無力

　僕は無力です。
　そう、つくづく思います。そう思っていたいとすら思います。自分が他人に対して何か救いになるようなことができる人間だなんて、そんなのはきっと思い上がりです。
　僕は無力です。
　自分の力の無さ、勇気の無さ、実行力の無さを痛感するたびに思います。自己啓発書も専門書も読みます。色んな問題の解決の仕方を学んでいます。けれどもちっとも役に立っている気になりません。学び得た知識を生かせている気が、まったくしません。
　変わりたい、変わろう、心の中ではそう思います。けれどもそれはできないと、僕の中の僕が声をあげます。
　誰も救えません。自分自身すら救えないし、成長しても何度も何度も壁にぶつかる。そのことに、より一層、他者には何もしてやれないのだと思い知らされます。
　自分にできるのはきっと、自分自身を救うことと、少しずつ変わっていくことだけ。
　これはきっと、他の人も同じなのでしょう。結局、自分のことは自分で救うしかない。他人に何もしてやれない無力さに打ちひしがれながら、少しずつ歩むしかない。そんなふうに思います。
　だから、わずかにでも何かできたなら、自分を評価してあげたい。他者に対して前向きな影響を与えられたのなら、素直に喜びたい。
　ダメでもともと、から始めよう。