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「ふつうの成績」の子の中学受験⑦学校選び〜説明会に行く〜vol.2

学校説明会に申し込む

長男が小学校4年生だったときは、まだコロナ禍の自粛体制が残っていて学校説明会に行くのはとても大変だった。参加者間が密接しないように距離を取るため、定員数が少なく、すぐにいっぱいになってしまう。6年生限定の学校も多く、申し込みを確定することが大変なこともあった。

学校の方も色々対応してくれて、zoomを使って視聴参加できたり定番の説明は動画で流すところも増えているので実際に行く前に見ておくのもおすすめ。ただ、そういった場では直接質問ができないし学校の雰囲気もはっきり分からないので、受験する学校に一度は足を運んだほうがいい。

私は最初は国際フォーラムなどでおこなわれる合同説明会に行ってパンフレットを集めたり、そこで先生たちから話を聞いたりして良さそうな学校をピックアップした。もちろん、塾の面談でも良い学校を教えてもらったりもする。その際、私たち夫婦で、息子にどんな学校に通わせたいかも話し合った。

直接学校説明会に行くー肝は校長先生のお話

学校説明会では大抵、最初に校長先生の話があって、中学受験担当の先生の話があって紹介動画が流れて個別の質問に対応する、と言うのが一般的だ。4月の入学式の様子から1年間の学校生活→クラブ活動の様子→文化祭や体育祭などの盛り上がっている様子がエモい音楽に載せられて流れる。それを見ると、「この学校に通えたら素晴らしい学生生活が過ごせそう」とふわあっと思えるように作られている。けれど正直、紹介動画やパンフレットはどこの学校も「似たり寄ったり」という感は否めない。

最もその学校の特徴がわかったのは意外にも、「校長先生のお話」だった。
それは、初めて行った説明会。登壇した校長先生が仰った。
「公立学校は、その地域に育つ子どもたちが平等な条件で学ぶ場所。でも私学はそれぞれの学校がそれぞれの方針を持っています。どういう教育をして、どういう子供を育てたいか、理念があります。そこで働く教師たちは、その理念に賛同してその学校で働いています。学ぶ生徒たちも、少なくともご家庭がその理念に賛同してその学校を選んでいます。ですからぜひ、たくさんの学校を見て、理念や方針がご自分たちの考えやお子さんと合っている、という学校を選んでください」

なるほどー!と思った。確かにそうだ。それぞれの私立には特色があってなんとなく学校の「カラー」というものがある。それは偏差値とか進学率には左右されず言葉には明確にできないけれど、その学校の佇まいというか雰囲気とも呼べるようなもの。いわば「校風」が合っていなければ、どんなに「良い」とされる学校でも合わない。自分を省みても納得のいく言葉だった。

それから説明会には10校近く行ったと思う。
「我が校では、6年間通して「自分は何者なのか?」「何をするために生まれてきたのか」を問い続け、社会に何ができるかを問い続けます。という話を聞いた時は私が毎週この校長先生の話を聴きたい!と思った。かと思えば、最初から大学の進学実績をアピールする学校もあるし、付属の大学に90%以上は進学できるメリットを押し出す学校もあった。

総じて、偏差値50前後から下の学校は具体的な話が多く(カリキュラムや実績、海外進学率など)偏差値が高い学校は「校風」の話が多かったような気がする。

どういう話をする学校が良い、とは言えない。
ただ、何校か巡っていると「こういう学校に通ってほしいなあ」「うちにはここは合わないな」とわかってくる。
「私立」と一口で言っても、学校はそれぞれ本当に違う。「どこも一緒」という印象にはならない。だから成績や偏差値でキリキリする6年の夏前に、色々な学校を見ておくのがおすすめだ。


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昌子仁香
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