⑤どんどん変わる興味
こんなふうになってから、
気づくなんて、ばかな母親だ。
これまで息子は笑顔いっぱい、すくすく育ち、
本当に幸せで、私に生きる気力を与えてくれた。
それまではなんとなく生きてきた私だが
家族とかけがえのない時間を過ごそうと思った。
ツンデレな態度しか
取れないい自分だったが、姑にも優しくしようと思った。
そんなふうに思わせてくれたのも、
息子のおかげ。
だと、思っていた・・・
思い出せば、子供の頃からサインはあったと思う。
私が気づかなかっただけ。
私の責任はとても大きいと思う。
私の仕事はイラストレーター兼作家。だからなのか、
息子が絵の具セットやスケッチブック、ペンシルセットが欲しいと言えば、買ってあげた。小4で少し早いかなと思ったけど購入した。
一月で飽きた。
次に、息子は彫刻に興味を持ち、彫刻用の粘土や道具を欲しがった。これもまたすぐに飽きてしまった。
犬が欲しいと言った。一人っ子だったので、小さいものや弱いものも同じように尊いということを知って欲しかった。
本人はネットで犬について調べていた。彼の興味は常に移り変わっていたが、その一方で、彼の心の中では何かがずっと囁いていたのかもしれない。
一人っ子だったし、小さいもの弱いものも同じように
尊いということを知って欲しかった。
お年玉の管理を自分でさせ、少しだったけどお金も出させ1年後にシーズーを迎えた。
面倒を見るというより、遊び相手でよく可愛がっていた。
スキーやスノボ、スケボーにも興味を持ちやらせた。
こちらはどちらも、そこそこやっていた。
走るのが苦手で、球技や大縄跳びはヘマをして、
向いていない。
なので、少しでもスポーツに興味を示してくれて
私はとても嬉しかった。私たち家族も、それに付き合ったり出かけたり
楽しませてもらった。
しかし、この移り変わる興味が、「なんでも思い通りになる」というあまり良くない思考にさせたのかもしれない。それに気づいたのは、息子がもっと大きくなってからだった。何か新しいことに興味を示し、それに没頭するが、すぐに飽きてしまう。そのサイクルが続くうちに、息子の心の中に不安や不満が蓄積されていたのだ。
今振り返ると、息子の変わりやすい興味や、次々と新しいものを欲しがる行動は、彼の内面で何かが叫んでいたのかもしれない。その叫び声に耳を傾けることができなかった私の責任は、重く感じる。
息子の心の声にもっと耳を傾けたらよかった。