ゆめいろタウン
淡い紫と桃色と水色が溶け出した空に
灯り始めた街灯が散りばめるキラキラとした光
指で引っ張った綿菓子みたいに
すうーっと伸びた白い雲
いちご味とバナナ味とバニラ味のシェイク
ちょこんと乗った三角屋根に愉快な看板
彩られたウィンドウに並ぶのは
ドレスとお菓子とあの子に贈るプレゼント
石畳みの坂を登り切った先に聞こえるのは
チリンチリンとなる鈴としあわせな歌
彼女と一緒に彼と一緒に
名前も知らないあなたと一緒に
顔を思い出せなくても
匂いを思い出せなくても
弾んだ話と止まらない足と
楽しかった思い出は永遠に
夜が来るまでもう少し
目が覚めるまでもう少し
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