ゆきえ

乳がん闘病中です。2年前に右胸全摘。小学生、中学生の息子とトイプードルの男の子の母です。「現代川柳」77号からの誌友。川柳初心者です。川柳、随筆、詩などが好きです。

ゆきえ

乳がん闘病中です。2年前に右胸全摘。小学生、中学生の息子とトイプードルの男の子の母です。「現代川柳」77号からの誌友。川柳初心者です。川柳、随筆、詩などが好きです。

最近の記事

最近詠んだ川柳

9/5㈰FM宝塚「川柳の時間」で 木蓮の好きな父いて空高し  を講評して頂けました。他の方の講評も聴けて、本当に楽しく勉強になります。 木蓮を見ると父を思い出します。 本を読む花野に遊ぶ心地して 詩の泉湧き出るような良夜かな

    • 抗がん剤の後の髪の毛と体力の補い方

      抗がん剤が終わって一年半になる。髪、眉、睫毛、一本残らず抜けた。やっと生えてきたのは、グルグルの癖の強い髪。鏡の中の自分は「誰?」伸びてきたら、帽子もかぶれなくなるほど爆発状態。体力は以前の半分くらい…。こんな人がもし私以外にもいたら、と思って書くことにした。私を救ってくれたのは、なじみのなかった縮毛矯正だった。帽子なしで外出できるまで、一ヶ月に一回美容院で整えてもらった。可愛い若い美容師さんと相談しながら、この過程で少しずつ社会復帰できたと思う。ずっとロングだったから、あま

      • 「FM宝塚 川柳の時間8/15」

        楽しみにしているラジオ「川柳の時間」に投句するために、大学ノートに下書きしていた。 「氷」しりとりバージョン ○初恋は宇治金時のかき氷 ○薄氷を踏んで素知らぬ振りで朝 ○朝が来る淵より戻れ悲しみの 「赤」バージョン ○歩みゆく深紅の薔薇を血で描いて ○歩くたび紅い血の跡人魚姫 ○炎天下咲く緋ダリアに振り返る 投句したのは「氷」の3句で、かき氷を取り上げて頂けた。季節に合っていたからだろうか。 私の句の中に、私が住んでいますように。一行詩でありますように。心を打つも

        • 川柳

          「現代川柳」77号からの誌友になり、書きためた川柳。 日が昇る母性だけではない私 死にますかいいえ誰でも揺れる花 限りある時間であれば花時計 急だけどほんとはずっと好きでした 日よ沈め夜の帳(とばり)に月や星 病床の漆黒の闇月光る 月尊命(つくよみ)は清らに照らす病める日も いつまでも傘でいたいよ子どもらの いまいちの料理も子らは笑ってる 白牡丹後(あと)幾年(いくとせ)かまた会える また会えた光に満ちた芍薬に まぶしいな山のあなたの空遠く 更衣え夢に風入れ陽に当てる  須

          『新・何がなんでも作家になりたい!』鈴木輝一郎を読んで

          大事な箇所をMEMOに残したら、原稿用紙換算で11枚になった。著者の他の作品も読んでみたい。                         知らないことばかりで、とても有り難かった。

          『新・何がなんでも作家になりたい!』鈴木輝一郎を読んで

          『図解 遠野物語の世界』

          「遠野物語」を読んだ怖さと違和感が消えない。図解〜の写真がどんなに美しくても、綺麗事ではない民話、その底辺を流れているであろう子殺し、姥捨、気に入らない嫁や婿殺し…様々な話の断片が頭から離れない。ほんの数百年前に起きていた実話。遠野だけではなく、各地で起きていたであろう…考えると現代に生まれて良かった。 「遠野物語」は不思議な伝承を集めたのかもしれないが、貧しさ、飢え、戦乱、残酷性、理不尽、暴力、拉致監禁、男尊女卑…今でも世界の至るところでまだある問題のるつぼ。閉塞感と絶望的

          『図解 遠野物語の世界』

          『遠野物語』柳田國男を読んで〜土とふるさとの文学全集より

          遠野のトーはアイヌ語の湖の語からだろう。昔は一円の湖水だった、というのが興味深い。まず連想したのは泉鏡花。民家の娘がさらわれて(神隠し)、恐ろしい人の妻にされる。その人の目の色は少し違う。(漂流してきた外国人?)母一人子一人と姑の家。嫁と姑の仲が悪い。孫が祖母を鎌で殺す(家庭内暴力?)オシラサマはアイヌにもこの神がいる。ザシキワラシは十二、三歳の童子。この神の宿る家は豊かになり、出ていった家は没落する。長者の家でキノコにあたり、七歳の女の子を除いて全滅した後、遠き近きの親類が

          『遠野物語』柳田國男を読んで〜土とふるさとの文学全集より

          最近読んだ本

          『恋歌』朝井まかて 樋口一葉の歌の師匠に焦点をあてたのは良いと思う。牢の中の描写が最も生き生きと感じる。天狗党の残党はかくも残酷に扱われたのか。樋口一葉や門下生をもう少し書いてほしかった。残念ながら私には退屈。 『遠野物語』を歩く 講談社カルチャーブックス 『遠野物語』を読むために、カラーの写真で勉強。遠野に住んでいるわけではないが、見えないものを感じるDNAは理解できる。先祖代々何かを祀るのもそれ故か。 『日本語力がつく漢詩100篇』守谷洋  一番心に残るのは菅原

          最近読んだ本

          『日本近代詩鑑賞』明治編 吉田精一 を読んで

          島崎藤村の詩を読むと、音楽を聴いているようだ。与謝野晶子の歌もそう思った。 美文調の詩は難しく、私の手に余る。漢詩の方がずっと好きかも…??

          『日本近代詩鑑賞』明治編 吉田精一 を読んで

          『漢詩のこころ』日本名作選 林田慎之助 を読んで

          菅原道真 京に妻と娘を残していて、帰れると思っていたんだな。右大臣まで登って、誰も守る人はいなかったのかな。 武田信玄 薔薇を愛し、詩人であったのが面白い。疾きこと風の如く〜の風林火山の旗は、『孫子』軍争篇の言葉。快川禅師の筆によったもの。 独眼竜伊達政宗 残るのは漢詩九首にすぎないが、戦国武将の中で、叙情性の豊かさにおいて際立って優れているそうだ。 良寛 〈良寛の詩は美麗な作とはいえない。〜しかし素朴なことばであるが、そこには素直なこころの表現があった。自分のこころの

          『漢詩のこころ』日本名作選 林田慎之助 を読んで

          FM宝塚「川柳の時間」

          5/2㈰FM宝塚「川柳の時間」で 「白牡丹後幾年(いくとせ)かまた会える」を読んで頂いた。ブログでは 今月の気になる作品 お読みしなかった句への講評 「友浮かぶ妍を競わぬ野の花に」 =野の花のようなご友人なのですね。  野の花を見て心が動き、それがご友人を思わせたのなら、  以下のようにされるといいかもしれません。  「野の花や妍を競わぬ友のあり」 と講評までして頂いた。嬉しくて、ますます詠もうと思う。しかも、うっすらと違和感を感じていた句を直して頂いて、と

          FM宝塚「川柳の時間」

          FM宝塚ブリーズサンデー「川柳の時間」

          5/2㈰ブリーズサンデー川柳の時間に投句した。 追い続け陽炎のよう夢遥か 白牡丹後幾年(いくとせ)かまた会える 友浮かぶ妍を競わぬ野の花に  茉莉亜まりさんが、白牡丹の句を講評して下さった。私は白牡丹にあと何回会えるかな、と詠んだが、それ以外に白牡丹を大切な人に見立てても良いですねと素敵な解釈をして世界を広げて下さった。  川柳を詠むのも、講評を聞くのも、素晴らしい先達に学ぶのはとても楽しい。他の方の句とその講評も私には貴重な勉強時間だ。ラジオをまた聞いてノートを取りたい

          FM宝塚ブリーズサンデー「川柳の時間」

          今日の川柳

          迷宮を抜け出て見れば光る雲 梨花一枝淡く散りゆく心奥に 時空超え出会う定めの十七字

          今日の川柳

          漢詩入門 はじめのはじめ安藤信広を読んで

          「漢詩はむずかしくない」とやさしい語り口で教えて下さる本。   「つきはなすこと」 〈悪戦苦闘〜そこで終わらずに、そうである自分をつきはなして見る。そういう目を持つことなしに、詩は生まれません。   表現者としての自分を、いつも自分の中に育てているか、いないか、です。〜詩は天啓です。〜けれどそれは、表現する者としての長い修練と努力が、ある瞬間に実を結んだ場合のことを言っているのです。文学にかぎっていえば、みずから啓示を求めないものに、啓示はおとずれないのです。〜表現しようとし

          漢詩入門 はじめのはじめ安藤信広を読んで

          茉莉亜まりさんラジオ御出演

           「雫が海となる神話」を上梓されている茉莉亜まりさんが、さくら🌸FMという西宮のコミュニュティFMの「Cafe@川柳アラモード」に御出演されました。そこで私が好きな句ですとお伝えした 死に向かう花であなたはうつくしい 花に嵐 生き続けるも散るも修羅 生きるから愛また愛というカノン の三句をとりあげて下さいました。また、心のこもったメッセージも頂き、嬉しすぎて泣きそうです。ラジオを録音したので、永久保存です。  三句目は「どんどん愛がつながっていくような」とお話されていて、や

          茉莉亜まりさんラジオ御出演

          現代詩入門 吉野弘 を読んで

           祝婚歌の〈正しいことを言うときは〜〉の句が印象的だった吉野弘さん。母方の実家、山形県出身の詩人ということもあり、気になっている。 「漢字喜遊曲」 吉野弘 母という字は 舟に似ている。 すこし傾いた小舟のよう。 愛の荷物を積みすぎているせいでしょうか。 辛いという字は 幸いに似ている。 似ていて違うのがつらい。 何という一文字を知れば 幸いになれるのでしょう。 〈略〉  子育てが重荷と感じる日は、自分が「舟」だからと思おう。辛いときは何という一文字を知れば幸いになれ

          現代詩入門 吉野弘 を読んで