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立ち読み(妄想エッセイ)
コンビニでの立ち読みは、実は推奨されています。
コンビニのブックコーナーが窓際に在る理由をご存じでしょうか?あれはあえて窓際に設置し、立ち読みするお客さんを外から見えるようにするためです。
立ち読みするお客さんを外から見えるようにする理由は?そう、お客さんが入っていて繁盛しているように見せるためなのです。
故に立ち読みは推奨されています。
私たちは、立ち読みすることでコンビニの販売促進行動に貢献しているのです。
「他のお客様の迷惑になりますので立ち読みはおやめください」
という注意書きを見かけます。あれは、駄目と言われると余計にやりたくなる心理を利用して、より立ち読みをしてもらうための注意書きなのです。
人間の罪深い心理を利用した、鮮やかなマーケティングなのです。
なので私は、先日立ち読みをしにコンビニに行きました。
注意書きを見て躊躇することも無く、ブックコーナーに行きました。そして躊躇することなく、いや、躊躇しつつもその躊躇を乗り越えつつ、エロ、、、おっと失礼、成人コーナーの本を手に取りました。
すると驚いたことに、ビニールで覆われていて、本を読むことができないではないですか。
私はビニールのかかっていない本を探しました。背後を歩く他のコンビニ客の目線が白かった気がしましたが、私はそれでもビニールのかかっていない本を探しました。
「コンビニの販売促進に貢献したい」
その一心でした。
決して成人向け雑誌のグラビア写真が見たくて仕方がなかったわけではありません。いや、見たかったのですけども、それはあくまでもコンビニの販売促進に貢献しようという、大義名分があるがゆえの行動原理に過ぎません。
やっとこさビニールのかかっていない本を見つけ、立ち読みしていると、背後から店員さんの声が聞こえました。
「すみません、立ち読みはおやめいただけますか?」
ああ、深読みしすぎていたみたいです。
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