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DeepSeekの使用はヤバいのか?そのリスクを考える
DeepSeek情報が続々投稿
世界的に話題の中国製AI「DeepSeek」について、続々と情報が配信されています。世の中がそれだけ脅威に感じているということでしょうし、実際すでに大きな影響が出始めているとのことです。
記事1「【謎の天才】DeepSeek創業者 梁文鋒は何者か」
記事2「中国のDeepSeekがAI市場に旋風!」
DeepSeekの問題点
上記記事では、ざっと次の問題点を指摘しています。
1. 超低コストで開発できている、その理由がわからん
DeepSeekは、たった600万ドル(約90億円)で、他の大手AI企業と同じくらいの性能のAIが開発されているそうです。これまでのAIは、開発に数十億ドルものお金がかかっているので、これは驚異的すぎます。実に怪しい。裏で何か不正をしているんじゃないかといったなど疑問視されているそうです。
2. 古いNVIDIAのチップかき集めました
アメリカは、中国が最新の半導体を手に入れられないように規制をしています。そこでDeepSeekは、古いNVIDIAのチップを大量に集め、それを工夫してAIを動かしているらしいです。そのやり方そのものが「規制の抜け道」になっている可能性があり、アメリカがさらに厳しい規制をする可能性があります。
3. DeepSeekの創業者が謎すぎ
DeepSeekを作ったのは梁文鋒(リャン・ウェンフォン)という40代の中国人起業家だそうです。電気工学や画像認識AIを学び、金融業界では知られていましたが、IT業界では無名だった人物。その人となり、活動そのものがよくわかっていないとのことです。
4. AIの仕組みが不透明だし情報偏ってね?
DeepSeekのAIはオープンソースと言われていますが、その学習データやアルゴリズムの詳細が非公開。中国政府の方針に沿った回答をするようになっていると指摘があり、具体的には、政治的な話題などでは意図的に避けた答えを返すようです。偏向が激しいのはいかにもありそうです。
5. 情報漏洩の不安が半端ない
これまでも、中国企業のクラウドには「データが勝手に中国に送られる」という心配をはらんでいます。DeepSeekのAIも同じこと。知らないうちに個人情報や会社の重要な情報が吸い取られたり、どこかに流出する懸念が払しょくできません。
6. アメリカと世界の経済への影響
ダークホースDeepSeekの登場によって、NVIDIAなどのアメリカの半導体関連企業の株価が大きく変動しています。これにより、AI業界全体の投資の流れが変わる可能性がありますね。高額なチップとデータセンターを使ったAI開発から、DeepSeekのような低コストモデルへの転換点だとすると、うかうかできません。これがAI発展に寄与するか、あるいは規制強化といった方向に向かうのか、AI市場全体の問題に発展してきています。
DeepSeekの3つのリスク
これらを前提にしてDeepSeekには次の3つのリスクがあるといえるでしょう。
DeepSeekは、いまのところチャット内容を学習データに転用することが明記されているので情報漏洩のリスクが高いと言わざるをえません。
DeepSeekはリリースされたばかりで、性能が十分検証できていないし、今後どこまでできるかもわからないので、情報の信頼性のほどは承知しておく必要がありますね。
アメリカでは、中国企業のアプリTikTokが国家安全保障上のリスクとして問題視され、政府機関での使用が禁止される事態になりました。TikTokのデータが中国に送られる可能性があるとして、プライバシーや情報漏洩の懸念が高まったためです。DeepSeekも同様に、中国企業によるデータ収集のリスクがあると考えられています。アメリカの規制次第で、将来使えなくなるといったことになるかもしれません。
まとめ
DeepSeekは、安くて高性能なAIを提供しているため、非常に魅力的に見えますよね。しかし、技術背景が不透明だったり、情報統制の影響やセキュリティリスク、アメリカの規制の可能性など、先行きがどうなるかわからないというが最大の問題です。
結論としては、企業が業務で導入するのは性急すぎますし、将来的にもコストパフォーマンスだけで検討するのはもってのほかでしょう。一方、個人の趣味で使用する程度であれば、AIの知見を増やすという意味において、触っておくことも大事ではないかと。何事も恐れすぎはよくありません。過渡期だからこそ自分の目で見極めたいものです。