柏崎刈羽原発の運転禁止解除に伴う私見
私は2007年7月に起きた中越沖地震後から、約3年近く東京電力の柏崎刈羽原子力発電所の放射線管理区域ではなく、周辺監視区域や防護区域で働いてきた。主な作業内容は各号機のタービン建屋で発電されていた50万Vの電力を西群馬にある開閉所まで送電する一環として、原発構内では、その高圧送電ケーブルを電力洞道内で交換する作業や地震のためにスネークが乱れたケーブルを修正する作業だった。柏崎刈羽原発で発電された電力の主な行先は東京を始めとした首都圏である。(この件は後に…)
しかし、御多分にもれず、柏崎刈羽原発では洞道内でも2018年になってケーブル火災が起きている。内容は2018年11月1日、柏崎刈羽原発でケーブルが焼けた。非常用電源設備から7号機に6900ボルトの電力を送るためのもので、被覆材が焼け、内部の導体が露出した状態だった。このケーブルは普段は通電しないが、設備試験のために同年9月から送電していたのが原因のようだ。
また、中越沖地震においては非常用発電機の火災もあった。これは視察に訪れた故・安倍晋三氏も目撃している。
兎にも角にも東京電力のケーブル火災は有名で、私はかかわってはいないが、2016年にも埼玉県新座市内にある東京電力の開閉所でケーブル火災が起き、都内の各所でも停電が起きた。この火災事故についてフリーランスのまさのあつこ氏から火災の原因のことで取材を受けた事がある。わざわざ寒い中をわたしの住いまで来られた。
私が柏崎刈羽原発で働いていた時にも作業員の死亡事故や正門入り口の外でもボヤ騒ぎ事故もあった。兎に角にもトラブルが絶えないのが東京電力だ。そのような東京電力に我々の命を託して良いのか。
さて、今回の解除に伴い原子力資料情報室も規制委員会にたいして声明を出している。中越沖地震の影響についても報じられている。
【原子力資料情報室声明】柏崎刈羽原発「運転禁止」解除、規制委に判断する資格があるのか