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【RX 高岡】 2024.06.16 ニセコクラシック150km 45−49 2位


概要

ツール・ド・おきなわに次ぐ国内ロードレースの最重要レースの一つ

天候:曇り 22℃

結果:年代別2位、総合では20位台くらい

自己評価:★★★☆☆ 調子は良かったが結果が伴わない

目標

まだ総合優勝したことがないので、是非とも年代関係なく総合でトップを取りたい。
また北海道民の木村君もこのレースには相当合わせているので、うまく2人して上位に入りたい。

コース

ニセコ発着で8の字を描くようなルート。147km

前半に大きな山があり、それを下ってから平坦基調を走り、ラスト40kmほどはまた登りがある。
ラスト20kmが昨年と代わって勝負どころの大きな登りがショートカットされたので、いつもより大人数が残るか?という見方があった。
実際そのようになった。

レース

序盤

スタートして35kmほど、パノラマラインの山の入口まで

若い世代グループがスタート、30秒後に次のグループ、、、で45−49および50歳代は1分30秒後にスタートだった。
ただ先頭は審判者が抑えてパレード走行。後ろグループはその間に後ろに合流。全体が一つの大きな塊になってからリアルスタート。
45−49は最後尾の集団から前にあがらないといけないので、神経と多少の脚を使う。思ったよりもそれは困難ではなく前に出られた。

最初の35kmほどはジェットコースターのようなアップダウンとカーブを繰り返しながら進む。
単独で走るとまぁまぁしんどい登りだが、集団で進むとあっという間。
序盤の下りが一番スピード出て、今回も90km/h近く出ていた。

走りながらやはり調子良さを感じる。今週は疲れが取れてると感じていた通りに良い感じだ。

パノラマラインの登り

35kmくらいから頂上まで15kmほどのパノラマラインの登り。
頂上付近はほぼフラットなので、登りとしては12kmくらいか。
こんだけの登りなのでヒルクライマー勢がガチ上げしてきたら、、、というのは例年起きない。その後もまだ長いからかな。
今年は例年以上にまったりと進む。走りながら、今年は遅いねと話すくらいゆっくりだった。

そこから長い長いダウンヒルで、昨年までの勝負どころの新見の坂を下って蘭越まで一気に下る。
登りのペースがまったりだったし、登りだ多少遅れたとしても長い長い下りで合流すると思うので、蘭越に降りると大きな大きな集団。

蘭越〜日本海にワンタッチ

蘭越でトイレストップ。ここで後半に向けての不安要素をなくして、後半戦に備える。
その後の平坦区間でペースが上がる。後ろに下がっていたら、前に5名ほど抜け出ているのが見えた。(実際は前2名、追走5名の計7名)
まずいまずいと思いながら集団前方に上がって様子を見る。イナーメの小出樹選手(イツキ)が入っている。積極的かつ力もある選手なので要注意。まだ先は長いからそんなに焦らない。

海岸にワンタッチするまで基本的に平坦なんだが、少しだけ登るところがあり、そこの登りに入って前の7人は吸収された。
そこで集団は活性化。TRYCLEの佐藤駿選手(ぱやお)がアタックしたので反応してみた。ここでレースを動かすつもりはないけど、後手に回らないように、中盤以降は前に前にと展開して速いレースにしようと話していたので、その通りに実行す。

集団から抜け出るではないが、登りの頂上付近でペースアップして集団が長く伸びた。登りでちょっと上げてみて調子の良さを再確認。
今日はかなり踏めていると感じた。

幹線道路に出たところで再びいつき&TRYCLE(まさとぅー)がアタックして2名先行。
強い追い風でスピード速い。2人のアタックを集団が見送る雰囲気だったので前にいた自分は反射的に追走してみた。前2人で踏んでいるので単独で追いつくのは多少きつかったが、2分くらい頑張って追いついた。
3人になったときには集団に20秒くらい差をつけていた。
ここから3人で逃げ切るというのは現実的ではないにせよ、後半まで一緒に逃げて、少人数が追いついてきたらそこからの勝負というのもあり得るので、ここは逃げてみる。
というか、逃げるつもりなければアタックして集団から飛び出すのは無意味だし。

海岸までは強烈な追い風で50km/h以上でローテーション。
3人逃げだったけど主に牽くのはいつきと高岡。

海〜登り

日本海にワンタッチしてから折り返す。当然風向きが変わる。強烈な向かい風に。向かい風で速度落ちるけど、それは集団も同じこと。
追い風よりも先頭出るとツライので前に出たくない人が多発してローテーション回らなくなるとかもあるから、淡々と逃げ続ける方が良いかもしれない。と思い逃げのメリットを活かして一定で踏み続ける。

いよいよまさとぅーは先頭交代できなくなり、居なくなる。
とても低いフォームのイツキと2人で向かい風の中を走る。
自分の方が牽けているのを感じる。差は20→25→30秒と少しずつだけど広がっていく。45秒くらいまで広がったと思う。
しかしイツキがだんだん牽けなくなってきて、逃げとしては黄色信号。
残り50km近くある中単独逃げはムリだ。
とはいえここまで頑張ったら続けるしかない。
先頭交代しながら感じる息遣いから、いつきが千切れるのは時間の問題だと悟る。

ゆるい上りに入ってついに単独になってしまった。
差が1分開けば面白いと思うけど、そこまでは開かず。
小さく登って、少し下って、また登って、を繰り返しながら少しずつ登っていく。
後ろとの差は縮まって25秒とかになっていた。
ここから逃げ切るのは現実的ではないから、集団に飲まれたあとについていって脚を休めることを考えて少し逃げのペースを緩める。

大きな登りが始まってすぐ、左直角コーナーのところで後ろから2名が追いついて、かなりの勢いで追い抜かしてきた。COW群馬のジャージじゃなかったけど、すぐに加藤大貴選手だと分かった。
乗鞍2023優勝を筆頭にヒルクライムレースの戦績多数。あざみラインの現日本記録保持者で、日本有数のクライマーだ。
もう一人はサクラバさん。
加藤さんの脚力がヘタなプロよりも全然強い事は十分認識しているので、ここは再加速してついていく。
集団から抜け出したけど大したタイム差を稼げずに単独になり捕まってしまっては失敗と言わざるを得ないけど、こうして強い追走と一緒になれたからかなり効率悪いけど「前待ち」したという形になった。
失敗と思ったけど、もしかしたら千載一遇のチャンスに変わったかもしれない。

コース後半では一番長い登りだけど、斜度は低い。富士ヒルよりも緩い勾配。やはりヒルクライマーとして別格の脚を持つ加藤さんがハイペースを刻む。私は脚を休めたいから後ろで耐えるのみだけど、わりとすぐに耐えられずに千切れてしまった。
しかしほどなくサクラバさんも千切れたので、そこに追いついて2名で追走。いや、加藤さんが速すぎるので追走というか2人でいけるところまでいこうという感じ。

何度かの平地とゆるい下りを挟んで、ラスト20km地点くらいまでダラダラと登る。加藤さんとのタイム差は着実に広がり、後ろとのタイム差は着実に縮まる。20秒とかとなると、後ろの大集団からしたら、いつでも射程圏内と感じるだろう。実際こちらもそれは覚悟して既に逃げは終了モード。

往復の分岐点を左折してKOMに向かう途中で吸収される。
しかし集団には問題なくついていけた。そのくらい集団は大きくて、しかも活性化していない。
加藤さんとのタイム差は1分ほどに開く。これは逃げ切りの可能性高いんじゃないかと感じた。
集団は大きい。それ自体はペースアップ要因となりそうだけど、アマチュアレースの場合、30名行ってもせいぜい前でちゃんと回すのが5−8名とかで、他大多数は集団にぶら下がって先頭集団でフィニッシュしたいという連中なので、大きいゆえに機能しないことのほうが多い。

ラスト20km

KOM過ぎてからの長い下りもペースは上がらず。
下り途中で左折して昆布温泉の直線登坂1.2kmほどに入る。
まぁまぁ斜度がきつくて、誰もが終盤の勝負どころと思っているところ。
事前にチームメートの木村君ともここで勝負だねと言っていた。

ここまでほぼ動いていない木村君が仕掛けるかと思ったけど、何もせず。
集団はおとなしいまま。ここでペース上がらないなら集団は崩れないし、いよいよ加藤さんの逃げ切り濃厚になる。
タイム差が1’15と聞いて、9割がた加藤さんの逃げ切りだと思った。ここはつまらない2位争いか。
ペース上がらないので自分から先頭に出てペース上げてみる。
事前想定ではペース上げて最後にさらにギアかけて集団を崩壊させて少人数の勝負に、、、とか思っていたけど実際走ってみると自分にそこまで力ないし、周りは思ったより強いし、というのはよくあること。
多少の呼び水にはなったくらいで大した動きにはならない。
後半に地元北海道のシマノ選手がペースアップしたけど集団崩壊にも抜け出しにも至らず。
自分も集団前方で昆布温泉の登りをクリアして、下りへ。

下りも特にハイペースではなく集団で進んでいく。2回ほど小さい登り返しがあるが集団では気にならないで勢いでいってしまう。単独ならそういうところも地味にキツイだろう。
タイム差が少し縮まって45秒と聞いた気がするが、残り距離を考えると追いつく気はしなくて、集団内で逃げが決まっちゃったねという話をしたくらい。

下りは安全に集団内で進み底まで行くと残り残り約8km。そこからは登り基調。
下り切る直前くらいに先導車・バイクが見えてきて?!?となった。
まさか単独先頭の加藤さんが失速した?
下りで集団の勢いは偉大。なんと下り切る直前あたりで吸収してしまった。レースは振り出しに戻る。

集団は20名くらいはいただろうか。こうなると脚を使っていなかった選手たちが俄然優位になる。
木村君もまったく動いていなかったから、最後狙えるんじゃないかと思っていた。ただこれだけの人数の集団スプリントで勝てるのか?という点は若干懐疑的であるのと、前日までの宣言とは違い全く動いていないのは調子が悪いからなのか?ここらへんはレース中に確認しておくべきだった。
(実際は中盤の集団落車の影響で前輪スポークが破損してフレが出ていたなどの機材トラブルにより勝負できていなかったとあとから分かった)

最後の大きな幹線道路に出るまでに緩急ありながらも登りが続く。
そこでも意外と大きな動きがない。集団が絞られるような動きがあればそこになんとか食らいついて残る、というのが自分の持ち味だと思うが、登りでのペースアップもキレはなく自分でもじゅうぶんついていけるほど。
残れたのは良いけど、このまま行ったらたぶん自分はスプリントする脚は残っていない。かと言って集団から飛び出して逃げられるほどの脚もない。
こうなったらほぼ動いていない木村君にスプリントで勝ってもらうしかない。そういう動きをしようと思った。

最後のキツイ登りを越えて集団がホッとしてスプリントに備えたいであろうところで攻撃してみる。登りきり直前でダッシュして少し空いたギャップを下りに入って踏んで逃げを試みる。
それに反応したのは木村君。2人で少しだけ抜け出す。
差はほんの少しだけだけど、「少しだからすぐ捕まるだろう。誰かが追えばすぐ捕まる」と集団が思えばチャンスはある。
なんとなくスプリントはダメだろうと思って諦めていたので、ここは全力で逃げてみる。後ろからシマノ選手が追ってきてジョイン。
良いメンツではあったけど、フィニッシュまであと4km。集団も追走してきてつながり、試みは失敗に終わる。

そこからはスプリントに向けて進む。けっこう向かい風が強い。
20名くらいの集団でのスプリントは難しい。脚がなければ勝てないが、チキンゲームのようでもあり、脚があるだけでは勝てない。

ラスト2km前くらいで小柄な選手がアタック。後で知ったけど北海道の高校生。良いタイミングとスピードで、けっこうバカにならない差がつく。
そのまま距離は消化されていき、これ追いつかないんじゃね?という差になる。
スプリントできると言っている木村君がいるので、お見合いで逃げ切られてしまうのは避けないといけない。ラスト2km切ってから追走することにした。
しかし1人では詰めきれない差。少し差を詰めたけど、そこで先頭代わって他に任せた。

絶対的なスプリンターは居ない(知らないだけかも)集団でまぁまぁスプリントできるのはイナーメの北野か。
自分と同じく逃げて脚を使っている、かつスプリント力があまりないイツキ(イナーメ)は北野のアシストとして集団牽引。ラスト1kmくらいから強烈に牽いて一気に差が詰まった。
最後のちょっとした坂を登るとセイコーマートでラスト500mくらい。
その坂の前でイツキの牽引が終了。もう十分射程圏内に入った。そこから最後の牽引で逃げを吸収してスプリントに持ち込む。
セイコーマートの手前でお役御免になる時後ろ見たら少し車間が開いていた。
1人が逃げている高校生に追いつき、その後に木村君が飛び出して3番手で最後の左コーナーに侵入。木村君が追い抜いていった際に『勝てよー!』と声をかけて自分のレースは終わった。
車間少しだけ開いたけど後ろも繋がった感じで最終登りスプリントに。

木村君がスプリントするのを後ろから見ながら、インナーに落として流してフィニッシュへ向かう。
後ろから見てもわかるほど圧倒的なスプリントで後続を大きく引き離して黄色いジャージが勝ったのが見えた。小林亮選手だ。

木村君は総合4位。(年代別では2位)

私は、年代別なんて興味ないと思っていたけど、それすらも取れず。集団に残った田崎選手が45−49で優勝。私が2位。

考察

間違いなく調子は良かった。
逃げたのはプラン通りですか?とか必ずインタビューで聞かれるけど、レース展開を事前に決めることはない。全てのシナリオを頭で描きはするので、考えていたことと言えばそうだが、色々考えたシナリオのどれを実行するかは考えずに身体が動くのが常。

結果的に逃げは徒労に終わったが、強い選手が追いついてきて一緒に先頭グループを形成するチャンスもあった。たまたまうまくいかなかったけど、だからと言って失敗だったとは思っていない。
こういうチャレンジをしなければ、ツールドおきなわで数10km独走で勝つなんて一生できない。うまくいく時もあれば失敗する時もある。

しかしながら、北の大地とは相性が悪いような気がするのは否めない。

来年どうするかなんて今はわからないけど、2026年にニセコでグランフォンド世界選手権が開催されることが決定したので、そこでの優勝を目指して挑戦し続けるんだろうな。

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