11月26日(火) 入院、心房細動の手術に至るまで
2022年6月のトレーニング中に心臓(心拍数)の異変を感じたのが最初。じつはその前年にもそうだと思われる予兆というか症状はあったけど、その時は心拍計のバグだと思っていた。けど同じ週に2回同じ症状が起きて、これは心臓がおかしいとはっきりと分かった。
たまたま心臓の良い先生を紹介してもらえたのでそこで診てもらい、心房細動という病気で間違いないと分かった。
その後レース活動に支障が出ないように薬を処方してもらい、心房細動が発症しないような注意などを教えてもらいトレーニング・レース活動を続けた。
夏を越えてからは発症せずに、その年のツールドおきなわでは45歳にして7回目の優勝をすることができた。
しばらく発症していなかったし、パフォーマンスも問題なかったので、喉元過ぎれば・・じゃないけどとりあえず心臓の手術はまだしなくても良いかなと思っていた。
そして2023年。
再び5月木祖村の前に発症。その後も夏場に何度か発症して、やっぱり治っていなかったのか、と。
ただやはり夏以降は発症せず。それでもいつまでも治さずに付き合っていくより手術して治してしまった方が良いとは思うのでツールドおきなわ後に手術(カテーテルアブレーション)をしようと思っていた。
しかしながら2023年のツールドおきなわはまさかの冷たい雨で全く身体が動かず、過去最高の仕上がりの井上君とは勝負すらできずに中盤で遅れてしまった。
間違いなく井上君は過去最強の走りだったので、せめてそこで勝負したかったと思った。自分も完璧にベストな状態にもってこれていたので、100%の力をぶつけて負けたのなら諦めもついた。年齢的に最後かもしれないと思いつつ、あと1年ならなんとかなるかも。2024年にもう一度100%の力を出して勝負したいと思った。
心臓の手術をしたらその後のリハビリ期間を考えると相当のビハインドだ。ただでさえ47歳になる年で細かい積み重ねで老化に抗っているのに、3ヶ月ほどトレーニング期間に穴が空いてしまうしまってはおそらく最強の井上君とは勝負にならないだろう。
そう思い2023年オフの手術はやらないことにした。
発症頻度が落ち着いてmanageableであればこのまま手術しないで、、、という淡い期待もあったが。
今までの経験からなんとなく心房細動発症のトリガーは分かっていた。酷暑・脱水の要因が大きい気がした。実際夏以外に発症したことはなかった。
しかし2024年は1月に発症した。これもZwiftトレーニング後だったので暑さと脱水が影響しているとは思うが。
これから夏に向けてまたきっと発症するだろう。一度か二度かわからないけど、いつ起こるかわからない。発症したらトレーニングは集中できないしパフォーマンスにも大きく影響する。
そんな中でレース活動に集中するのは厳しい。
実際6月のUnbound Gravelではレース中に発症した。レース序盤に950mlボトルが吹っ飛んで水分不足で走っていた為とはっきり原因は分かっているが。
このまま毎年不安を抱えながら続けるのは良くないから年末には手術しないとなとほぼ決心をしていた。
しかしながらまだ5%くらい未練があった。今年もE1のレースで勝ててるし、まだトップレベルで勝負できている。いつかは衰えて勝負できなくなるから、手術するならそうなってからで良いのではないか。という考えもあった。
そんな中、9月1日に念願の世界選手権で優勝できた。人生でいつかは達成したい、と思っていた目標が達成できた。これで最終的に手術を決断した。
まだ勝負できる、という点は変わらない。けど人生は山と谷が両方あって最終的に辻褄が合うようにできているから、世界チャンピオンになれたからって他のレースでも勝ち続けられるわけではない。むしろそういうLuckyがあった分必ず埋め合わせの苦しい時期もあると思う。アルカンシェルの呪といのがあるが。
手術して3ヶ月ほどのブランクができたら、今のレベル(おきなわで優勝目指すとか、E1で若者相手に優勝するとか)に戻らないかもしれない。その可能性は相応にあると思っていて覚悟もできている。
そもそもおきなわで7回も勝てたとか世界チャンピオンになれたってのがスーパーラッキーなので、ここでアマチュア選手としてのキャリアが終わっても悔いはないかなという境地になった。
プロのコーチにお願いしてトレーニングの取り組みを少し変えてみたのも、自分のできること・できないことが再認識して良かった。諦めがついたというか夢よりも現実を見られるようになった。
そんな経緯で心房細動の手術をすることになった。
ちなみにロードレースのトップレベルで勝負できなくなっても自転車をやめることは絶対にない。はず。
逆にそういうトレーニングしないからこそできる、他の自転車遊びもたくさんあるので。
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