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蜂の巣の不思議な幾何学(3):蜂は利己的に生きている?
蜂の巣はただの円
以前、次の記事を書きました。蜂の巣といえば六角形の部屋になっているのが相場だけど、五角形や七角形の部屋というのもあるそうで、それってどういうこと? という話です。
そして次では「ボロノイ図」の法則性があるのでは? という気づきを記事にしています。
そんな折、実は蜂の巣が六角形というのは結果論であって「蜂はただ丸い部屋を作っているに過ぎない」という話をどこかで目にして「はっ!」と腑に落ちた気持ちになりました。
蜂の巣といえば、「安定の六角形」というイメージですが、円が互い違いになっていることで六角形っぽく見えたり、壁が乾く過程でひっぱられて六角形に歪んでいるだけ、ってのは確かにありそうです。
アナログ的シミュレートをしてみた
前回、行ったのはボロノイ図という「平面上に配置された複数の点(母点)を、どの点に最も近いかによって分割した図」を数学的に描いてみたのですが、もっとアナログ的な方法を用いることにしました。
それは、
円を少しずつ拡張していき、隣の円とぶつかったらそこで停止する
というものです。実際に行ってみましょう。
まず、円を次のように並べます。これは、蜂が同じサイズの円を淡々と作っているという意味です。また、下半分は女王バチ用に大サイズの円を作っているというイメージです。上下の比率は約5対3の関係にしています。
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この円を少しずつ均等に大きくしていき、隣の円とぶつかったらそこで止めてみます。すると、次のようになります。
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ちゃんと五角形の部屋と七角形の部屋ができています。これを見て「ボロノイ図ってのは、結局こういうことを論理的に導き出したものなんだな」と妙に納得です。
次に行ってみたのは、大きな円を少し左にずらすとどうなるかです。これは、蜂が円を適当な位置に作ったらどうなるという検証です。
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これも、各円を大きくしていくと次のようになります。七角形の部屋はありませんが、五角形の部屋(青色)が増えています。
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もう一例、下半分の円を小さめにして5対4の関係でどうなるのかを試してみました。
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やはり、比較的きれいな五角形(赤色)と、その下に七角形(赤色の下の角のかけた黄色五角形)の部屋ができています。
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まとめ
以上から、次のような結論になりました。
蜂は、ただ自分の都合のよいサイズの部屋を作っているだけ
部屋が同じサイズであれば、互い違いに作られている限り、それはたいがい六角形になる
途中から部屋のサイズが変われば、そこに五角形や七角形の部屋ができてしまう
つまりは、ただ図形的な性質が現れているだけではないかと思うのですが、どうでしょうか? 言い切るのは強引すぎますかね(笑)。