。
つまり、 13年間ずっとプロテストに落ち続けているわけですッ……。

毎日変わらず練習して、年に一度のプロテストを受けて、落ちて……という日々が、あっけなく過ぎていく様子が描かれています。
この 妙な無力感こそ、「二階堂地獄ゴルフ」の大きな魅力の一つと言えるでしょう。

② みんなうまくいっていない

この漫画では、人がうらやむような成功者は登場しません。
どの登場人物も、 それぞれに悩みや葛藤を抱え、うまくいかない現実と向き合っています。

スポーツ漫画にありがちな、主人公より強くて、先のステージで待っているライバルもいません。
誰もが 人生の壁にぶつかり、もがき苦しんでいる。そこに妙な現実感があり、読者は物語に引き込まれていくのではないでしょうか。

③ 全てを捨てているからこそ魅力的

「二階堂地獄ゴルフ」は、「人生でひとつ 死ぬ迄にひとつ」という言葉から始まります。
人生で何か一つを成し遂げることができれば本望ですが、それは容易なことではありません。 そして、 一つにすべてを捧げて生きることは、さらに難しい……。

48歳になってもプロテストを突破できない二階堂の姿は、情けないけれど、どこか魅力的です。
なんの成果もあげられていないのに、 すべてを捨ててゴルフに賭けているからこそ、二階堂の姿は読者の心を掴むのかもしれません。

今後の展開に期待!

「何かを成したい」「けど、何物にもなれない」という、中年男性の葛藤を描いた『二階堂地獄ゴルフ』。
しかし、3巻から物語が急展開を見せます。

なんと、二階堂の妄想が生み出したと思っていた小人が、時を戻す能力を持っていることが判明しますッ……。
私も福本先生の作品をすべて読んでいるわけではないのですが、おそらく超自然的な能力を持つのは今回が初レベルではないでしょうか?

おそらく、やり直しのきかないゴルフを人生に見立て、「もしも人生をやり直せたら…」というテーマが、今後深く掘り下げられていくのではないでしょうか。

時を戻す能力を手に入れた二階堂は、一体どうなるのか?
今後の展開から目が離せません!

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