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感情は複雑に地続きだ。感想:映画「お隣さんはヒトラー?」

ちょっと久しぶりに映画を観てきました。

あらすじ
1960年の南米・コロンビア。第二次世界大戦終結から15年が経過し、巷ではアルゼンチンで逃亡生活を続けていたアドルフ・アイヒマンが拘束された記事で賑わっていた。
ホロコーストで家族を失い、ただ一人生き延びたポルスキーは、町外れの一軒家で日々を穏やかに過ごしていた。
そんな老人の隣家に越してきたのは、ドイツ人のヘルツォーク。
その青い瞳を見た瞬間、ポルスキーの生活は一変する。
その隣人は56歳で死んだはずのアドルフ・ヒトラーに酷似していたのだ。
ポルスキーは、大使館に出向いて隣人はヒトラーだと訴えるが信じてもらえない。
ならばと、カメラを購入し、ヒトラーに関する本を買い込み、自らの手で証拠を掴もうと行動を開始する。
正体を暴こうと意気込んでいたポルスキーだったが、やがて、互いの家を行き来するようになり、チェスを指したり、肖像画を描いてもらうまでの関係に。
2人の距離が少し縮まった時、ヘルツォークが、ヒトラーだと確信する場面を目撃してしまう…。

公式サイトより

Amazon プライムビデオで「ヒトラーを追え!」をふんわり観ている私は、ヒトラー生存説があったことを知っています。
そのような説が今よりももっともっとリアルであっただろう時代のお話。

結論から言うとめーーーーっちゃくちゃ良かった!!!!!!

ただし、犬は死ぬし可哀想
(でも、それが仕方のないことだというのも分かるからより切ない。)

ネタバレもりもりで今日はこの映画の感想を書いていきます。

映画の冒頭は1930年代。
丁寧に手入れされた薔薇が咲き誇る庭でのユダヤ人の団欒。
慎ましやかで平凡だけれども彼らが幸せだったことは多くを語らずとも伝わってくる。
一転して、戦後、1960年代の南米。
田舎町でひっそりと一人で暮らす老人ポルスキー。
彼は一見偏屈だけれども静かに孤独に、庭の薔薇を丁寧に世話して生活している。
彼が冒頭、幸せに暮らしていた家族の一員であること、そして彼が孤独に暮らしているのはホロコーストによって家族を失ったからだということが、これまた多くは語られないけれども伝わって来る。
所謂ナチス映画とは異なるアプローチで、「関心領域」と同様にホロコーストの描写はないけれどもまた違うアプローチでホロコーストの事実をこちらに突き付けてくる。


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